アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
殉職警察官に対する社会の尊敬度―――アメリカの警察に対するメディアの扱い
犯罪多発状態の現在、この犯罪取り締まり途上で殉職する警察官は日本でもアメリカでも後を断ちません。その葬儀は日本でもこちらアメリカでも厳粛に執り行われます。関係者の思いもひとしおで、最大限の弔意をもって執り行われるでしょう。

日本では警察の上層部も葬儀に出席して、その栄誉をたたえ弔意を表すようです。しかしこちらアメリカではそれだけではなく、更に社会全体が注意を払い敬意を持ってその殉職警察官の葬儀を受け止めます。本日の地元の新聞にその様子が出ていましたので紹介します。

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(殉職警察官の葬儀の模様が地元新聞の一面に大々的に出ました)


新聞の一面に特集で報道

当方の居住区の近くにFloyd Countyという郡があります。そこの警察官のFrank Denzinger氏が市民の口論を取締り中に撃たれ死亡しました。犯人はそのまま自分の銃で自殺、というなんともアメリカらしい痛ましい事件でした。

昨日そのDenzinger氏の葬儀が、地元で数百人の同僚や地元民が出席して執り行われました。これはルイビル地区でも大きく話題になり、新聞が一面で報じていました。又ラジオでも報じられていました。写真は本日のルイビルの新聞The Courier Journal誌の一面です。

高速道路を規制しての葬送行進

こちらは葬式の後に、無くなった方のゆかりの地をめぐってお墓まで車で巡回していく慣習があります。関係者の車が何台も旗を掲げ連なって行進していきます。行き会った人々は車を止めるか徐行して弔意を表します。

その行進を、Denzinger氏の生前のパトロール区間であった高速道路まで含めたルートで行いました。そのために先日の日中3時間くらい高速道路の地元の入り口を閉鎖しました。

警察への尊敬度の高いアメリカと、戦前の特高への警戒心から認知度の低い日本

アメリカ(ここら中西部)では、警察は軍に次いで市民の安全を守る大切な機関という受け止め方をしています。時々問題を起こすものの、人々の尊敬度、信頼度も日本に較べると格段に高くなっています。

地元のメディアには、警察の人達の話題(就任や離任の人事異動、色々な市民サービスの様子、等)が新聞によく出ます。日本のように“民主警察“と断り書きを入れなくても、人々からの支持は絶大なものがあります。

それが顕著に現れたのが今回の葬儀のニュースであり、且つ葬送行進に対する高速道路規制への人々の理解でした。

翻って日本の場合はどうでしょうか?勿論職場や地域の関係者は葬儀に出席して最大限の弔意を表します。又、職位も死後一階級特進で殉職警察官に報います。

しかし、メディアを含めた一般の人々の関心は、このアメリカの事例ほどは高くないのではないかと思います。警察“権力”といってまだメディアを含めて、腰の引ける所があるのでしょう。ましてや、高速道路の規制を一警察官のために行うとなると、「公私混同だ」と文句が来るのではないでしょうか?



銃の蔓延、個の社会、雑多な人種の集合体のアメリカでは犯罪も凶暴化、多様化しています。それを治めるには武断統治でないと治まらない面があります。その社会の人々のよりどころとする警察への思いがこうした扱いになって表れてきているのでしょうか。




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コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、日本人の警察に関する印象は年代によって違うのかもしれません。
我々戦後生まれは、特高は現実的な実感はありませんが、戦中派の人達には苦い思い出なのかもしれません。
現在は、街角の交番の「おまわりさん」としての親しみやすい警察と、裏で暴力団など闇とつながっている一部幹部層の両面を持っています。
なかなか手放しで警察全体を尊敬し、畏敬する存在ではないようです。
2007/06/26(火) 23:20:55 | URL | 英さん #-[ 編集]
畏敬の念を抱くような存在には、まだなりませんね。警察官と話をする機会は、なかなかありませんが、話し方や人との接し方が横柄で好きになれません。叔父が元警官で、従兄弟が警官なんですが。。
2007/06/27(水) 01:44:00 | URL | 岳人 #-[ 編集]
英さん
アメリカのこれは、西部開拓時代の頃の住民の安全を守る機能のシェリフ(今でもありますが)への畏敬の念から連綿と続いているのでしょうか。

日本の明治維新、太平洋戦争、といったような体制変換がアメリカは無かったので、価値観の一貫性があるのでしょうか。



2007/06/27(水) 13:41:19 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
岳人さん
当方はこちらで車の接触事故を起こした時に、警察の調べを受けました。事故は当方に非があったのにもかかわらず、その時には警察官から”....Sir,...”と呼ばれたのにはびっくりしました。

更に、車が事故で使えなくておろおろしていたら、パトカーに乗せてくれて(しかも助手席でした!)レンターカーの店まで連れて行ってくれました。

パトカーに乗ったのは後にも先にもこれが初めてでした(苦笑)

日本であれば横柄に言われて、けんもほろろに扱われるのでしょうか?
2007/06/27(水) 13:51:01 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
市民の警察
機動隊になぐられた身になってみると、国家権力=警察と言う数式になりがちですが、刑事と公安とはやはり違うわけで、日本の刑事警察については、世のため、人のためと言った面で、こちらの市警と共通するものがあるのではないかと感じています。
こちらの市警の警官は市民が雇い法の執行を委託すると言う関係がはっきりしていると思います。したがって、市民の奉仕者である、警官が倒れた時には、市民全体のコミュニティが雇い主として感謝、追悼の念を示すと言うのが当たり前ということではないでしょうか?
また、州全体から、仲間の警官の参列者がくるのも特徴ではないでしょうか?
2007/06/29(金) 01:20:52 | URL | calperch #-[ 編集]
Calperchさん
こちらは警察官も転職のある流動的な労働市場の一つですね。先日まで会社の同僚だった人が、ポリスになると言って辞めていくのを見ました(アカデミー制度があるのかどうかは不明ですが)。

こうなると警察も日本のように官僚の末端という感じではなくて、職務に忠実な市民の(有志の)護警団という感じがしてきますよね。

アメリカはあまり官僚の姿が見えませんが(選挙のたびに市や国のスタッフがごっそり変わると聞きますが)、この官僚組織になるとそれだけで自己組織防衛に走り、市民の為という観点が抜けてきますよね。

警察組織も日米その差があるのでしょうか?
2007/06/29(金) 13:41:44 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
特高関係ないでしょ?
日本は基本反国家サヨクの国だから、
公職の人への尊敬度が低い。

それだけの話。
2015/07/17(金) 14:31:33 | URL | #-[ 編集]
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