アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
“中学卒業程度”の英語力―――これで実用英語の要件は充分に満足しているのではなかろうか?
さだまさしのトークショーで“中学卒業程度”の英語のくだりが出てきます。

あの弁舌さわやかなさだまさし。しかし、英語の方では苦労しているようです。そのトークショーの英語ネタの中で、英語の出来なさ具合を表すのに「我々“中学卒業程度”の英語力では....」という表現をしていました。

高学歴時代を迎えても英語が使えない人は数多の如くいます。高学歴レベルの英語必要要件を満たしていない、即ち中学卒業レベルの英語しか身についていない、という意味合いでしょうか。

しかし、さる人の研究では中学レベルの英語は充分実用に耐えるレベルだとか。

これを、当方の大分高専一年の時代(高校一年に相当)の日記に残っている英語を、在米10余年で培われた日常英語力(?)で検証してみましょう。

当方の学生時代の日記に残っている“中学卒業程度”の英語

何事もずぼらな当方ですが、学生時代のほぼ5年間(高専は5年間の制度)日記をつけていました。さらに奇遇なのは、今まで30余年間のサラリーマン生活でアメリカまで含めて数回の引越しにも、その日記が逸散せずに残っていた事です。

その日記を見てみると、数日だけですが英語日記が残っています。英語の勉強にと始めたものでしょう。しかしこの英語編の日記は長続きはしなかったようです。

その数日の中の記述を見てみましょう。これは当方が大分高専1年の6月の時ですから中学を出てすぐの頃です。大分高専に入って英語を更に学んだにしても、ほぼ“中学卒業程度“の英語といっても良いでしょう。

間違いも、おかしい所も含めて一挙大公開といきましょう。

1968年6月25日

“I went back to my home yesterday and today. When I worked enough to give me satisfaction for cleaning the house of hens’ and caring of hens. I will also quite study in future.”

大分高専時代は寮生活をしており、久しぶりの帰省の様子を寮に戻ってきてまとめたようです。「(家に)帰った」を”went back”にしているのは立派。よく“Came back”と間違える。他は文法的にやや変。

1968年6月26日

“A schedule of the examination was announced today. There are about ten days by examination. I will try to study hard as hard as I can.”

テストの予定が発表されて「さてやらねば」と意気込んでいる所です。受動態も出てきています。「テストまで10日」というところを、日本人は“Be動詞”を使わずに“Take”や“Have”にしがちだ、というのはあるネイティブの人の本で読みました。これはそれを知っていたかどうか不明ですが“Be動詞”を使っています。後段の比較のところがおかしくなっています。

1968年6月27日

“I found that I am immature for playing soccer a game today. I found that I have poor kick and may be. It is about two months since I began the soccer. Anyhow, I will try to be a good member of eleven.”

大分高専に入ってサッカーを始めました。その未熟さ加減を嘆いています。前置詞や冠詞がおかしいのとやや舌足らずですが、時制はまずまずでしょうか。

1968年6月30日

“I started to study at half past two today, for I was too tired. But, here, I should not be discouraged. I will work hard. I talked with B about summer vacation today, part time, hitch-hike, trip for instance. I want to do all it, in this summer I am to do hard chiefly part-time and I will buy a bike of Little Honda, and I want earn for my self and do a trip for myself.”

テスト勉強の時期です。勉強の合間に、友人のB君が来て夏休みの話をしていきました。”Be discouraged…”などという難しい表現はアメリカにいる今でも使った事は有りません(前向き社会アメリカではあまり出てこない表現だということもありますが)。” I am to do….”と“Be+To+動詞”の形も出てきています。

1968年7月1日

“It is Saturday today. Fortunately is rain, so I was free in the afternoon after a long absence. I had a lunch, and made myself comfortable while playing guitar. I think that I could study peaceful. I will be able to study enough for it will be holiday tomorrow.”

テスト勉強期間の休日。すこし息抜きをしたようです。冠詞の使い方“While”以下の文型、副詞の形がおかしいようです。

実用英語の要件は満足している“中学卒業程度”の英語

以上含めて、在米10余年の日常英語の経験から検証すると、文法や用法、冠詞の使い方がややおかしいものの、受動態、比較級、時制等を使おうとしておりレベル的には充分実用英語のレベルです。又、語彙的にもこんな物でしょう。もう少し”枝葉“をつければ,現在毎日当方がこちらで使っている英語となんら変わりはありません。

逆に言うと、英語圏の日常英語という物が、論文や上級コラムに出てくるような難しい文章や語彙ばかりではないという事です。

当方の会社生活でも簡単な会話で成り立っています。本日のアメリカ人の当方に対する話しかけの会話集は以下のような簡単なものです。

“Do you think this is OK for you?”

“Did you have a traffic trouble yesterday on your way back to home?

“This was on the top of this box.”

“Could you please open this door?”

まさに“中学卒業程度“の英語です。むしろ”中学卒業程度“の英語と比較すると、実用英語の方が時として文法的な時制など文法的な間違い見受けられる事があります。




英語教育学者達が数十年かけて編纂、改定してきた日本の英語学習要綱。これの“中学卒業程度“レベルだけでも、充分実用英語に伍する内容であると言えます。

しかるに、なぜこれで使える英語にならないか?多くの日本人の気になるところです。その考察は次回に。






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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
800語でできる英作文
という参考書は、ご存知ないでしょうか、いちろうさん

この語彙数は、中学卒業までのもの
で十分だと思います。これは、
Basic Englishという、英国の英語教育の1派の方法です。語彙を増やすより、易しい単語を使った熟語の習得が眼目となっています。
Call on, Call for, Call at
などが、例になるでしょうか。

表現できるものに限りがあるものの、日常の英語については、十分かもしれません。




2007/07/15(日) 02:18:58 | URL | calperch #-[ 編集]
Calperchさん
当方の会社でも、
(当方)Submit, (アメリカ人)Turn in
(当方)Confirm, (アメリカ人)Make sure
(当方)Refuse, (アメリカ人)Turn down
(当方)Expect, (アメリカ人)Look forward to
と、日本人の当方のほうが800語外と思われる言葉を使っていますが、会話の広がりは当然ながらまったく駄目ですね。

これらはビジネスでも出てきますし(しかもビジネスレターにも)、ある階層だけが使う言葉という訳ではないですね。

英語の学習が日本では「英語を媒体とした記憶力の競争」化してしまっている日本の学校英語教育の弊害でしょうか?(おっと、次回予定の考察の一部が出てきましたが)
2007/07/16(月) 06:04:07 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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