アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
新聞の告発記事に見る「顔の見えるアメリカ人」----「顔の見えない日本人」との対比
よく「顔の見えない日本人」という事を言われます。

国としては世界の経済大国の一翼を担い、ODA等の国際貢献をしている日本、しかしなかなか貢献が見えてこない個々人としての日本人。

Toyota,Panasonic等世界中に進出している日本ブランドのすばらしい工業製品の数々、しかし個人としては認知が遅れている日本の実業家、技術者や科学者達。

その反対の事象としては、「顔の見えるアメリカ人」という事になるのでしょうか?確かに世界を動かす政治家から、ノーベル賞に輝く学者や科学者、世界の産業界に影響を与える実業家にいたるまで、アメリカでは「個人の顔がよく見える」様です。この違いは、両国の言語、思想、文化等の違いに起因するのだと思います。

この「顔が見える」は、文字通り顔が見える場合もありますが、名前が見える、思想や主義主張がはっきりしている場合に使われるようです。最近新聞紙上で、アメリカのこの「顔が見える」事例の記事を見つけました。それを紹介しながら、アメリカの「顔の見える」一例を紹介してみたいと思います。

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(問題の告発記事)
工業製品不具合告発の記事に踊る、メーカー名や個人の名前

これは、地元の新聞に掲載された、工業製品不具合の告発記事です。製品不具合状況を投書すると、新聞社が調査。誠実な対応の無い会社の事例を記事にして公表する、というものです。

この記事の要旨は以下の通りです。

「投稿者 氏名、住所 : ダイアナ クック ルイビル市40223

私は一年前に、結婚10周年でアカイの37インチテレビを購入しました。しかしそのテレビ、10月25日に突然映らなくなりました。いろいろ異常処置をしましたがよくならず、メーカーのアカイの担当メアリーさんに電話をしました。メアリーさんは地元のサービス会社を紹介。そこからの修理を待ちました。しかし、なしのつぶてなのでそのサービス会社に電話。そこはすでにアカイの仕事はやっていないとの事でした。

そこで、アカイ製造部門に電話。ドロシーさんとその上司のグレン氏から、修理技術者を派遣しますとの返事をもらいました。11月6日に修理技術者のロバート氏がやってきましたが、何も修理の準備をしてきていませんでした。調べると、ロバート氏は、このアカイのモデルのテレビについては資料が無い、との事でそのまま帰社。翌日電話するも、”調査中です”の返事。

そこで、アカイの会社に電話し、デラル氏に電話。デラル氏はメアリーさんに確認した所、”上司に報告中”との答えでした。

*****

読者の皆様へ(ダイアナ クックより)

本件のテレビは、その後本新聞社の対応により新品に交換されました。本コーナーのおかげです。ありがとうございました。」


本件は文字通りの顔の写真はありませんが、関係メーカー、関係者の名前が以下の通り出てきています。

1. メーカー名(アカイ)

日本では、不祥事や事件を起こした企業名は掲載されますが、こういう不具合位はあまり公表されないのではないでしょうか?そういえば、こちらのニュースでは交通事故で、転倒や炎上等車の不具合にかかわると思われる時には、車種名を公表します。

2. 告発者の氏名(ダイアナ クックさん)

これは、完全にアメリカ文化そのものでしょうか。世間というものが無いアメリカ。他人の目や口を気にするという考えは完全に無く、名前を公表しています。

3. 文中の販売店、メーカーの対応者の名前(メアリーさん、他)

これも、告発者の項と同じでしょうか。日本では会社や事業所の名前だけでしょう。最近の事件の”中国製ギョーザ事件”でも、

”日本たばこ産業(JT)は1日、子会社のJTフーズが輸入し中毒を引き起こしたJTフーズギョーザなど冷凍食品の回収状況を報道陣に公開した。”

と、会社名のみの表示です。もしこれがアメリカのニュースであれば、

”日本たばこ産業(JT)のスポークスマンの鈴木氏(例)は1日、子会社のJTフーズが輸入し中毒を引き起こしたJTフーズギョーザなど冷凍食品の回収状況を報道陣に公開した。”

と、発表者でも個人名が入るでしょう。





普通の会話中でも、頻繁に名前を呼び合うアメリカ社会。この名前がイコールその人の「顔」ということになるのでしょうか。名前のない文章では真実味が無く、主張も薄れるということでしょうか。

きっとこの記事を読んだアメリカの読者は、

“Good job, Diana! Congratulations Diana!”

と、名前を連呼して祝福していることでしょう。


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コメント
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生協のカレー
いちろうさん、今日家内と生協へ行ってきました。買物もあったのですが、インスタントカレーを返品するためでした。家内曰く、先日のTVで「○月○日に製造したカレーを回収しています」と言っていた、日付は覚えていないが冷蔵庫にあるものを返品する。行って驚いたのですが、製造日を確認することなく、「大変申し訳ありませんでした・・」って、すぐに返金してくれました。
お客さんは神様とは言え、「とにかく謝ってしまえ」ということでしょうが、それは「生協」として謝っているわけで、もしここに個人の顔が出れば。そんなに簡単に謝らないでしょうね。
2008/02/10(日) 16:35:46 | URL | 英さん #-[ 編集]
英さん
会社と個人(従業員)の関係は、アメリカでは”養子契約のJenny”と日本では”実子の娘さん”、という感じでしょうか。

アメリカでは、会社の事と自分の事には一線を引いて、契約にある事のみをする。名前はJennyです、と十分に主張する。

日本では会社の事は自分の事。会社の事で謝罪でもなんでもする。名前は名乗るほどのものではない、と謙遜する娘さん。

アメリカ(日本以外の国々)は、すべての事において”養子縁組の社会”である、と断定すると、言い過ぎでしょうか?
2008/02/11(月) 10:29:28 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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