アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「盗人猛々しい」盗人にも訴訟の権利が----法律でのみ善悪がつけられるアメリカ社会
訴訟社会のアメリカ。当方の購読する、地元の新聞のかなりの記事が訴訟関連です。後日、特集(?)で採り上げエントリーしたいと思いますが、日本の新聞よりはるかに多くの割合で訴訟がらみの記事があります。

すこし前の新聞にも、その訴訟、しかも日本人には「盗人猛々しい」と思われるような、事例の訴訟の記事が載っていました。

拳銃強盗で捕まり懲役30年の刑を受けた犯人が、その逃走中に受けた警官からの発砲で、左目失明、片方の腕に重症を負ったという事で、21.5 Mill$(億円)の損害賠償請求を行い棄却されたというものです。

“Suit over police shooting rejected.”

上記の見出しで始まるこの記事を見てみましょう。

“US judge says officers justified.”

A federal judge yesterday rejected a complaint brought by a man who claimed Indiana and Kentucky police used excessive force in shooting him after a high-speed chase from Louisville to Corydon two years ago.”

”Trent Marion(犯人)は2006年1月20日にスーパーマーケットで万引き中、警察に見つかり逃走、逮捕されました。その逮捕時に警察官の発砲で、左目の失明、腕に重症を負いました。”

”Marionは、これは過剰警備に当たるとして、裁判所に21.5Mill$(億円)の損害賠償を請求しました。先日、この判決が出てこの賠償請求は棄却されました。”

”Marion(犯人)はこの逃走時に、いわゆるカーチェイスで逃走、道路沿いの住人を不安に落としいれました。又、他にもスーパーに押し入り拳銃強盗を働き逮捕されています。”


法の国、アメリカ

我々日本人は、こうした事例の時には、「なんとまあ、盗人猛々しい!悪い事をして捕まり、その時の負傷を損害賠償するなんて!」と、すぐ思います。

更に、「犯人は逃走中にカーチェイスをして暴走しているじゃないか!しかも、他にも拳銃強盗をして懲役30年の刑を受けている身ではないか!」

「過剰警護の問題は確かにあるかもしれないが、それにしても明らかに罪のある者が20億円を超える損害賠償をするなんて!」と続きます。

しかし、ここは法の国アメリカ。憲法に則り、誰にでも訴訟をする権利があります。いかに重罪人であれ、刑務所の中にいても、です。日本の様な、上記に感じたような、世間の目による善悪の判断はありません。あくまで法により善悪の判断を受けます。

新聞の記事は、「犬が人を噛めば記事になる」と言われるように、人々が珍しいと思う事が記事になっているのだと思います。その伝でいくと、この事例もアメリカ人にとっては多少は「盗人猛々しい」と思っている、珍しい事例なのかもしれません。

しかし、圧倒的にこの訴訟のような事例が多いのも確かです。新聞も冷静に、この犯人の主張を列記し、被告(警察官)の主張も列記して、判決のポイントを述べています。法に従い賠償請求した人の主張として扱い、「盗人猛々しい」という”世間価値観”でのフィルターは排除されています。

法治国家日本でも、勿論こういう訴訟の権利はあると思います。冤罪のケースでは良く問題になり、獄中からでも再審請求等出されています。しかし明らかに罪があり、しかも余罪がある人の訴訟や請求は、法は別にして一般の人の心情では、「盗人猛々しい」という価値観で、括られるのが日本ではないでしょうか。



当方の身近な経験でも、留置所から会社に出勤する人もいました。警察に捕まっても勤務契約までは解除されていないので、その契約に従い会社に勤める。これを不祥事だという事で解雇する事は法により禁じられているのでしょう。「盗人猛々しい」という世間の目での善悪判断の無い、法での善悪判断のみの社会アメリカ、というところでしょうか。



スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック