アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「偶然だぞ」事件で、”It's gonna happen.”を考える-----英語の必然未来形
野球の大リーグで、日本から移籍した福留選手が活躍しています。その最初の試合で「偶然だぞ」というプラカードを掲げていた事が、迷誤訳で話題になっています。

これは、アメリカで掲げられるプラカードの文句”It's gonna happen.”を、日本語に自動翻訳して出てきた「偶然」という文字を、そのままアメリカ人がプラカードに作って野球場で掲げた、という”事件”です。
Happen

”Happen”という単語を辞書で引くと、《1.出来事などが起こる》、《2.偶然~する》とあります。今回騒動の基になった”It's gonna happen.”をGoogleの日本語訳約機能で引くと、確かに「偶然だぞ」と出てきます。

通常こちらで使われる英語としては、”Happen”にはこの偶然性はあまりありません。当方の周りで、今まで聞いたり言ったりした”Happen”の例を挙げますと、

製品の出荷をした。---->It happened the shipment.
工具が折れた--------->It happened the broken tool.(「予測はしていたが...」)
新しい仕事が取れた---->It happened getting the new job award.(全くの必然ではないが)

の様に、「偶然に」というのは当てはまりません。かといって、全く「必然的に」起こる事を言っているのかというとそうでもないようです。すこし偶然性がある事柄かもしれません。

”It's gonna”と”Will”

これが、”It's gonna happen=It is going to happen.”となると、更に必然性が高くなってきます。

ご存知のように、単純未来系の”Will”と違って”Be going to”には必然未来形ともいうべき性格があります。これは、英語ネイティブの人の日本人向け解説書も出ています。

例えば、”I am going to go to school.”は「学校に行こう行こうと思っていた。よし!学校に行こう。」という意味合いです。これに対して”I will go to school.”は、「学校に行くつもり(考え)はなかったが、学校に行こう」という意味合いです。

この伝でいくと、”It's gonna happen.”は「起こるぞ、起こるぞと思っていた。さあ起こるぞ!」というべきもので、「さあ、来るぞ!」とでも訳せましょうか。この必然未来形が使われることにより、多少あった偶然性が吹き飛んでしまい、「偶然だぞ」というのは迷誤訳となったわけです。

もしこれが、”It will happen.”のプラカードであれば、単純未来形に”Happen”の多少の偶然性が加味されて、「偶然かも」ぐらいの意味合いになりそうです。こうなると、福留選手の敵方のファンが掲げるプラカードになりそうですね。

それでは「偶然」の英訳は?

ここまできたら、この「偶然」という英訳はどういうのか、気になるのは当方だけではありますまい(オレだけか!)。辞書を引くと《偶然=By chance》とありますが、こちらではこの”By chance”は「機会があれば」という意味でもっぱら使われています。

”Please come to my office by chance.(機会があれば私のオフィスに立ち寄って)”等にもっぱら使われています。「偶然」という意味合いで使われなくはないでしょうが、少なくとも、この野球場のプラカードに表示するには不適当な表現だと思います。

これは完全に福留選手の敵方のチームのファンの立場になって考えると、「起こったとしてもまれだし、実力じゃないさ。マグレマグレ」の意味合いで、”Just luck!”かMerely happen!”が考えられます。英語通の皆様どうでしょうか?


この”It's gonna happen."に潜む必然性。福留選手の所属する球団(シカゴカブズ)のファン達の熱い想いが伝わってくるようです。


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コメント
この記事へのコメント
これには笑いました
「偶然だぞ」は日本でも報道されていました。お前ら、本当に福留を応援してんのかよ!って感じですよね(笑)。ボコボコにやられた相手チームのファンならまだしも…。

でもこれだけ反対の意味になる誤訳もめずらしいですね。自分も「偶然」「マグレ」を表現するなら、"Just luck", "pure luck"くらいしか思い浮かびませんね。
2008/05/13(火) 02:21:26 | URL | Wonderwall #-[ 編集]
Wonderwallさん
コメントありがとうございます。
本場(英語圏)でマッチしない和製英語はいろいろあるようですが、”ハプニング"というのもアメリカではあまり聞きませんね。辞書を見ると《出来事、事件》等あるようですが...Googleの翻訳ソフト作成した人は、これが頭に残っていたのでしょうか?
因みに、本件で注目のGoogleの翻訳。試しに、当方もいろいろ使いましたが、あまり精度の良い翻訳ソフトではないようですね。
2008/05/13(火) 13:13:17 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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