アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
日系グローバル企業のプレゼンでのジョーク―――髭の話題、髪の話題、身体的特徴の話題、お酒、について
「笑いは緊張の緩和である」と言ったのは上方落語の大家の桂枝雀でした。洋の東西を問わず笑いというものは良いもので、今回のA社のプレゼンにもさりげなくちりばめられていました。

髭の話題、髪の話題

会議の二日目です。最初に登壇したのは製造役員のO氏。製造関係のプレゼンに熱弁を揮いました。顔をよく見ると、カイザー髭のような立派な髭を蓄えています。プレゼン、髭共に迫力がありました。

その次に登壇した営業役員のP氏。この人も髭を伸ばしていますがO氏程立派ではないアメリカでは普通の髭。P氏登壇するなり、

“He is a tough mustache person, not only a tough presenter. (彼はプレゼンだけでなく髭もすごいですね)” (会場笑い)

P氏のプレゼンも終わり、次に登壇したのは品質保証のQ氏。この人は少々髪が薄くなっています。前の二人のふさふさの髪を指摘して、

“They have much hair ……..(先の二人は髪がふさふさですが....)“ (会場笑い)

と、すかさず笑いを取りました。その他、聞き取れませんでしたが、司会者、他のプレゼンの人もきっかけを見つけてはジョークを言っていました。この辺は厳粛なサプライヤーミーティングですが、陽気なアメリカ人気質が表れています。

笑いの禁句は?

人を傷つける笑いは古今東西タブーとなっています。特に身体的特徴をジョークネタにする場合は注意が必要です。

アメリカの場合、頭の薄い人は人種的に割合が多いのかよく話題に上がります。若くして薄くなり始め、30代にはいると見事なテカテカ頭の人が多いアメリカです。上記の様に自分から笑いのタネにしています。しかし頭の薄い人が多いとはいえ、やはり他の人からのジョークネタにしているのは聞きません。

背の高さもそうです。背の低い人が発表台の上に立ち机の前で、

“Can you hear me?(私の声が聞こえますか?)“

と言ってよく笑いを取ります。これは(私が見えますか?)とかけた面白さです。これはこうしたプレゼンの定番で、コミュニティの会合からこうした大企業のプレゼンまでよく出てきます。しかし、これも他の人から背の低い人へのジョークネタは聞いた事がありません。一方、こちらでは背の高い人の話題はあまりしません。

さて、問題は太った人の話題です。これは人権意識の高まりから冷やかしを含めてジョークネタは厳禁という所でしょうか。これを連発するとハラスメントで訴えられる事も覚悟した方が良いでしょう。日本でも最近は同じ傾向でしょうか?

「お酒で楽しく酔いました」とは言わないアメリカ

これは今回のサプライヤーミーティグでは無く、会社のパーティーでの経験です。パーティー主催者の日本側親会社の幹部のスピーチです。この幹部はパーティーが成功して感無量に言いました。

「今夜は本当にありがとうございました。パーティーも大成功で、私も嬉しくてお酒に程よく酔って口も回らなくなりましたが....」

これは日本人であれば皆理解できる心情です。祭事民俗風習のあるアジア人の流れを汲む日本人だからでしょうか?

しかし宗教的な禁欲的価値観からか、人前ではあまり酔顔を見せないアメリカ人は皆怪訝そうな顔をしていました。こちらのアメリカ人は、パーティでもアルコール類を飲む人は日本人に較べ少ないですね。



万国共通と思われている笑いのネタ。これもお国によって少し違うようです。




 
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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、いつも思うのですが、日本人は伝統的に落語や漫才のように、楽しい話術を持っているのに、こういった仕事の場ではそれがうまく使えないのはなぜですかね?
2007/05/24(木) 00:49:29 | URL | 英さん #-[ 編集]
英さん
言語の違いや、個のあり方等いろんな深層要因があると思いますが、表層的な一つの要因は、日本みたいな終身雇用ではない、という事もあると思います。

会社を自分のキャリーの糧として渡り歩くアメリカ。日本みたいに上役におもねるという考えがありません。勿論上役は当座の生殺与奪の権を握る人物ですが、自分を卑下してまで勤めようという考えは無いようです。あくまで対等です。

この対等という所に「緊張の緩和」、即ち笑いが生じ易い要因があるのではないでしょうか?

2007/05/24(木) 13:54:07 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
笑う事での一体感
個々に分かれている個人たちを笑いが一網打尽にするという効果があるのではないかと、チラッと思いました。
個、個が集団、仲間と言う意識を持つと言う事と言ってもいいかもしれません。

冗談を言うことも処世と術としては大事ですね。また、もっと大事なのはその冗談をわらえる、ユーモアのセンスではないかとも思うのですが。いかがでしょう、いちろうさん
2007/05/26(土) 03:01:46 | URL | calperch #-[ 編集]
Calperchさん
テンション民族の日本人とは違い、アメリカ人(とはいえ、1/3がマイノリティになったそうですが)は随所に笑いをちりばめますね。発する方も受け取る方も、センスがあるのでしょうか?

ラジオのアナウンサー、コメンテイター同士の笑い。日本からみると不謹慎極まりないと思うくらいです。これが特に娯楽コーナーでもない一般の放送ですがですが、結構笑いにつつまれていますね。

又、物まねのコーナーがあり、クリントンやブッシュの物まねさんが出てきて、女ネタ(クリントン)やうっかりネタ(ブッシュ)をやっています。

Kia社のCM(韓国車ですが、CM製作はアメリカ人)でも、クリントン、ブッシュ、ヒラリーの物まねがが出てきて、楽しく笑わせてくれます。

本物のブッシュはイギリスの女王陛下の前で(おとぼけから)笑いを取っていたようですし...

あの場面、日本であったらあんなに笑い場面になっただろうか?と思いを馳せます。政治家も会場にいた人もアメリカ人(が主体でしょうから)。ユーモアのセンスが違うのでしょうね。
2007/05/27(日) 00:18:27 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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