アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカのガソリンスタンド経営の成功事例---日米ビジネス共通の要素:「5S」と「対話」と「現場」
写真の新聞に写っているこちらにもネット新聞があります)若者は、ガソリンスタンドの従業員のようですが、実はこのガソリンスタンドチェーンのThorntonsの二代目社長のMatt Thorntonです。

Thorntonsチェーンはこちらルイビル地区でよく見かけるスタンドで、当方もよく利用しています。なかなかしゃれた店構えで、ダンキンドーナツブランドのドーナツやコーヒーも置いてあり、重宝しています。

この二代目社長のMattの就任後、このチェーンでは売り上げをうなぎのぼりに伸ばしており、注目されています。この記事はその秘密に迫ろうというものです。

要約すると、日本の成長企業にも見られる、「きれいな売り場」、幹部と従業員との「対話」と「現場の大切さ」が挙げられており、ビジネスの世界は万国共通だということを窺わせています。アメリカの企業も日本の成功企業と同じこだわりで成功しているんだ、と感じさせてくれた事例です。

IMG_6868_1_1.jpg
(Thornton社長)

IMG_6870_1_1.jpg
(Thorntonsガソリンスタンド店内と売り上げグラフ)
きれいなガソリンスタンドこそが顧客集客の鍵

この二代目社長Mattが、起業した親の会社を継いだのが2001年。それから彼なりのやり方で売り上げを二倍にしています。その要旨をみてみましょう。

”Matt Thorntonは傘下のチェーンスタンドの視察によく足を伸ばします。しかし、かれの巡視のポイントは売り上げチェックではなく、スタンドがきれいかどうかです。そのスタンドに着くと、真っ先にごみ拾いをします。

最近のガソリンスタンドはコンビ二併設のため、そちらの方でも売り上げを上げる必要があります。いわゆる付加価値の確保という事です。そのためには、ガソリンの給油のお客さんのみならず、コンビに来る購買者にもターゲットを絞ってセールスプロモーションをする必要があります。その大きな活動の目玉が、きれいなガソリンスタンドとコンビニです。

システム的にも、Thorntonsのスタンドは競合他社よりも広くスペースを取り、明るくきれいな店内にし、商品の品揃えも高品質の物にしています。


従業員との「対話」

”Mattは少なくとも週に二日は、チェーン傘下のスタンド回りをします。いわゆる現場巡回です。この現場巡回の活動は、彼の会社の他の管理職も行っています。

この巡回の時に、先にあげた掃除だけではなく、スタンドの従業員と対話を行います。彼はこう述べています。”I see the CEO job as more about asking questions and sharing best practices. The best question you can ask is,'What can we do better?'.”

こういう環境の良さや施策、又従業員給与の改善により退職率も競合他社に比較して改善されています。”

Mattは彼の会社業務ばかりでなく、コミュニティの活動にも積極的に参加しています。いろんな会に寄付もしています。

ガソリンスタンド経営はガソリンの値上がりでなかなか難しい時期を迎えています。その中でMattは次の拡大のビジョンを描いています。それの鍵は、ガソリンに頼る経営ではなく、確実さです。それときれいなスタンドも...”


職能主義のアメリカ企業

一般に、アメリカの企業は職能がはっきり決められており、それに従った経営をしています。即ち、Job Descriptionに、会社のトップ、会社の中間マネージャー、現場の作業者、現場の掃除係、等ではっきり業務分掌が決められています。この範疇で業務遂行の責任を問われ評価されるというものです。その代わり、日本のような他業務の手助けというのは一般には行いません。

日本でよくある、管理職も現場の掃除をするというのは普通は見られません。当方もスタッフ。現場の掃除をせっせとしますが、回りからは少し奇異な目で見られているようです。

又、現場には作業者がおり、その管理に作業長や管理職が居て、その職務として作業者の管理が挙げられています。職場の問題は彼ら中間管理職で責任を持つというものです。

これらの風土のアメリカ企業で、このMattのように社長が現場の掃除をし、現場に出て作業者と対話をしていくというのは、アメリカでは画期的なビジネススタイルでしょう。こういうこだわりのあるガソリンスタンドに人気が集まるのは、洋の東西変わらない事で、合理的なアメリカ人の間でも好感を持たれ売り上げ増に貢献しているのでしょう。

日本では、最近の経済誌にシャープ社の成功例が挙げられていました。その要諦が、

「従業員との対話なき人がトップにいては、高収益を上げられず」
「全従業員は現場を知り、多能工であれ」

というスローガンがありました。



こうしてみると、アメリカの成長企業も、なかなか日本に負けないこだわりを持って,経営され始めているようですね。

(ネット新聞のおしまいに、読者からの投書があり少し苦情が寄せられています。しかしこれも生みの苦しみでしょう。他のチェーンスタンドであれば、もっと苦情が寄せられると思います。)





スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
「従業員との対話なき人がトップにいては、、、、
これって、とても大切なことだと思います。
本体、事業所、部、課、チーム、それぞれの単位になっても同じことが言えるのではないでしょうか。会話ではなく対話、大事なことですね。
2008/02/19(火) 01:52:14 | URL | 岳人 #-[ 編集]
岳人さん
アメリカは結構な階級社会でして、企業も幹部と一般従業員の食堂が違った場所に設定している、というのは昔ニュースで聞きました。最近はそうでもないですが、それでもExemptといって就業条件等は管理職と一般ワーカーは違います。
そんななかで、その違いを埋める役目が、アメリカ企業ではこの「対話」になっているのだと思います。

日本の場合は、均質社会。企業もほうっておくと従業員が、皆同質化して活力がなくなる、よって「対話」で刺激を与える、という図式ではないでしょうか?

何でも日米比較したくなる当方の考えすぎでしょうか?

コメントありがとうございます。
2008/02/19(火) 14:06:27 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック