アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
社会人の英語学習-----Reading編
日本の学校での英語学習で、読む事は書く事と共に多くの時間を費やします。話すこと聞くことはあまり時間を費やしません。その結果、日本人の英語力の特徴として、読み書きはまあまあだが、喋るのは相当苦労する、という事になります。

アメリカに関係する日本人企業関係者(日本からの出張者含む)は、企業戦略や技術開発等の難しい内容のプレゼンや会議は何とかこなしますが、一番大変なのがその後の食事の時の会話だそうです。

これは当方らも同じですが、通常の会話特に食事の会話の時には、読み書きで覚えた英語とは違う言い回しの英語が出てきて苦労します。これはなにも、一部の日本人英語学習者が忌み嫌うスラングが出てくるわけでもありません。なにやら、易しいのだけど単語の組み合わせ、文節の構成がポイントのようです。

難解な技術書や経営書を意図も簡単に読みこなし、プレゼンも行う日本企業の俊英達も、これには四苦八苦の様子です。本まで出版した英語研究者も、アメリカでの研究生活での一番の悩みの種が食事の時のコミュニケーションだったと正直に告白しています。

逆説的に三段論法でいうと、読む事書くことを控えると使える英語の習得に役立つということになります。しかしそういう訳にもいかず、日本の事情で英語の触れえる教材では、読み物が多い事を考えると、この対処法が必要になります。
平明をもって善とす

忙しい社会人で、何とか使える英語を目差している人達にとっての読み物教材としては、これを俯瞰してみると、使える英語レベルの平明な英語で書かれた文章を、数多く読むということに尽きると思います。

これを”読み違え”て、難易度の高い英語の読み物に挑戦するのは、(研究技術活動を除いて)平均的社会人として得策ではありません。

こちらアメリカで10余年の経験を有する当方の経験からのお勧めは以下の通りです。

地元新聞(当方の場合ルイビルの”The Courier Journal誌”)

地方に根ざした新聞は、多くの読者を対象にしていますので、割と日本人でも読みやすくできています。読みやすくといっても、新聞というのは皆が皆読むわけではありません(アメリカ人は日本人ほど活字好きではない)ので、あるレベルの内容で書かれていますから、読み書き先行の、日本人英語学習者にはちょうど良いレベルではないでしょうか。

確かに、新聞の常でHead Lineの単語は一字で意味を持たせる少し難しい”Big Word”になっていますが、本文はそんなに辞書のご厄介にならずにすみ平明な英語です。この平明な英語を、どう繋いでいるか、どのようなケースで使うか、を繰り返し目にして頭に入れたほうが良いのは明白です。

繰り返しになりますが、難解な新聞を辞書を引き引き読み単語を覚えても(最近当方は寄る年波か、単語を覚えられなくなりましたが)、それを実際会話で使う場面というのはありません。

しかも何よりなのが、この地元の新聞は、生活、事件、社会事情、経済、政治、国際関係、等の話題を満遍なく載せています。しかも順番に注意してください。政治や国際関係は後に来ています。広大な土地を持ち、唯我独尊の国アメリカ。そんな所では、地元の身近な話題が先になり、(中央の)政治や国際関係は話題としては後回しになります。

これが、人々の普通の会話時に現れる話題の頻度にもなります。”Wall Street Journal”や”Washington Post”を読みこなして政治や経済の情報インプット満載でも、通常会話ではあまり出てきません。日本人の俊英企業関係者や研究者が日常会話で苦労するのはこういうところにあります。

雑誌、小説

なかなか単語を覚えられなくなった当方も、なんとか英語を維持向上させようと、いろんな雑誌や小説を読んでいます。

いままで読んできたものの中で、雑誌小説混合でカテゴリー問わない難易度ランキングを挙げてみます。易しい方からのランキングです。

子供向け名作文学英語版
John Steinbeck, "Of Mice and Men”
John Steinbeck, "Pearl”
推理小説、アメリカ作者物
推理小説、Agatha Christie物
Mark Twain”Short short”
”Time”
”Economist”

推理小説では、さすがにイギリス本家でしかも時代が少し古いAgatha Christieものはやや難解です。アメリカ作者のものの方が、英語の言い回しあたりはこちら風で、当方にはとっつき易いようです。当方にとって、本当は推理小説より易しい小説があるのかもしれませんが、ストーリーの予測がつかないので、それがつきやすい推理小説を読んでいます。

”Time”や”Economist”の雑誌も当方にとっては難解なほうです。読めるのは、自動車産業界動向等、当方に関心のある内容のみです。


このコラムを書くのに、昔読んだ英語の書籍を調べていたら、学生時代に材料力学で習った、Timoshenko & Youngの”Element of Strength of Materials”という難解な本が出てきました。今眺めてみても難解な単語が並んでいます。確かに学生時代に、こうした本で英語に対する慣れは出来たのでしょう。しかし、使える英語を目差す社会人にとっては少し荷の重い本のようです。



スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
いちろうさん

再度のコメント、ありがとうございました。
以後、気をつけます!m(__)m

わたしのWebsiteにも書きましたが、日本の英語教育は本当に『難しい文法・単語・構文』を次々に覚えていくというやり方なので、わたしはいつの間にか、それに従っていれば英語が話せるようになると思い込まされていました。

会話できるようになるにはそれはちがうんじゃないかと気づいたのは、英語学習を始めてからかなり経ち、日本の英語教育のものさしでいうともうすでに上級クラスの終わりころで英検1級にも合格したあとでした。でも、自分の思いを英語で余すことなく伝えるということにはほど遠い英語力でした。(今もそうです)

最近は、やさしい本をたくさん読もうという多読などが知れ渡ってきたので、いちろうさんがおっしゃっていることに早い段階で気づく人も多くなってきたと思います。

また、ネットでいちろうさんのような海外在住が長い人の英語論を読めるようになったのも、最近のひとはラッキーだと思います。


こういうスタンスから英語をおしえる教師が出てきてくれるといいなあと思います。

2008/06/16(月) 02:11:56 | URL | ohio1982oh/Miyuki #-[ 編集]
Ohioさん
コメントありがとうございます。

「難しい文法、単語、構文」は、こちらの多くのアメリカ人同士でも、易しい言葉に言い換えをしたりエアークウォーテーション(Air quotation)をしたりで、補完をしながら会話をしていますね。

これは、勿論難しい英語を知らないという意味ではなく、間違いを防いだり、より説得力を増すためにやっているようです。そういうところも、日本で想像する以上に、平明英語が使われている理由になっているようです。

日本語でも「英語の勉学を、しん吟難苦しながら刻苦勉励しまして...」とは、書き言葉ではあっても、話し言葉ではあまりないですよね。

こちらでは、それでも、”That's why I told you!)”や”You didn't tell me!"などと言い合っているのは日常茶飯事ですね。「言ったでしょ!」の時のリエゾンした(トージュー)の音を聞くと、「又やりあっているな」と苦笑いしてきます。
2008/06/16(月) 13:37:27 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック