アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
重くのしかかるアメリカの銃社会―――いちろうの見聞するアメリカの銃社会の実態と感じる所
今週の月曜日にバージニアの大学で33名が死亡するという銃による乱射事件がありました。アメリカは銃社会。これによる暗い事件が続いています。ここでは当方の見聞するアメリカ銃社会の実態と感じるところをレポートします。

ルイビル市で年に約60件の殺人事件発生

当方の近くのルイビル。ここはルイビルメトロ地区で70万人の人口がいますが、年間の殺人事件は約60~70件です。一週間に一回強のペース。こちらの殺人事件は銃による発砲事件が大部分を占めます。

毎朝のラジオのニュースでは週に一回強の割合で発砲殺人事件の発生を知らせています。さすがにアメリカといえども大部分が夜間の発生。真っ昼間での銃の発射殺人事件はごくわずかです(皆無ではない)。

これも人間関係のトラブルから来ているものが大部分で、今回のバージニアテック大学のような無関係の人が突然撃たれるというのは通常はごくわずかです(皆無ではない)。

又、銃社会でセキュリーティ(警察への通報システム)が発達しているからか、又銃での防御があると感じているのか一般の強盗事件もあまり聞きません(皆無ではない)。

日本でも毎日どこかで殺人事件は起こっています。しかしこちらアメリカでは銃のために被害は大きくなりがちです。こんな中で被害を少なくする我々の最低限の自己防衛策としては、まず夜間危ない所に行かず、知らない人と係わり合いにならない、ということでしょうか。

それ以上の皆無ではないケース例えば強盗や脅迫では、逃げ方身の守り方を研究してひたすら実行する事でしょうか。これはこちらではまじめに意見交換され研究されています。強盗に出くわしたら、①争わずに、②素直に財布を、③手渡しではなく路上に投げる、④強盗がそれを拾おうとして下を向いた隙に逃げる、逃げる時も蛇行して走りながら逃げる、等々です。

銃は身を守るか?

確かに当方の家の様に人里離れた場所にある所で、今まで強盗に入られた経験がないのは、当方の家にはセキュリティシステムがあるものの、銃の存在(と、思われている。実際は当方の家では銃は保持していません)があるからかもしれません。ある種の国家の防衛論が成り立つのかもしれません。

しかし上記の銃による殺人事件の様な人間関係のトラブルでは、防衛論を開陳する暇なく争いが起こり、かえって銃により被害が拡大するという構図になるのかもしれません。今回のような学校襲撃事件も然りです。

ワイルドライフ(野生動物)からの身の保全

銃の反規制派のひとつの理由がこのワイルドライフからの身の保全です。アメリカは広大な自然の残った国。野生の動物が人を襲うという事も理屈では考えられます。しかしアメリカといえども、だんだん自然は少なくなっています。殆どの人にとっては突然野生の動物に襲われるという環境は無くなっているのではないでしょうか。

Shooting Range(射撃場)

銃の反規制派のもう一つの理由が射撃のスポーツ性のようです。スポーツ的娯楽としての射撃を取り上げるのはけしからん、というものです。

皆が良く使うのか確かにこの射撃場あちこちにあります。こちらではShooting Range(シューティングレンジ)と呼んでいます。日本のゴルフ練習場のように撃つ場所が並んで、標的の方に向けて射撃します。因みにこちらのゴルフの練習場はドライビングレンジといいます。

これがなんとインディアナ州に92箇所、ケンタッキー州には50箇所あるそうです。当方も数回このシューティングレンジにアメリカ人の同僚に連れて行ってもらいました。

当方の少ない経験では、このシューティングレンジ。お世辞にも綺麗な所ではないし、皆黙々と射撃をしていました。確かにベテランでも緊張するのかあまり笑みは見せていません。これはどう見てもスポーツ娯楽というより射撃の練習を黙々としているの図です。

各州に数十箇所種シューティングレンジがありますが、個人的にはスポーツ娯楽のためというより射撃の腕をあげるための実用的練習場という感じがしました。

因みにこの時に連れて行ってくれた同僚のTim。シューティングレンジに着くやいなやトランクからライフル、ハンドガン、ガン、ピストル等10丁くらい取り出してきたのにはびっくりしました。彼の家で持っているのだそうです。



日本でもはるか昔に「安全と水はただである」神話は崩壊していますが、こちらアメリカでは毎年毎年「安全」のコスト(犠牲)にあえいでいる、の図でしょうか。









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コメント
この記事へのコメント
この事件はIUにもショックを広げました。最初は自由のために認めていた銃が、今は凶悪犯罪の温床という負の側面ばかりが大きくなっている気がします。もうそろそろ変わるべき時が来ている気がするのですけどね。少なくともこの事件で、「子供をアメリカには行かせたくない」という親は増えたと思います。
2007/04/21(土) 00:39:41 | URL | ざっく #-[ 編集]
日本では長崎市長の暗殺と重なって、このバージニア工科大学の事件は大反響です。もう一点、犯人が韓国人であったことも影響しています。我々アジア人としては、海外で生活する時に、少なからず「差別」を感じるもので、その点では他人事ではありません。
銃規制の問題はともかく、アメリカではこの差別については今回の事件ではどういった反応が出ているんでしょうか?
2007/04/21(土) 10:53:53 | URL | 英さん #-[ 編集]
ざっくさん
こちらの大学はキャンパスも広くオープンなのでセキュリティ面では大変でしょうね。

アメリカに居住している我々はある程度安全のコツというものが分かっていますが(それでも不測の事態は避けられない)、日本にいる保護者や関係者は不安でしょうね。
2007/04/21(土) 13:35:25 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
英さん
今の所当方のいる中西部は白人社会マジョリティが優勢な余裕からかアジア人排訴の論調は強くないです。

しかしニュースで連日今回の加害者の名前(チョー.スン.ウィーと聞こえます)と国籍を連呼しておりそれがアメリカ人の意識に刷り込まれると、韓国系の人達は今後大変になるだろうと思います。
2007/04/21(土) 13:43:23 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
銃、正当防衛、携帯許可
銃が蔓延しているこの国では、事故による事件が結構ありますね。銃と持てるという所持の許可と、携帯の許可は普通べつになっていて、携帯許可は取得が難しくしくなっています。普通の市民は弾の込められた銃を持って歩く事は法律で禁止されています。犯罪をもくろんでいる犯罪者には
こんな法律は無効ですが。

また、正当防衛については、強盗が自分の庭に入ってきた時に狙撃をすると過剰防衛の問われます。家の中にはいってきた
瞬間から正当防衛が成立するというのが、刑事裁判の判例だといいます。

銃になじみのない市民の自衛には、ピストルよりも、連発のショットガンのほうが有効だといわれてるようです。

今日は、物騒な話をしてしまいました。知識の足しにでもなれば、と思いまして、、

2007/04/22(日) 10:52:06 | URL | calperch #-[ 編集]
事件その物も怖いのですが、それを取巻く国家間の関係の事が気にかかりました。一部の人達によるものでしょうが、この事件をめぐってのインターネット上での言い争い等を見ました。一人の人間の行いを見て、その属する国家や民族を非難し合って、それを見た周りの人も洗脳に近い状態で他国の人を敵と思ってしまう、というのはとても怖い事ですね。私は1992年のロス暴動の事も、この事件の関連で初めて知りました。アメリカという国はものすごく微妙なバランスの上で成り立っているのではないか、と感じました。
幸い、先輩のいらっしゃる地域は混乱は無いようですね。よかったです。
2007/04/23(月) 02:36:13 | URL | Nakaya #f4RRH762[ 編集]
Calperchさん
この携帯の許可がConcealed Carry Lawというものでしょうか?良く聞かされるのが「拳銃を車のトランクに入れて運んでも良いが、ダッシュボードに入れてはダメ」というのがありますね。これもStateで法律が制定されて各州違うようですね。

先日新聞の投書欄を見ていたら、「この法律を厳しく制定した州(Texas等)は犯罪発生率が減ったので、これを厳しくする事で銃規制をするべきだ」という意見が出ていました。

日本の銃規制の主張者から見ると五十歩百歩ですが、アメリカで現実を見た場合これも一理あるのでしょうね。
2007/04/23(月) 13:20:00 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
Nakayaさん
コメントありがとうございます。今回の一件でこちらの新聞の記事や投書欄を大分見ましたが、犯人が韓国人である事による非難めいた論調は見ませんでしたね。

韓国からアメリカに来た時の犯人の精神的な不安定さにはメスを入れていましたが、いわゆる外国人排訴論調ではなく、同じ居住者としての問題(登録上は外国人ですが)として取り上げていました。

本当の過激派はどうか分かりませんが(これは日本でも同じですよね)新聞の投書という世論の平均の意見も外国人排訴的では無かったです。

この辺がアメリカの”懐の深い”所ですね。

2007/04/23(月) 13:32:28 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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