アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
百貨事典の向こう側----アメリカの度量衡法の実際の使われ方
本エントリーで、過去にアメリカの度量衡システムの説明をしてきました。日本の皆様方も、既にアメリカでの度量衡システムの存在が容易に(?)お分かりになるかと思います。又、その換算も容易に(??)出来るかと思います。

これは、日本にいても少しネットをググルとその内容が検索できます。しかして、ヤードポンド法の現地アメリカにいると、その実態で少し戸惑う事があります。いわゆる、辞書や事典に載っていない運用法があります。

現地にいなければ遭遇しない、ちょっとした使われ方の違いをここであげてみましょう。

インチの小数点の書き方

こちらでの長さの単位で、一番小さいものは通常はインチです。その下の単位は、ググルとバーレイコーン(Barleycorn)が1/3インチとして存在するようですが、殆ど実態として使われていません。

さて、このインチ。25.4mmですので、われわれ製造業では、微細加工製造ならずとも通常の加工製造でも、小数点の表示となります。

即ち、アメリカのオールドエコノミーでも、1mmや0.1mm相当の加工をする事はあまたの如くあるわけで、その時にはこちらでは0.04インチ(1mm)や0.004インチ(0.1mm)と、圧倒的に小数点の数字が多くなる傾向にあります。

日本では、mmの下の単位はミクロンがあり、0.1mmは100ミクロン、0.01mmは10ミクロンと呼び変え、小数点の多さの煩雑さを防いでいます。

ところが唯我独尊のアメリカでは、産業界も国際基準に合わせようなどという考えはまったく無く、ヤードポンド法を使っています。そうなると、製品図や製品のカタログには小数点が日本のそれよりはるかに並ぶ事になります。

このゼロの多さは、間違いの元になる事は必定で、メートル法の国から来た当方などは、小数点の桁数の多さによく混乱していました。

さすがに、おおらかなアメリカでもこの小数点の多さに危機感を抱いたのか、彼らなりの独特の対処の仕方があります。すこしでも、ゼロの数を減らそうと最初の”0(ゼロ)”を抜いてしまっています。

0.004インチ(日本的書き方)--> .004inches(アメリカ的書き方)

これにより、ゼロが一つ少なくなりすっきりします。これは、多くの産業界で使われているようで、我々が目にする純アメリカ系の会社の図面やカタログは、例外なくこの方法をとっています。

当初は、当方がこの法則に気がつかず、.004インチを0.04インチと間違えて図面処理してしまいましたが...

小数点の呼び方

この小数点。口頭で連絡する場合、我々の常識ではゼロをたくさん発音しなければなりません。即ち、

0.004inches--->Zero point zero zero four inches.

となります。これも混乱のきわみが予想されます。ヤードポンド法になれたアメリカ人も同じ危惧を抱いたのでしょう、そこはうまい使い方があります。

0.004inches-->Four thousandths inches

これは、一旦分数の形にしてその分数の呼び方にするという方法です。0.004インチは4/1000インチですから、分数の呼び方で、four thousandths inchesとなるわけです。1/3がOne thirdsと言うのは学校でも習った記憶がありますが、例のものです。

これはなかなか良く考えたやり方で、ゼロの羅列による間違いは皆無になります。

当方は、これも便利だとわかったのはつい最近。最初はアメリカ人が、”Zero point........”と言わずに、もごもごと何か言っているな(Hundredths にしろThousandthsにしろthsが入ると口ごもる様に聞こえる)と思うだけで、一人カヤの外でした。


数字の得意な日本人は、アメリカの産業界で大活躍かと思いきや、そうでもない(当方だけか?)のは、こういう辞書や事典に載っていない使われ方の違いがあるのかもしれません。


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コメント
この記事へのコメント
口径の場合では
お久しぶりです、いちろうさん。

鉄砲などの口径では、0.45インチ
とは言わずに、Colt45と言ったりしますね。22,38,303といったこの銃器の規格というものから小数点がなくなったのは、Hundredthが省略された呼称が一般化したせいなのでしょうか?
2007/12/20(木) 02:54:59 | URL | Calperch #-[ 編集]
Calperchさん
そうですね!そうだったんですね!Shooting Rangeに行っても、なんだか話しが合わなかったのは、この口径の呼び方だったんですね。

本エントリーを書く時にはこの事をまったく思いつきませんでした。こちらでは、こういう使い方がしっかり根を下ろしているのでしょうね。
2007/12/20(木) 13:28:27 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
いちろうさん、今色んな分野で超微細の「ナノ」の世界が広がっていますが、こんな大雑把な単位を使っているアメリカでは、その世界はどうなっているんでしょうか?
2007/12/23(日) 14:25:26 | URL | 英さん #-[ 編集]
英さん
コメント、ご質問ありがとうございます。これに応えるべく、少しネットをサーチしてきました(笑)。

半導体産業や遺伝子研究が進んでいるアメリカでは、当然このナノ加工という事は研究されているようです。"Nano-machining"や"Nanoscale materials"のキーワードでググルと出てきますね。

アメリカは、大学に巨額の研究活動資金があり、こうした研究活動が盛んで大学のナノ加工研究のDataが見られます。

いわゆるアメリカ人がこの微細研究に適しているかどうか?答えは、適していなければ世界中から人材を集めて研究を行う、というところでしょうね。

これが一般産業への”落とし込み”になった時にはどうか?これは日本の様な産業の集積(地域的、歴史的)が無いので少し難しいようですね。一所懸命や一生懸命の概念の無い地域柄ですから、産業の育成ということは、無理なようです。

即ち、一芸に秀でた中小企業の集積や、大企業でも何十年と勤めて、ある技術を極める、というモデルが少ないアメリカでは、産業面の落としこみは難しいのでは、と思います。

この時には、多くの先端技術のように、アジア(日本を含めて)に移転してアメリカはロイヤリティを稼ぐ、という方法をとるのではないでしょうか?

シリコンバレーの様な、正の連鎖が出来ると別のシナリオでしょうけど。
2007/12/24(月) 00:54:44 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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