アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
“A Study in Scarlet”を読んで------英語のStudyについて考える
“A Study in Scarlet”を読み終えました。日本名”緋色の研究”で、有名なシャーロックホームズものです。オジサンになって英語を使うようになった当方も、英語が枯れてはいけない、もっと英語力を付けたいと思い、英語の新聞や小説に挑戦しています。

そこで便利なのが、あらすじを知っている日本語で読んだ小説。推理小説の好きな当方は、ホームズものやポアロものはかなり読みましたので、この英語版に挑戦しています。コナンドイルにしろクリスティにしろ英国系の小説家の作品はすこし難しいですが(推理小説自体が難しい?)、慣れ親しんだキャラクターが出てくると安心します。

さてこの“A Study in scarlet”。イギリスでの犯罪発生の裏には、遠くアメリカの西部にまで遠因があるというスペクタクルな作品です。コナンドイルの処女作にして名声を確立した作品との事です。

”Study”を英語学習に絡めて考える

さて、この”Study”は研究と訳されています。日本ではもっぱら”Study (in) English”等で勉強と訳されています。日本では英語学習熱が高まっています。ネットみても、いろんなブログやホームページで”Study (in) English”と名づけて意見を交換しています。

しかし、この”Study”は英語圏から見ると、すこし日本で使われている用例とはずれがあります。こちらでは、外国語の勉強は一般的に”Learn”を使うようです。

”I learn Spanish.”
“Did you learn English in Japan?”

等です。

”Study”は学校の研究や、この推理小説にあるような警察の調査の時に使われます。最近の新聞でも、

“The police officer studies the murder case.”

と出ていました。

こちらでは”Study”の意味合いは、ある事柄を調査して共通の原理原則を見つけ出し、それから推理して新しい真理を確立するとでもなりましょうか。”Learn”の方が、試行錯誤で間違いながらも繰り返す中で身に付けていく、という感じです。

日本の英語教育を考えると、この”Study”の気分というものが英語の上達を阻害している様な気がします。日本の英語教育というものは、”Study”に代表される、間違わ無いように気をつけながら、慎重に、理由付けばかりをしているのではないでしょうか。

言語教育に必要な、間違いながらの反復練習や、意味づけは後回しにした訓練の部分が欠落しているのではないでしょうか。

こちらアメリカ人の外国語教育は、スペイン語が圧倒的多数です。しかし彼らの”Learning Spanish”は、文字通り”Learn”でSpain語を試行錯誤しながら繰り返して使って覚えていこうという感じです。

われわれ日本人も外国語(現在は圧倒的に英語の人気が高いですが)の学習をする時には”Study”の気分よりも”Learn”の気分で接した方が良い結果が出るのでははないでしょうか?




そういえば当方のこの“A Study in Scarlet”の読み方は、わからない単語はかまわず筋を追ってどんどん読み進める、という”Learn”の読み方でした。”Study”をしていたら、まだ半分も読み終わっていなかったでしょう。


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コメント
この記事へのコメント
あてずっぽうですが
感覚的に、LearnとStudyの違いは、Learnは技能、技術的な物の習得に、Studyは学究的な研究に使われるような傾向があるような気がします。
運転を習うのはLearn,外国語の習得もLearnですね。生物学を習うのは
Studyでも、光合成のメカニズムをならうのはLearnとでもいいましょうか。

犯罪の捜査はInvestigateですが、その操作の結果の理解と分析、犯人の確定となるとStudyとなるのでしょうね。

私も、イギリス推理小説は大好きで、少年時代によく読みました。最近はご無沙汰しています。今は
映画で上映しているBourne Untimatumを読んでいるところです。
Jack Higginsなんかは、お嫌いですか。簡潔な英語で読み易いと思います。
2007/08/25(土) 11:17:19 | URL | calperch #-[ 編集]
Calperchさん
”Learnは技能”とご指摘いただきましたが、英語学習でこの技能の側面が欠落しているのではないでしょうか?

言語の習得というのは、もっと間違いながらトライし、それを矯正しながら身に付ける、という分野だと思いますが、なにか日本人はみんな”技術的”な習得に走り、間違わないように慎重になりすぎているのではないでしょうか。

Calperchさんの”交通整理”でこちらも目からうろこの気分です。

芥川から清張、アガサクリスティ、アーサーコナンドイル等々、雑読の当方ですが、Jack Higginsはマークさせていただきます。

毎度コメントありがとうございます。
2007/08/25(土) 13:46:29 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
Scarlet の意味は?
Studyに関する議論はよく見かけますが、Scarlet の意味は何でしょうか。教えてください。
辞書や文献でいろいろ調べているのですが、「緋色の研究」という言葉に適している説明はまだ見つかりません。
英語では、何か特別の意味を持っているのでしょうか。
2007/08/29(水) 14:03:54 | URL | 遠山 巍  TOYAMA,Takashi #-[ 編集]
遠山さん
コメントありがとうございます。

この本の紹介のところで、Scarletに関しては、"scarlet thread of murder running through the colourless skein of life"とあります。

犯行現場に残された赤い血による文字と条痕。これは犯人の吐血の血で犯人が書いたもの。犯人の苦しい境遇(Colourless life)での復習への執念と赤(Scarlet)を引っ掛けたものではないでしょうか?

他の文学作品でも、何かを暗示する時には、RedではなくScarletを使っているようですね。
2007/08/30(木) 14:47:00 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
scarlet の意味、了解
 Scarlet の意味、よく分かりました。本文に書いてあったのですね。中学生の頃から何度も読んでいるのですが、気がつきませんでした。ありがとうございました。
 で、次に study に取り掛かります。最初にこの言葉を習ったとき、その意味は「研究」であると教えられました。ですから、He studied English. は、英語というものを研究しているのであって、英語を習った、という意味にはならないと思います。つまり、この人は、中学生や高校生ではなくて、研究者であるわけです。
 それから、A study in Scarlet. においては、A の存在が大切です。
 理科系の学術論文なんかに、よく、A stydy in とか、An investigation in とかのタイトルがあります。、これらは、ナニナニに関する一研究、ナニナニに関する一考察、ナニナニに関する一調査という意味です。
 
2007/08/30(木) 17:09:06 | URL | 遠山 巍  TOYAMA,Takashi #-[ 編集]
遠山嵩さん
Scarletの意味は”The Modern Library Classics"という当該本の発行社のInteroductionの所に書いていました。

このStudyについては、本文で当方がまさに訴えたかったことです。因みにネットで”Study English"を検索すると、いわゆる「英語学習」の項目が出てきます。

この「学習」が”Study"と訳されると、英語学習者の気分も、研究即ち”地道に一字一句間違えないように調べ真理究明していく”という、語学学習とは対極のものになっているのではないだろうか?というものです。

冠詞の問題は日本人にはお手上げですね。単数複数の概念と同じく、日本語に無い概念は何年たってもお手上げです。

ただ最近は”A"も”ア”と発音するものと、”エイ”と発音するもので強調の仕方が違うというのがわかるようになりました(強調したい時は”エイ”と発音するようです)。
2007/08/31(金) 14:07:20 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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