アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
この程度のイディオム理解力でもアメリカで仕事をしています。------英語が使える条件
“この程度の英語力“シリーズのイディオム編です。

イディオム。GetやTakeの様な、簡単な語の組み合わせによる表現方法で、ネイティブの人にとっては小さい頃から親しんでいるカテゴリーの英語だそうです。

そのため、英語らしさの筆頭のように考えられており、いろんな英語ブログを訪問してみても、色々な表現を紹介しています。しかし、殆どは在米15年になる当方も知らないような表現ばかりです。

英語を第二言語として使用している典型の当方(注1:文末)としては、どれ位の理解力でしょうか?それを、イディオムハンドブックで検証してみました。

結論としては、半数以上のイディオムを知らず、知っているけど使えないものをあわせると84%になりました。
イディオム理解力検証

手元に、日本英語教育教会発行の「米語イディオム活用ハンドブック」なる本があります。アメリカ人のHarold C. Whitford氏、Robert J. Dixson氏の共著で藤井基精氏の訳編の本です。「現代米語のイディオムの必要かつ十分な5,000語を収録」とあります。

この5,000語をすべて検証するのは時間もかかりますので、ランダムに20頁を選び、その頁のイディオムを知っているかどうかチェックしました。総イディオム数で200語となりました。

例により以下の、①理解して使っているイディオム---○、②知っているが、使えていないイディオム---△、 ③知らなかったイディオム---×、のコードをつけていき最後に集計しました。

ランダムに選んだうちの一つから、その検証事例を一頁だけ見てみましょう。

get in on(入っている)-----------------------×
get in with(~と仲間に入る)------------------△
get into one’s head(~の考えに取り付かれる)---×
get it(理解する)----------------------------○
get left(取り残される)-----------------------△
get next to(~とよく知り合える)---------------×
get off(降りる)-----------------------------○
get off easy(軽い罰金処罰で免れる)-----------×
get off on the wrong foot(へまをする)----------△
get off to a flying start(成功裏に始まる)-------×

ここでは、たまたまイディオムの典型の”Get”の一例です。ちょうどこの部分の結果は、知らないものと使えていない物あわせて、10語中8語で80%、ほぼ全体の検証結果(上述 84%)と同じようになっています。Get itとGet offが使えているくらいです。

全体結果を見てみると(検証語は200語)、

1. 理解して使っているイディオム 31語(16%)
2. 知っているが、使えていないイディオム 54語(27%)
3. 知らなかったイディオム 115語(57%)

となり、なんと84%のものが、知らないものと使えていないものでした。

これで仕事が出来る理由

それでは、84%のイディオム分からない且つ使えないで、こちらで仕事が出来ている理由は何でしょうか?

1.ネイティブのイディオムの使用頻度

ネイティブの人にとって、このイディオムは小さい時から慣れ親しんだカテゴリーの英語ですが、一般の会話、特に非ネイティブの人との会話ではそう連発していないことがあります。 

Getの冒頭の“Get it on(入っている)”を日本語に例をとると、イディオムというのは訳にもつけている「入ってる」くらいな響きになるでしょうか。もう少し話す気分まで考慮に入れると、「入っちゃってる」くらいな感じでしょうか。これを使うのは、日本人でもかなりくだけたケースや間柄ではないでしょうか。少し、丁寧な場面や特に外国人に対しては「含まれる」、英語で言うと”Contain”を使うのではないでしょうか。

当方の個人的な経験でも、このイディオムというのは、そう聞くものではありません。簡単な単語なので聞き逃している場合もありますが、ネイティブの人同士でも正確を期すために、丁寧な言葉で言ったり難い言葉で言ったりするケースが多いようです。

特に主体を仕事に考えると、ネイティブでもイディオムの使用頻度はうんと少なくなります。いわゆる、硬い英語が多くなってくるわけです。丁寧さ、正確さを要求される業務での会話。すこし硬いBig Wordsが多くなるのは当然です。

仕事に限ると、イディオムの理解力が低い事により、齟齬をきたす頻度は低いといえそうです。

2.硬い英語(Big words)でも勿論通じる

.このイディオムの対極にあるのが、Big wordです。これは、我々日本人のやや硬い英語から入る英語学習の成り立ちから考えると、覚えやすい使いやすいものです。無機質の感じのするイディオムよりも有機な表意的なBig Wordは、日本人には取り組みやすい物です。

“Get it on(含まれる)”の例で言うと、前述の”Contain”がそうです。又”Include”や”Enclose”もそうです。これらは我々日本人ならずとも、ネイティブは良く使っています。“Get it on”を忘れても、日本人に身近なこれらの言葉を使えば良い訳です。

3.聞き返し、言い返しが出来る

これは、“この程度の単語力....”のエントリーの時にも強調しましたが、英語を使うということは、すべからく言い換え聞きなおしができます。これにより、分からない表現が出てきても、確認しながらコミュニケーションをとることが出来ます。

このイディオムは、平易な単語の連続なので、”解らない部分がわかりにくい”という難点がありますが、それでも話の筋として分からなければ、聞き返しができます。



イディオムをマスターすると、英語圏での活動や理解が一般生活の隅々まで広がるのは確かです。しかし、英語を主たる職業にしていない当方や同士の方々にとって、このイディオムだけにのめりこむわけにも行きません。当方程度のイディオム理解力で仕事が出来ている事を考えると、バランスの良い英語習得を第一に考慮し、”この程度のイディオム理解力”で、他の英語習得や練習に励んだ方が良さそうです。


(注1:文末)

1. 仕事は英語。工場管理、技術系業務。
2. 家庭内は日本語。
3. 英語“学習”としては、①地元の新聞購読、小説購読、②通勤時(往復1時間)ラジオ聴取、③地元テレビを時々視聴。
4. 食事の時の会話のような、カジュアル会話は苦手。
5. コミュニティでのアメリカ人との交際はあまり無し。


スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
はじめまして
いちろうさん、初めまして。Nemoと申します。
大変ためになる記事をありがとうございました。
受験英語のためにはヤマのようなイディオムを覚えさせられますが、
むなしいですね。
受験英語そのものもですが。。。
2008/12/26(金) 13:29:10 | URL | Nemo #6jn2IUrI[ 編集]
Re: はじめまして
Nemoさん、コメントありがとうございます。

こちら、アメリカで英語を使う身になってみると、案外簡単な英語の表現、使いまわしで終始しているのがわかります(相手のアメリカ人も含めて)。

これが海を越えて日本に到達すると、文法、単語語彙、発音、イディオム、等々、英語の”勉強”になりどんどん難しさがエスカレートしているようですね。英語を記憶力の検証に使う、現在の受験制度の弊害でしょうか。

本当はそんなにエスカレートした英語知識ではなくで、もう少し違う要素があるのですが...
2008/12/26(金) 14:08:20 | URL | いちろう #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック