アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
この程度の単語力でもアメリカで仕事をしています----英語が使える条件(その解)
本エントリーは、アマチュアの気楽さで随時書いています。前回の「この程度の単語力でもアメリカで仕事をしています----英語が使える条件」の続編も、お気楽に(いつか、続く)として、そのうちに書こうと思っていました。

しかし、英語のご大家の日向さんからコメントがはいり、そのコメント返答の所で続編の骨子ともいうべきものを書いてしまいました。そこで、それを補足する意味で本エントリーを急遽書きます。

本題です。なぜこの程度の単語力でも、アメリカで仕事が出来ているか?立派に(注1)英語が使えて(注2)いるか?それを分析してみましょう。

その解のポイントは、

1.単語の音節のリズムにより、難しく硬い単語はそう使われていない。
2.聞き直し、言い換えを是とする言語社会であり、難しい単語も簡単な単語に置き換えられる。
3.コミュニケーションの収れん性により、結論の世界になり簡単な単語の世界になる。

があげられます。

単語の音節のリズム

まずアメリカ人自体がそう難しい単語を使っているわけではありません。前回のエントリーで出た当方の知らない単語のExplicitやExquisiteは、こちらでアメリカ人からも聞いた事はありません。

これは、特に話し言葉では、会話というより、丁々発止のやりとりともいうべきものがあり、話のリズムや機敏性が要求されます。その時に難しい、硬い単語は概ねそんな場にそぐわずに敬遠されているのが原因だからでしょうか。

日本語でも、「それを言っちゃーおしまいよ」という粋なせりふも、「それを論述しては、終止符を打たなければなりません」というと、リズムも機敏性もあった物ではありませんね。論述や終止符が、とっさの話し言葉でそうそう出てこないのと同じでしょう。

日向さんのブログのエントリーに英語の喋りはドンツクドンツクという音節の強弱であるとの卓見がありましたが、ExplicitやExquisiteはApparentやFineに較べると、リズムが出にくいですね。”ドンツク”になりにくい感じです。

ネイティブでもこのやりにくい単語やフレーズというのはあるようで、時々言いよどんで、舌をぺろぺろ(英語は”舌の言語”ですね)する時があります。

この”ドンツク”論により、日本人が想像する以上に、易しい単語が蔓延している英語の現場アメリカ。これが、当方が「この程度の単語力で仕事が出来ている」一因です。

聞き直し、言い換えが利く

よしんばExplicitやExquisiteの単語が相手から出てきたとしても、実際の英語使用場面では聞き直しが出来ます。又、相手のアメリカ人でも、こちらが不明そうにしていると、言い換えをしています。

英語には”我すばらしくたくさん喋る、ゆえにすばらしい我あり”ともいうべき性質があります。相手が不明そうにしていると、手を変え品を変え説明してきます。又、分からない時には徹底的に聞き返してきます。

その聞き直し、言い換えのためのフレーズはたくさんあります。”Do you mean .....?”や”Is that what you said?”の聞きなおしや、”...which means..."や”Again, I am saying is...”等の言い換えのフレーズです。

前回のExplicitはApparent, Obviousで言い換えれば分かるでしょうし、ExquisiteはFineやNiceで代用できます。

アメリカ人同士の会話でも難しい単語の時は、”...which means..."と言い換えて説明を入れたり、ゆっくり言ったりしていますし、又しつこく聞きなおしていますね。

これも、当方が「この程度の単語力で仕事が出来ている」一因です。

コミュニケーションの収れん性

会話やレポート等のコミュニケーションは、突き詰めれば、”Yes”か”No”か、”Good”か”Bad”か、”Go”か”Not go”かの世界です。いろいろ難しい言葉で難しい事を言っても、またはレポートしても、上記のいずれかに収斂していきます。

日本語でも、「いろいろ難しい事を言っているが、要は良いんだな」や「早い話が、ゴーだな」という事が、特にビジネスの世界ではしょっちゅうです。

アメリカ人から報告を受ける時に、多少難しい単語が混じっていても、”Go”すべきかどうかは、直感で分かりますし、報告する立場でも要は結論が先の世界ですから、あまり難しい表現は嫌われます。これも想像以上に簡単な単語から成り立っています。

これが三番目の、当方が「この程度の単語力で仕事が出来ている」一因です。


さて、皆さんもこの解を参考にしていただいて、皆さん程度の単語力で英語を使っていったらどうでしょうか。


(注1 :立派に)

これは、技術論というより英語の取り組み姿勢の問題ですが、英語を使えるようになるにはこのメンタリティをしっかりと持つ必要があります。

読者の皆さんは、「”立派に英語を...”などと臆面もなく遠慮の無い奴だ」と思われるでしょう。しかし英語は、”我すばらしくたくさん喋る、ゆえにすばらしい我あり”とも言うべき性質を持っています。

日本人には、デカルトの”我思う、ゆえに我あり”のフレーズの方がぴったり来ます。「大した自分でもないのだから、言わずもがなですが...」と思い、相手の忖度に任せるむきがあります。相手の意思を行間から読み取る、言葉の間から読み取る、というものです。

しかし、英語では全く別の世界です。文化が違います。英語の世界では、上述の様に”自分はすばらしいと思い、たくさん喋る。よってさらにすばらしい自分が出来る”ともいうべき事で成り立っています。分かりきったことでも、間髪いれずに喋り続ける、相手の話も引き出す、という世界です。

よって、日本人がいくらすばらしく単語を知っていても、「言わずもがなですが...」と思って腰が引けると、英語世界に乗り遅れて結局は英語が使えない、ということになってしまいます。

当方などはさしずめ、「オレのすばらしい英語を聞けないか!こういう言い方はどうだ!」と思って使い続けています。これが、こちらアメリカで英語を使えている理由でしょう。

多くの日本人が”My English is poor.”と言って謙遜しますが、これはこちらアメリカでは、この考えの対極にあり百害あって一利なしでしょう。


(注2:英語が使えて)

これも日本人の誤解の一つですが、英語を使えるようになるには、古今東西の文物を英語で読み取り、且つその評論を英語で書いたり話したり出来、同時に文法知識、単語知識、発音、喋り方、スピードがネイティブの様にならなければならない、ということがあります。

しかし、これを全て満足するのはネイティブでも不可能な事です。アメリカ人皆が、学者の様に知識があり、競馬中継アナウンサーの様に喋れるわけではありません。

そういうことで、当方の英語が使えるレベルを整理すると、

1.仕事が出来る(前回エントリー既出)
2.英単語力は、大学受験用読解重要語の1/4は知らない(前回エントリー通り)。
3.アメリカ人相手に、電話で商談が出来、且つMailで意見交換が出来る。
4.映画や歌の歌詞の聞き取りは、60%位(映画や歌の歌詞は、ウィットや皮肉をスクリプト段階で織り込んでおり、なかなか難しい)。
5.ラジオ局のニュースやパーソナリティの喋りはほぼ100%聞き取り可能。
6.先日の副大統領候補同士のディベート合戦も概ね聞き取り可であった。
7.職場の仲間との昼食時の会話は、60%位の聞き取り率。
8.新聞は地方新聞は多少辞書を利用しながら読破可能。
9.”Economist”や”Time”は、興味のある記事以外は難しい。
10.喋るのは、喋る前までは発音に十分気をつけるが、喋り始めたら日本人発音になっている(と思う)。


以上



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コメント
この記事へのコメント
Ditto
Dittoです。(^_^)(^_^)(^_^)
2008/10/08(水) 02:06:47 | URL | ADELANTE #NLJharc2[ 編集]
ADELANTEさん。
簡潔なコメントありがとうございました。ところで、当方はこの”Ditto"という単語も知りませんでした(泣)。
2008/10/08(水) 13:00:54 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
ゴースト
いちろうさん

このラテン語の「Ditto」ですが、デミ・ムーア主演の映画「ゴースト~ニューヨークの幻~」で決め文句として印象的に使われていたので覚えているだけです。(^_^)(ラテン語の素養はありません) 日本語だったら漢籍の素養ということになるのでしょうか。
2008/10/09(木) 08:39:13 | URL | ADELANTE #NLJharc2[ 編集]
Adelanteさん
kの”Ditto”はこの場合、”I agree what you are saying."、I agree it."や”Me、 too."に当たるでしょうか?

この”Ditto"もこちらでは聞いたことがありませんね。
2008/10/10(金) 13:11:50 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
Re: Ditto
ご指摘のような意味で使っています。

http://eow.alc.co.jp/ditto/UTF-8/?ref=sa
2008/10/13(月) 01:26:30 | URL | ADELANTE #NLJharc2[ 編集]
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