アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカに根付く日本的経営思想-----地元のビジネス関連の会合に出席して
先日、地元ケンタッキーのビジネス関連の会合に行ってきました。ケンタッキーといえば、トヨタが進出して、日系企業がひしめいている州。その日系企業や、ビジネスパートナーのアメリカ企業が多く参加していました。

その中の分科会で、あるアメリカ企業が、”アメリカにおける日系企業とのビジネス文化交流の歴史”という事で、講演をしていました。その企業は建設会社で、各日系企業の進出に伴い工場建設の需要増で業績を伸ばしてきた会社です。

そのビジネスを行う中でアメリカ人の目で見た、日系企業とのビジネス文化交流の中で得た日本的経営のエッセンスを紹介していました。

その特徴は、

1.アメリカの”Enough to close”や”Good to close”のやや大雑把な経営思想に対し、日本は”Preciseness”や ”Discipline”のきめ細かい経営思想が特徴である。

2.日本は意思決定はやや遅いが、従業員の参画意識に重きを置いた、コンセンサス重視の意思決定が特徴である。

3.日系企業が、アメリカでのビジネスを成功させるには、Human Resource(人事)にアメリカ人の良い人材をまず雇う必要がある。

との事のようです。
日本的経営思想を信奉するアメリカ人

講演は、トヨタ進出から約20年の歴史を振り返りながらのものでした。なにせトヨタ進出以前は、日系企業は3社しかなかったそうで、現在の150社(関連従業員は40,000人)とは雲泥の差があります。

この建設会社も、この”特需”で業績を伸ばしていますので、日本的経営の礼讃もむべなるかな、というところです。世に言われているTQCやカイゼン、ジャストインタイム等の手法から、上記の経営思想に至るまで、日本的マネジメント礼賛が続きました。

疑う日本人に、本音が出るアメリカ人

そうまで言われると、やや懐疑的な当方。日本のビジネス環境の閉塞感を知っているだけに、日本的経営礼讃オンリーに疑問がもたげてきて質問をしました。

「アメリカ的経営の良い所もあるでしょう。それは何だと考えますか?」

くだんのアメリカ人講演者は、とっさに「意思決定の速い事です」という返事をしました。当方も「そうだろうな」と思った瞬間、彼は「しかし、これも日本的な全員参加意思決定の方が良い」と前言葉を翻して、慌てた様に説明をしていました。

この会議日系企業関係者も多く参加していたので、一瞬やばい発言だと思ったのではないでしょうか?

全員参加型意思決定と称し、日本の多くの企業では意思決定が遅い、若しくは明確ではないと言われています。当方も、これには自他共に思い当たるフシがあります。アメリカの企業文化に接するたびに、アメリカの意思決定の速さ明確さには感心しています。

彼も20年の日系企業との付き合いの中で、日本的意思決定のネガの部分に何回も遭遇したので、一瞬本音が出たのでしょう。しかしそれもつかの間、上記のような表現で日本的意思決定の礼讃となりました。アメリカビジネスマンとしての本音が出た、というところでしょうか。


この会合は州政府の関係者も出席して行われました。いまやアメリカに深く根を下ろしている日本的経営思想です。



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