アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「禍福は糾える縄のごとく」の日本と”God bless you.”のアメリカ--日本とアメリカの幸福感の違い
本日もわが職場ではアメリカ人の間で、朝の挨拶が飛び交っています。

“How are you doing today?”
“Fantastic! And you?”
“Great!”

これを直訳すると以下のようになります。

「やあ、今日はどうだい?」
「すばらしいよ!君は?」
「素敵な日だね!」”

皆さんの周り(日本)でこんなに明るい挨拶が飛び交っているでしょうか?

「禍福は糾える縄のごとく」の日本

おそらく日本では、以下のような会話が平均的ではないでしょうか?

「おはよう」
「おはよう」
「どう?忙しそうじゃない?」
「うん。まあぼちぼちだね。きみの所は景気良さそうじゃない?」
「まあ、貧乏暇なしで...今は良いけどね。先が思いやられるよ」

どこにも、アメリカのような”Fantastic”や”Great”は出てきません。出てくるのは「まあまあ」だけど「貧乏暇なし」で「先のことを考えると心配」な事ばかりです。

無常観の支配する日本社会。諺からしても「人生万時塞翁が馬」や「禍福は糾える縄のごとく」がぴったりくる様に、人生の幸福感はゼロサムの世界。今日幸福だと思っていてもこれは常ではなく、明日には不幸になるかもしれない、あわせてプラスマイナスゼロだという事です。

この人生観により、慎重な言い換えれば悲観的な挨拶が日本社会を闊歩しています。上は政界経済界から、下は居酒屋に集うオヤジ達の挨拶までこの感じで塗りつぶされています。

即ち、選挙で大勝した野党ですが「ゆめゆめ本当に勝ったと思うな。与党の敵失だったんだ」。自動車のジャイアントT社の会長は「1兆円の純益?こんなもので油断するな!取締役は道の端を下を向いて歩け!」。軽自動車の雄S自動車の会長は「これくらいで満足する社員がいたらそれのほうが心配だ。うちは中小企業だ!」。居酒屋に集うオヤジ達は「家のローンや子供の学費で大変だよ。これに年金が減らされたらどうやって老後を過ごすのよ!」、と悲観的な挨拶のオンパレードです。

”God bless you.”のアメリカ

対して、アメリカは「神の加護の下で人生を過ごし、終える」とでもいう考えから来ているのでしょうか、人生は”幸福の大幅超過”である、という考えがあるようです。

挨拶の語句も大仰であり前向きです。”Great!”、”Fantastic!”、”Super!", ”Excellent!", ”Fabulous!”等々です。

又、政治家の「イラク問題は順調に推移している」から、世界的な企業の「業績はすばらしいクウォーターだった」、又道路公団の「(渋滞発生でも)すばらしい工事進捗でした」、退職する人への「ハッピーリタイアメント!」、子供たちへの「グッドジョブ」まで前向きな挨拶コメントに満ち満ちています。

”God bless you.”は身近では、ある人がくしゃみをしたらそれにより魔物が入り込むので、それを追い出すために周りの人が発する言葉ということのようです。勿論これだけではなく、キリスト教の普遍の神の愛を謳ったもので、こちらの社会ではあちこちでこれを見かけ耳にします。このキーワードが人々の心情に深く影響を与えているようです。



政治、経済、人々の生活の面において同じ様な仕組みのアメリカと日本。しかしその取り組み面、人々の心情面で180度違う面があるようです。




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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、私もこの差異はどこから来るのか、気になっていました。
色々あるんでしょうが、「欠点を見つけて、それを修正する」ことで、より高みを目指す日本型と、もともと「高みをイメージして、それに近づける」タイプとの違いでしょうか。
教育現場や職場での個人評価における、の減点主義と加点主義なども似たような違いでしょう。
いずれにしても、どうすれば「心が落ち着くのか?」ということが重要で、国民性の違いでしょう。
2007/08/05(日) 00:43:30 | URL | 英さん #-[ 編集]
英さん
当方の家では毎日のようにこの手の話しが出てきます。Retirementのこと、年金のこと、老後の生活、介護の事...

現在まあまあ恵まれている事柄の時は、「老後どうなるかわからないぞ」。現在恵まれていない事柄は、「先には良くなるよ」ということです。

禍福は”糾って”いくわけですから、トータルで安心感があっても良いと思いますが、現在の日本でこれが欠落しているのは、成果主義、業績主義、受験競争、等が激しくなって”福”のみを求めすぎるからでしょうか?
2007/08/06(月) 00:09:08 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
開拓民の心意気
悲観的だと、移民、開拓といった
大事に踏み切るのは無理でしょうから、楽天家が多くこの国にやって来たという経緯もあるのかもしれませんね。

信仰と楽天主義の二つが重なると
頑張れば何とかなる、その後は神の意思でとなるのでしょうか。


2007/08/06(月) 04:40:28 | URL | calperch #-[ 編集]
Calperchさん
当方は、時々アメリカの同世代の人達と自分を比較して見ます。年金、老後の生活、介護のこと、等比較してみても、こちらの人が好条件というわけではないですが、明るさが違いますね。こちらの人のほうが幸福感に満ちています。

根底に流れる考え方、主義が大きく違うのではないか?と、いつも考えさせられます。
2007/08/06(月) 14:16:23 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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