アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
新年の抱負----アメリカの”New Year's Resolutions”に見る幸福感価値観
やや旧聞に属するトピックスですが...年明けのこちらの新聞に、”New Year's Resolutions(今年の抱負)”の記事が出ていました。

洋の東西、人々の新しい年に対する活動は似たようなものがあります。新しい年を迎えて、今までのあり様を振り返り、次への行動の指針にする、というものです。日本でも新聞やラジオテレビで「今年の抱負」特集が組まれていました。

その「抱負」の中身については、日本もアメリカも概ね同じですが、やはり少しアメリカ的な価値観が顔を覗かせます。

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(”New Year's Resolutions”の記事)


「語学の習得」や「仕事の充実」

写真の新聞の記事には何人かの”New Year's Resolutions”が紹介されていました。

ルイビルのヘアードレッサーのKristenは「ドイツ語の習得をして、ドイツに行きたい」と挙げています。アイリッシュパブのオーナーであるElmoreは「レストランやナイトパブの事業の成功」を挙げています。

ここらは日本でも同じく、いろんな趣味やスキルの向上、仕事の充実等日本と同じ様な抱負が挙げられています。

又、その他の事例として、「体重の減」、「禁煙」、「旅行をしたい」、「家族と過ごす時間を増やす」等が挙げられており、いずれも日本でも目にする抱負の内容です。

「抱負」の継続の難しさ

これも洋の東西同じ様で、この「抱負」の継続の難しさを挙げており、その原因と対策も紹介されています。

これにはルイビル大学の心理学の先生のご教示で、「人々は、生活習慣を変えようと思う時にあれやこれや採り上げ過ぎる(”The problem is that when people think about revising their life, they don't think about doing one page at a time.”)」と警告しています。

さらに「人々は、実現不可能な抱負を採りあげ、その抱負ほ実現に対するプランが欠けがちになっている(”They set goals that are unrealistically high, and they haven't planned for the success, they just envision the success.”)」と指摘しています。

これらは、日本でもよく言われる事ですね。写真の新聞の中の見出しの文字右下半分が、砕けそうなデザインにしているのが、日本人にもなんとも身につまされますね。

アメリカ的な価値観

アメリカは、宗教的な価値観に裏打ちされた処世感があるのか、ところどころに日本とは違う「抱負」があります。

ビジネスウーマンのChimekaの抱負は、「神の事を考えるのが第一義の抱負です。精神生活の向上をしたいです」とあります。

次は、閉塞社会日本ではあまり見られない抱負です。ルイビルのデパートマネージャーのJacquelynは

「現在、私は今のやり方を気に入っており、大変幸せです。私はこれ以上の抱負は必要ありません。確かに理想的な体型体重ではないし、もっと他に出来る事もあるかもしれません。しかし、現在私は私のやり方に大変満足しており、新たな抱負は必要ありません(”I'm pretty happy with the way my life is, and I don't feel like I need to make any. I'm probably not the perfect weight, and could do better at saving the planet, but I'm pretty happy, I'm pretty content with my life and don't feel like I need to change anything that's in it.”)」と述べています。

神という存在が希薄な日本では、相対的なしかも物質的な価値観ばかり追い求めて、他との比較ばかりしてフラストが募ってしまうというのが一般的ではないでしょうか。

これは、新聞では記事の一番最後の結論部に持ってきており、アメリカでもややもすると欠落する価値観かもしれません。しかし社会の底流にはこの価値観が洋々と流れているのでしょう。

社会の価値観に”進み遅れ”はつけたくはありませんが、このアメリカの価値観は閉塞社会の日本では、少しは見習う必要があるのかもしれません。




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コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、我家でも今年の正月に同じような話題が出ました。この中では、最後のJacquelynさんに近いかもしれません。
子供達も独立し、夫婦ともまだ健康で、時々一緒に旅行ができる状態で、生涯で今が最も充実した時期だという点で、一致しました。
勿論、貯蓄や老後のための準備を考えると、まだまだ不安はあるのですが、「今を満足できる」ことが大切なことであると、やっと気づき始めています。
2008/01/15(火) 23:51:45 | URL | 英さん #-[ 編集]
英さん
日本もアメリカも、人間社会の集団と考えると、それぞれの価値観が分布しており、統計的に言うと正規分布を描くのではないかと思います。
しかし、このそれぞれの正規分布図。アメリカは広く(価値観が多様)、日本は狭い様ですね。

こちらでは英さんの様な(又は別の)多様な幸福感を持っている人が、周りにもたくさんいますね。

大学生のトランスファー(日本では退学のみ)、企業人のスキルアップ転職(日本では企業戦士)、年齢がいってからの個人の選択によるハッピーリタイアメント(日本では定年退職哀歌)等、価値観が実に多様ですね。

当方も、こちらでこの価値観に染まり、精神衛生上良好な人生を過ごしています。
2008/01/16(水) 14:27:45 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
価値観以前の自己の確立
こんにちは、いちろうさん

いちろうさんが以前いわれたように、
お前は何をしたいのか、どのように生きたのかという問いに対する明確な答えが多くのアメリカ人にはあるように思えます。これは自己の確立にも関る根幹の問題でしょうね。
この辺りが他人との関係のなかで相対的に自己の存在をきめていくとい日本的なものとの心の持ち方との大きな違いのように思います。
したがって、アメリカ育ちの人たちは自分にとってのその時点での幸福というものも明快なのではないでしょうか。
2008/01/17(木) 13:20:34 | URL | Calperch #-[ 編集]
Calperchさん
以前のエントリーでも書きましたが...
あるラジオの番組で、
アナウンサー「今、自分のXXXの部分が気に入っているんです」
ゲスト「そう思う事が幸せの早道なんです!!(会場笑い)
というくだりがありました。
日本では、このように自己を確立している人が珍しく、そこに突っ込みを入れた面白さで、笑いになったのでしょうね。

こちらでは”That's the way what you feel happy!"は笑いでもないごく真っ当な会話ですよね。
2008/01/17(木) 15:00:29 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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