アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「お悔やみカード」にみるアメリカの死生観(死後観)の違い
最近本ブログは、ストレスや自殺の問題等少し重い内容のエントリーが続いています。重いついでにもう一つ。我々日本人とアメリカ人の死生観、死後観が大分違うのではなかろうか?という具体的事例を一つ。

天国と黄泉の国

最近、当方の会社の親会社の方のお父様が亡くなりました。こちらにもニュースが伝わってきました。アメリカ人も良く知っている方です。

そこでこちらのアメリカ人サイドもお悔やみの気持を表そう、という事でお悔やみのカードを皆で書くことにしました。

こちらは何事もカードで気持を表す社会です。お礼、お祝い、お見舞い、何でもカードで気持を伝えます。スーパーの一角には各種カードの売り場が広く取られています。

お悔やみも同じです。そこでアメリカ人のマネージャーがカードを買ってきました。カードには既に代表的なお悔やみ文が印刷されています。それを皆に回覧、各人のサインと言葉を入れて日本に郵送します。

そのカードの文面が我々日本人から見るとオヤット思う内容です。ここにそれを挙げてみましょう。

A Note of caring

As you honor your dad’s life.

“May wonderful memories of your dad help you celebrate and commemorate his life, remind you of his love, and bring peace and healing to your heart.
With sympathy.”

最初の”A Note of caring”というのはカードの種類です。「お慰めの言葉」とでも言いましょうか。その次の”As you honor your dad’s life.”「お父様の人生の栄誉」が表題です。

その下が本文です。これを直訳すると

「あなたのお父様への素晴らしい思い出は、お父様の人生を祝し記念として、且つお父様の愛情を思い出させあなたの心へ平和と癒しを運んでくれますように。」

となります。

これはキリスト教の天国観でしょうか。人は死ぬと天国に行き神から祝福されるという死生観、死後観があるようです。それで「祝福」や「記念する」がキーワードになっているようです。

ところが我々日本人の死後の世界観は、暗くじめじめしたと言われている黄泉の国。こういう「祝福」や「記念する」という言葉は表れてきません。代表的な言葉を弔電事例から上げてみます。

「○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」

「冥福」というのは死後の幸福の事のようですがそれでも「悼む」、「お悔やみ」等“哀”が基調のキーワードとなっています。

勿論アメリカでも”Sympathy”,”Regret”,”Condolence”という言葉があり使われています。本お悔やみカードにもその言葉を書き込んでいた人がいました。しかし、カードの代表文が表すように一般的な死後観は、天国に行き祝福されるという事のようです。



そういえばこちらのお葬式に教会や葬儀場に何回か行った事がありますが、お葬式で唄ったりバックグラウンドミュージックで演奏する曲はメジャー(長調)のいわゆる明るい基調の曲が多いですね。



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コメント
この記事へのコメント
久しぶりです。
最近、家内が「もし私が死んだら、葬式は出さなくていいから・・」と言っています。
でも、よく考えたら、葬式は死者のためではなく、残された遺族がその死を受け入れやすくするのが目的でしょう。
その点、アメリカでは死者の生前の名誉を讃え、死後の平安を説くことで、遺族を慰めようとしている。
一方、日本では「悔やみ」が主です。
これは多分、「こんなこともしてやればよかった・・・」などと、悔いが残るでしょうが、と同情することで、慰めようとしているようですね。
前者が宗教的なのに比べて、後者は世俗的なような気もします。
2006/12/02(土) 00:32:35 | URL | 英さん #-[ 編集]
言いにくいのですが
細かい事で恐縮なのですが
May wonderfull,,,,,というのはーーーーとなりますように、という意味ではないでしょうか。
ほら、White Christmasの中にある、May your days be merry and bright.と言うのと同じような使い方ではないかと思います。
間違い名人の私がこんな事をいうのは、おこがましいのですがたまたま気が付きましたので。

お邪魔しました。

2006/12/02(土) 13:39:39 | URL | calperch #-[ 編集]
英さんコメントありがとうございます。
英さんコメントありがとうございます。
こちらに新聞の死亡記事欄(Obituary。記者の書く記事ではなく、関係者の投稿のようです)があります。その中味を見ると殆んど亡くなった方への礼讃一色ですね。ここらにも日本との違いを感じます。
ところで英さんのブログにコメントを投稿しようと思うのですが、サインインとやらがオヤジには良く分りません。またトライします。
2006/12/02(土) 16:55:32 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
Calperchさんご指摘ありがとうございます。
Calperchさんご指摘ありがとうございます。滞米10余年、英語学習数十年で初めてこの用法を知りました。
ふつつかものですが、今後もご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします(大汗でひたすら日本語モードで〆ました)。
2006/12/02(土) 17:05:50 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
いまごろコメント(といいますか質問)失礼します
突然にすみません、OBITUARYというのでしょうか、死亡記事に長々と伝記風のコメントを書く文化がアメリカにはあって、日本にはないような気がするのですが、なぜなのでしょうか?これもまた死生観でしょうか?
2009/06/24(水) 01:55:27 | URL | Lalalan Shore #-[ 編集]
Re: いまごろコメント(といいますか質問)失礼します
Lalalan Shoreさん、ご訪問ありがとうございます。

> 突然にすみません、OBITUARYというのでしょうか、死亡記事に長々と伝記風のコメントを書く文化がアメリカにはあって、日本にはないような気がするのですが、なぜなのでしょうか?これもまた死生観でしょうか?

そうですね。少し日本とは違うようですね。日本の死亡記事欄であれば、死亡日時、死因、葬儀スケジュール等ですが、こちらのOBITUARYは、生前の業績や社会への貢献を明るく書いていますね。

こちらの葬儀にも参加した事がありますが、死去は確かに悲しい事ではありますが、死去したら神の下へ行ける、よって幸福だともいうべき死生観があるようですね。葬儀の音楽は(教会音楽)は、明るい長調(メジャー)の曲ばかりでした。短調の悲しげな曲は皆無でした。きっと死生観が違うのだと思います。
2009/06/24(水) 14:27:34 | URL | いちろう #-[ 編集]
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