アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
いちろうの英語音韻研究所-------「サラ ペイリン」が”セラ ペイリン”に
前回、このエントリーで取り上げた、アメリカの共和党副大統領候補のSarah Palin。日本のネット新聞では、「サラ ペイリン」と呼んでいるようです。

こちらでは”セラ ペイリン”と呼ばれています。ヘボン式ローマ字読みの影響を受けていないアメリカでは、多くの場合”a”が”[e]”と発音されます。”Sarah”が”セラ”となるわけです。

こうした我々日本人を「あれ?」と思わせる、音韻の変化というのはよくあります。
”Harry Potter”が”ヘリー パッター”

類似の変化の物をあげて見ましょう。

世界的なベストセラーの”Harry Potter”。これは”ヘリー パッター”と聞こえます。これは、世界的に有名ですので、こちらのラジオ等でも話題にされています。その時のアナウンサーの呼び方は”ヘリー パッター”となっています。

又、当方の職場にHarryなる同僚がいます。こちらの人は”ヘリー”と呼んでいます。日本人の呼び方からすると”ハリー”。その昔”ダーティー ハリー”という映画もありました。なかなか我々日本人としては、呼び方を変えるのは面映い物で、当方も当初は”ハリー”と呼んでいました。しかし最近は慣れて、思い切り”e”を強調して”ヘリー”と呼んでいます。

尚、この”Potter”の”o”も変化し、”ア”に近い音に聞こえます。

以下のリストは、同類の音韻の変化をするものです。

Pam------”ペム”
Sam-----”セム”
Dan-----”デン”
Danny--”デニー”
Daniel--”デーニョー”
Andy---"エンディ”
Man----"メン”
O & K--”オーエンケー”
John----”ジャン”
Bobby---”バビィ”


Manは「なんてこった」の様な嘆きの時に、”Oh man!”と使われます(やや品の落ちる使われ方ですが)。この時も”オー メーン!”と”e”音が強調されます。

その昔学校の授業では、Manは”マン”、複数のMenで”メン”と習いました。この伝でいくと、音韻的にはManとMenの区別がつかなくなります。こちらの人はどう使い分けているのでしょうか?結論は......紛らわしい時には使っていないようです。通常はPeople等で済ませます。特に性差を表に出さないアメリカ社会では、”Men can ......”や”Women are....”というような使い分けはせずに、”People......”や”Employee...”というような中性名詞(?)的な単語を使います。

又、ある団体の名前でO & Kというものがありました。これも日本的に言うと”オー アンド ケー”ですが、聞こえてくるのは”オーエンケー”。Andは”エン”と変化します。当方は暫くはこの変化がわからず、「あれ?」と思ったものでした。

当方は発音学習信奉者ではありませんが、これ位の変化になると知っていた方が、混乱は少なくお得といえましょう。



さて、冒頭の”セラ ペイリン”。全米のラジオで有名なパーソナリティのRush Limbaugh(ラッシュ リンボウ。この人は保守派の論客としても有名です。)は、”セラ ペイン”と呼んでいました。更なる変化です。この音韻の変化は奥が深いようで...

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コメント
この記事へのコメント
セイラ
昔、セーラ・ローウェルというハーフのアイドルがいましたが、スペルはSarah Lowellのはずです。(本当はセイラ・ロウウェルとすべきでしょうが)

Sarahの「a」を私は英語圏の人はKateの「a」と同じく「ei」と発音するからと思っていたのですが(caseも同様)、違うのかなあ。

つまり、「ターミネータ」のヒロインもSarahで、みんなセイラと呼んでいたと理解していたのです。
2008/09/14(日) 17:30:42 | URL | ADELANTE #NLJharc2[ 編集]
ADELANTEさん
こちらでは、不定冠詞の"a"も、強調したい時に[ei]と発音しますね。

"That is a bridge that..."の時に、"That is [ei] bridge that...."と発音します。[ei]の所で少しゆっくり(もしくは止めて)喋ります。意味合いは、IndefiniteとDefiniteの間くらいの感覚でしょうか。

当方の業務でも、Angle, Matrix, Agenda(これは"ei"と"a"二説ありますが)等々、「あれ?」と思うような音韻の言葉がたくさんあります。
2008/09/15(月) 03:56:17 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

人名の発音は難しいのに、わが国の場合、学校で発音記号を教えなくなったことが災いして、ますますみなさん、問題意識を持たなくなっているように思えます。例えば、Pronunciation Dictionary を見れば、Sara は、"seər ə" となっているのに(発音記号表示されるでしょうか。e + eを逆さにした奴です)、誰も気にせず、調べもしないのでしょう。一方、Harry は、イギリス人の場合、たいてい、hæri で、heri は(発音辞典には載っていますが)少数派ではないでしょうか。またアメリカ人の「ヘリー」もカタカナの「へ」とはちょっと違っており、あごを引いて、口を開かずに出す不思議な音というイメージを持っています。

人名で一番気になるのは法令名に出てくる名前で、例えばアメリカのLanham Trademark Act は日本では専門家もみな「ランハム」法と呼んでおり、何だか落ち着かない気持ちになります。
2008/09/15(月) 11:55:32 | URL | 日向清人 #-[ 編集]
日向さん
コメントありがとうございます。

この発音の違い、人名や業務の関連は双方向の会話感触でなんとなく分かっていきますが、どういうわけか身近なVanilla(アイスクリーム)が、通じなくて困りました。店員さんは、よもや(地元の)英語以外の言語がこの世に存在するとは思っていない人達で、外国人のことは忖度ありませんでした。

英語圏の中でも、確かにイギリスはローマ字読みに近いですね。イギリスでは[Harry potter]となるのでしょうか?

BeatlesのGeorge Harrisonも[Harrison]ですよね。こちらアメリカ中西部では[Herrison]と変化するようです。

因みにBeatlesのメンバーは、デビューの頃の喋りはいかにもイギリス英語満載ですが、アメリカ公演を重ねたりすると、特にPaulあたりは少し矯正されてアメリカっぽい発音になっているようですね。やはり日本の方言矯正みたいな心境が働くのでしょうか?

2008/09/15(月) 13:26:02 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
5つでは母音はたりない?
お久しぶりです。ご無沙汰しています。

いちろうさんらしい話題ですね。

日本語での母音、の間にあるeの逆さ鏡写りとか、aeといったものを音の近いカタカナにしてしまうと、やはり無理があるかと思います。JohnとJan日本語で耳から聞こえるものをカタカナで表記すると、ジャンとなるのでしょうが、実際には違う音ですね。

言語の一般的な特徴としては、伝播する距離、時間が多いほど、単純化されて、メリハリななくなるという傾向があるようです。これは、英語でもスペイン語でも同じのようで、Harrisonの例はあるいは、これかもしれませんね。

ペイラン、ペイリンの件はRodinはロディンかロダンか、ミズーリかミズーラか、フランス語の
Iがさかさeに近く発音されることがあるための混同ではないでしょうか。
2008/09/20(土) 03:51:59 | URL | calperch #MfGmI5Ic[ 編集]
Calperchさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。

当方は、英語の発音は、机上の学習、話す前の心がけでは十分気をつけているつもりです。が、話し始めるとそれらはどこかに行って、日本的なカタカナ発音になってしまいます。

母国語の特徴からは抜け出せないということでしょうか。
2008/09/21(日) 11:50:10 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
高名な日向清人先生からのコメントが入っているのでびっくりしました!

NHKの講座を持たれているとき(先生にとっては良い思い出ではなかったようですが)、とても分かりやすい文法解説をなさっていました。
2008/10/16(木) 18:54:33 | URL | Miyuki S/Ohio1982oh #-[ 編集]
Ohioさん
日向さん(おっと、先生か!)は、”低名”な我々程度の英語力のコメントにも目を通してくれて(おっと、下さって)論評してくれます。日向さんのブログは、我々英語最前線の者から見ても読み応えあるものです。
2008/10/17(金) 12:33:10 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
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