アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「度胸と愛嬌」の英訳で頭の中真っ白-----平明会話英語の勧め
当方はアメリカに来て、はや15年になります。英語に関しては、学研の徒ほどの英語漬けでは無く、かといって日本人コミュニティ入り浸りで日本語しか使わないというほどでもない、ごく普通の英語環境です。

そんな中で、母国語ではない英語。新聞を読んでも、本を読んでも辞書は離せません。毎日毎日知らない単語に遭遇。永遠に英語を極めるのは難しいようです。

しかし、話し言葉は事情が違うようです。毎日の生活に必須の話したり聞いたりの英語。こちらアメリカ人の話し言葉を良く観察すると、平明な英語で成り立っています。
「度胸と愛嬌があり懲りない性格」を英語で...

会社の同僚Timと出張に行った時の事。車中で同じく同僚のGeorgeの話題が出ました。Georgeは営業で、結構度胸がありお客さんにはずけずけものを言いますが、愛嬌もあり好かれています。その彼をどう評価するか?という話題です。

Tim-----”What do you think about George, Ichiro?”
Ichiro--”He is good because he is a type of person.....Wmmm....”

当方は、この”度胸と愛嬌”の所でハタと詰まりました。「ど、度胸。英語でなんと言っただろう?あ、愛嬌?えーと...」

当方は身振り手振りで、この度胸と愛嬌を説明した所、

Tim----”Oh, you mean, he always talks to a customer person directly no matter how the person talks...., I see.”

と簡単に補足してくれました。

これは英会話における、日本人の陥りやすい陥穽を表しています。英語学習、特に学校英語でエスカレートする、単語や熟語の記憶の競い合い。これが障害になってある事象を説明するのに、日本語と対になった、しかも難しい単語や熟語を選ぼうとします。

この場合は(後に辞書で調べると)

度胸------>Courage, Pluck, Grit....
愛嬌------>Pleasant, Attractiveness,

くらいな単語が適当でしょうか(すこしニュアンスが違う気もしますが)。この”度胸、愛嬌”を対で訳そうとしたのが間違いでした。

この場合、アメリカ人は真に平明な表現で的確に言い表します。平明な英語表現は、英語権威主義に凝り固まった感のある現在の日本では、ややもすると軽んじられている様ですが、こちらでは会話の多くは、こういう平明な英語表現です。

このTimは学問もあるアメリカ社会の中堅層の人間で、けっしてボキャブラリーのない無学な人間ではありません。その彼でも、もっぱらこうした平明な英語を使っています。

ISO審査官は

こうした事例は、なにも日常接する者同志の、気安いケースのみで発生するのではありません。結構オフィシャルな仕事の場面でも起こります。

産業界ではISO(アイ.エス.オー)という標準化の機構があります。JIS(日本標準化機構)と同列の標準化組織です。これの定期の審査が先月、当方の会社でもあり、審査官がやってきて審査を行いました。

ISOの審査は膨大な基準書を元に、会社の書類を調べたり、担当者に質疑したりで標準化がされているか調べていきます。

その時の全体会議でISO審査官が、述べた言葉のさわりの部分の数々です。

“If I was you .....”
“I'm telling you why ....”
“You are getting better...”
“I've never known that .....”
“I guess I see what you are saying...”
“Can you show me two or three examples of Purchase Order...?”
“I'm just wondered.....”
“Is it in the electronic data base...?”
“Let us go to the next issue...”
“Who else needs copies of ...?”
“What I'm saying you is...”

厳格なISOの審査ですので、さぞや難しい単語や熟語が出てくると思いきや、殆どが平明な内容です。勿論書類の中身はそれなりの用語がありますので、難しいかもしれませんが、話し言葉は、我々日本人でも理解できる(聞き取れれば)内容です。

「引っ掛けて内野ゴロかぁ」を英語で...

こちらでも野球のシーズンが開幕しました。当方も先日こちらルイビルの3A(マイナーリーグ)の野球を見に行ってきました。

球場では、公式戦とはいえ観客を楽しませるのが優先で、プレーの間にもプレー内容のアナウンスが入ります。

地元の攻撃で、チャンスに入ったのが四番バッター。よし一本ヒットを頼むぞ、と思いきやボール球を引っ掛けて、内野ゴロ。

「あぁ、引っ掛けて内野ゴロかぁ...」と呟いた当方。「これを英語でどういうのだろう?ひ、引っ掛ける...Pull? Hit slipped?...」と、思いを巡らしていたら、球場アナウンスです。

”The batting is no good.”

なんとも簡単にまとめてくれました。この、Good, BadはOKと合わせてこちらの会話では良く出てくる単語です。

「ホテルでうっかり部屋の鍵を忘れてドアを閉めちゃった....」

この平明な英語表現。わが同胞の日本人でも極意を身につけている人がいます。当方の会社の日本からの出張者のAさん。こちらの滞在のホテルで部屋の鍵を中に忘れて、ドアーをロックしてしまいました。

普通なら「うっかり部屋の鍵を忘れてドアを閉めちゃった....」という事で「う、うっかり...」の所で英語パニックになる所ですが、平明英語思考達人のAさん。ホテルのフロントに行き、

”Key, please.”

と言ったら、フロントのクラークが合鍵を出してくれたとの事でした。英語が殆ど喋れないAさん。平明英語の趣旨は理解しているようです。


辞書の離せない読み書き英語とは違い、会話英語は単語や熟語の対訳だけでは成り立っていないようです。多くの日本人にとって、この会話英語はすこし学習のやり方を考え直さなければならないのかもしれません。

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コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、我々は英語を文法から入りましたから、何かを表現しようとする時に、そこへ立ち返ります。
また、どうしても直訳というか、同じ意味の単語を探しますね。
やはり、実用的には、話し言葉から入るのがいいんでしょうね。
2008/05/05(月) 16:41:04 | URL | 英さん #-[ 編集]
英さん
過去から現在まで、学校英語(考えてみると妙な用語ですが)だけで、英語を使える(話す聞く)ようになった人はまれですね。これにより、日本の英会話学校等の英語産業があるわけです。

これが、アメリカに来て英語になじんできた時に、我々日本人はなにやら違う方向に進んでいるな、ということがわかりかけました。

「アメリカに来て10余年。英語との格闘でシン吟難苦、かくたる自明の理が解らなかったとは慙愧に耐えません」とは、日本語でも話さないですよね。英語の話し言葉には殆どないセンスです。
2008/05/06(火) 13:42:58 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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