アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
こうすれば英語が話せるようになる----会話の場に横たわる日米文化の要素の差
英語の勉強を続けてきて、結構単語も覚え、文法も覚え、発音も学び、聞き取りも練習しているのだが、なかなか英語で話せない、否、挨拶や紹介さえ出来ないという人が多いのではないかと思います。

英会話という物は、単語、文法、発音、聞き取り等の英語の要素だけではなく、何を感じ、何を話すかという言葉以前の要素、いわば文化の要素があります。これをはずすと、英会話がなかなかかみ合わない、英会話の入り口付近にいる人は、英語そのものが通じないと意気消沈してしまう事態になります。

これを知る事が、英語が話せるようになる一つのカギです。それを紹介しましょう。

挨拶の文化的要素

英会話教本にあるような、パターンの挨拶を英語でしたいと思っても、なかなか出来ないとお嘆きの方もいるのではないでしょうか。

これは文化的背景を考えると、ある意味当然の事です。

まず第一に、個の意識の無い集団主義の社会の日本。相手の会社等の属性が知れない他人とは、気安く挨拶もしない社会です。

次にお互い知った間柄でも、その挨拶の中身が日本と英語圏では決定的な違いがあります。それはその中身の明るさ、前向きさ具合です。事例を挙げて紹介します。

まず日本では、

たろう--「おはよう。」
じろう--「おはよう。たろう君、どう?調子。」
たろう--「うーん。忙しくて...なかなか、貧乏暇なしだよ。じろう君、ゴル
フやっている?」
じろう--「うん。下手の横好きでね。なかなかうまくならないねぇ。」

これが、英語圏では、

Jim--"Hi!, John. How are you doing?(おはよう、ジョン。どうだい?)"
John--"Fantastic! How are you doing?(すばらしいね。きみは?)"
Jim--"Fabulous! It's a fine day, isn't it.(ものすごく良いね。いい天気だ
ね)"
John--"Super day!(最高の日だね。)"

と、なにやら相当に明るいトーンになっています。

上段の、日本のような無常観にあふれる挨拶は英語圏ではごくまれです(皆無ではないが)。大部分が、下段のように明るさに満ち溢れています。これは一つのパターンのような物です。

この世界に、上段の日本のような内容の挨拶をしても、はなからかみ合いません。”貧乏暇なし”と打ち明けるのは、人生相談か、ファイナンシャルアドバイザーへの相談くらいです。又、自分のやっているスポーツはすべて”Good job"の世界ですから、日本の様に卑下する事はありません。

これをいくら英語の達人が対訳して会話しても、通じる事はありません。いわんや、初心者をや、です。

ビジネスでの自己紹介の文化的要素

個人の名を名乗りあうという文化があまり無い日本。この自己紹介も、英語以前に戸惑う事柄の一つです。特に我々ビジネスの場合には、以下の差異が見て取れます。

日本では

初対面の鈴虫工業の鈴木さんと、クワガタ工業の桑田さんが初対面で挨拶です。

鈴木さん--「どうも、どうも。初めてお目にかかります。鈴虫工業の鈴木です。(と、ポケットの名詞いれに手を伸ばし、名詞を取り出す)」
桑田さん--「どうも。クワガタ工業の桑田です。(と、ポケットの名詞いれに手を伸ばし、名詞を取り出す)」
両名-----(名刺交換しながら、コメツキバッタお辞儀をする)
鈴木さん---「桑田専務さん。クワガタさんには、昔からお世話になっていまして...以前常務をやっていた、桑島さんはおげんきで?」
桑田さん--「えぇ、えぇ。元気です。あの頃は鈴虫さんも、鈴木前社長さんがお元気で、うちの桑島も良く叱られていましたねぇ。」

これが英語圏では、

Paul--"Hi! I'm Paul. Nice to meet you.(やあ。ポールです。初めまして)"
Rich--"Hi, Paul. I'm Rich. Paul, Nice to meet too.(やあ、ポール。リッチです。初めまして)"
Paul--"Rich. Are you taking over Mike's position?(リッチ。あなたはマイクの後を引き継いだの?)"
Rich--"Yeah, Paul. He left for Caterpillar, Inc. doing new job.(はい、ポール。彼はキャタピラー社に転職しました)"
Paul--"Oh, is that right? Rich, are you from ah...?(そう?あなたはどこから..."
Rich--"I'm from Moth,Co.. I was also Purchasing Buyer as same as I do now.(私はモス社にいました。そこでは今と同じく、購買のバイヤーをやっていました)"
*Each person "deals" a business card each other(両者、トランプを投げる如く、名詞を交換).

この場面では、以下の要素の差があります。

1. 名詞交換は、日本では冒頭に行うが、英語圏では後で行う(トランプをきるが如く相手に投げつける)。英語圏では最初は近づき目を見交わして握手する。
 
2.日本では肩書きで相手を呼ぶ。英語圏では名前を(しつこく)呼び合う。

3. 組織への依存が大きな、即ち終身雇用の日本では、話題は同じ組織である会社の昔の人、事柄が良く出てくる。一方、職業流動性の高い英語圏では、個人の仕事の話が良く出てくる。

4. へりくだりのある日本社会では「叱られましたねぇ」という話はおかしくないが、へりくだりに無縁の英語圏社会では、すこし緊張が走る話題である。

これらの手順、話題の差が会話の障害になってきます。

このケースも、いくら英語の達人が対訳しても、肩書きで呼んだり、会社の昔のことを話したり、昔の愛すべき叱り叱られた思い出話をしても、英語以前の文化背景で英語圏の人にはなかなか伝わらないでしょう。


この挨拶や自己紹介の文化的要素まで踏み込んで理解する事が、双方の会話時の理解を早める、即ち会話が出来るようになる一番のコツでしょう。

(続く)





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