アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
この程度の英語使いによる英会話虎の巻(その5)----英文型がとっさに出てこない時には、007のJames Bondの気分で
ご存知007シリーズの主役James Bondは、自己紹介をする時に、

“Bond, James Bond.”

と言ってます。これは映画にアクセントをつける有名なフレーズです。これを聞くと、イギリスの秘密情報部の諜報員らしい、ハードボイルな(?)自己紹介の仕方を感じます。

一方で、我々学校英語から出発した英語学習者は、「あれ?これの主語は?文型はどうなっているんだろう?」と思います。よく見てください、主語と動詞の“I am ...”か“My name is..”が抜け落ちているではありませんか。

英語学習で間違わないように一生懸命憶えて来た文型。英語を使う時には、頭の中で英語文型がグルグル駆け巡ります。それで出てきた英語のまずさに落ち込み、そのフォローに膨大なエネルギーを使います。

しかし、英語圏人。しかもこの場合、キングズイングリッシュの本場英国のJames Bond氏。いとも簡単に、重要な英語文型を反故にしてくれます。この我々英語学習者の涙ぐましい努力を、あっさり反故にしてくれる言い方は、英語現場では普通に出てきます。

皆さんも、英文型がとっさに出てこない場合は、James Bond にあやかって脱文型でパニックを切り抜けましょう。

自己紹介の時

ハードボイルドな(?)紹介のみならず、ごく一般的な紹介の時にも、この脱文型法は良く出てきます。フランクな対面方式の多い、且つ相互の会話リズムを重要視する英語圏では良く使われます。

“(I‘m) George.”
“(I‘m) Paul.”
“(I‘m very) Nice to meet you.“

当方はその昔自己紹介の時に、、“I‘m very nice to meet you.“か”It’s very nice to meet you.”か、どちらが正しいのか、思い悩んで”固まって“しまった事がありました(これはどちらでもOK)。そんな事より“Nice to meet you.“とだけ言っておけばよかったでしょうに。相手も目を白黒しますよね。

質問の時

これも、まず結論を述べたい時の常套手段です。会議の時に、司会者から出る常套句が

“(Are there any) Questions?”
“(Do you have) Anything else?”

です。大勢の聴衆がいる時には、特に主語動詞目的語等を入れた正式文型では、口ごもってしまい聞き取りにくくなるのでしょう。よく使います。

ヨーロッパの古い映画を見ていた時の事でした。多言語の地域ヨーロッパ。英語ばかりでなくフランス語やドイツ語等が飛び交っています。ここでは相手が英語を話せるか確認する必要があります。その中で、ある登場人物が出くわした相手に発したのが、

“(Are you) Speaking English?(英語を喋りますか?)”

これも、主語や動詞なしでした。咄嗟の出会い。これも響きの良い脱文型の用法が好まれているのでしょう。

質問に答える時

ある質問に答える時も良くこの方法を使います。特に質問型は、質問で状況が説明されているのでその答えは簡便に、ということなのでしょう。それと質問に対するすばやい答え、即ち会話のリズムが要求されているのでしょう。

“Since when do you require a password?” “(I do it) Usually right before lunch.”

“Is there any downside?“ ”(There is a) Minor translation issue.“

通常発話

質問でもなく答えでもない、通常発話の時にもこれが用いられます。以下は会議等で「質問があります」、や「議題があります」と言う時に使う常套句です。これも、簡便さやリズムを重視した結果でしょう。

“(I have a) Question.”
“(I have an) Issue.“

英文型が咄嗟に出てこないあなたへ

以上のように、英語現場では文型を外すことは良くあります。これは、会話に簡潔さやリズムを求められるためです。こんな場面で正式文型を使うと、かえって円滑な会話を阻害する事になります。

上記のシチュエーションの時で英文型が咄嗟に出てこない場合には、積極的にこの脱文型を使ってみて下さい。又、英語に慣れてくると、このシチュエーション以外にもたくさん使うものです。英語圏の英語と日本の英語は全くといって良いほど違うものです。あなたの相手の英語圏人は、こんな脱文型を使っても、英語がおかしいと誰も思いはしません。



このJames Bondという名前は、英語圏では平凡な名前の様です。同姓同名の多い英語圏ではよくある名前です。当方もビジネス会合で、一回James Bondさんに遭遇した事があります。その時の紹介がやはり、脱文型の“James Bond”でした。

このJamesは、映画のJames Bondと雰囲気が似たハードボイルな(?)渋いいい男でした。当方はといえば、容貌といい、文型といい、映画とのあまりの相似に唖然として、ぽっかり口をあけたままのしまらない顔をしていましたとさ...


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コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、こんにちは!
マラソンのランニングも頑張っていらっしゃいますね~。

リズムと会話の流れを意識すれば、文型にとらわれている暇はないですね。

James Bondさん、たしかにいそうな名前ですね。
名前負けしないダンディな方で何よりですが、しょぼかったらご本人がつらいでしょうね。
2009/03/23(月) 19:44:02 | URL | Nemo #-[ 編集]
Re: タイトルなし
Nemoさん、今晩は。

> リズムと会話の流れを意識すれば、文型にとらわれている暇はないですね。

小説でもそうですが、映画は脚本家がスクリプトを入念に練って書きますが、それでもこういう脱文型が出てきます。小説も、キングズイングリッシュの本場のイギリスの小説でも(Agatha ChristiesやCnnan Doyle)、脱文型のせりふを言わせていますね。一発勝負の実社会の英語では、言うまでも無い事ですが多く出会います。

> James Bondさん、たしかにいそうな名前ですね。
> 名前負けしないダンディな方で何よりですが、しょぼかったらご本人がつらいでしょうね。

このBond氏、同姓同名が多いとはいえ映画のJames Bondの事を良く聞かれるのか、さすがに少しうんざりした様子で”釈明”していました。しょぼくは無くなかなかの紳士でした。
2009/03/24(火) 12:30:24 | URL | いちろう #-[ 編集]
相棒にあいにきた南の島でウダっております(^^)ここの中古車ディーラーにもいらっしゃいましたよ、James Bondさん!
ただしハファヒニ(ミスターレディ)さんなので、多分芸名です。Bond. James Bond…とやった後、ニカッとウィンクされると暑さも一瞬忘れますが、私、なんとか生き延びておりま~す(^^)
2009/03/26(木) 21:42:44 | URL | うろこ #-[ 編集]
Call me Shane
あともうひとつ格好いい自己紹介に映画「シェーン」の「Call me Shane.」がありました。

ハーマン・メルビルの「Moby Dick(白鯨)」の有名な出だしも「Call me Ishmael.」です。(「Moby Dick」はジョン・ボーナムのドラム・ソロで名高いレッド・ツェッペリンの曲のタイトルでもあります)

映画や小説から使えるフレーズを集めるのも楽しいですよね。
2009/03/27(金) 00:48:22 | URL | YYT #NLJharc2[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、コメントありがとうございます。

> 相棒にあいにきた南の島でウダっております(^^)ここの中古車ディーラーにもいらっしゃいましたよ、James Bondさん!
> ただしハファヒニ(ミスターレディ)さんなので、多分芸名です。Bond. James Bond…とやった後、ニカッとウィンクされると暑さも一瞬忘れますが、私、なんとか生き延びておりま~す(^^)

007は世界的に人気がありましたので、そちらの方でも”ぶってる”人がいるでしょうね。シリーズのある作品で、アメリカ中南部のロケがあっていました(ケンタッキーも入っていたようです)。その中に、典型的なアメリカ南部訛りの俳優が出てきて喋っていました。James Bondの英国調とは、一味違った味を出していました。

こちらは(アメリカ中西部)は現在40度F~70度F位になってきました。暖かくなってきましたよ。
2009/03/27(金) 12:54:55 | URL | いちろう #-[ 編集]
Re: Call me Shane
YYTさん、コメントありがとうございます。

> あともうひとつ格好いい自己紹介に映画「シェーン」の「Call me Shane.」がありました。
>
> ハーマン・メルビルの「Moby Dick(白鯨)」の有名な出だしも「Call me Ishmael.」です。(「Moby Dick」はジョン・ボーナムのドラム・ソロで名高いレッド・ツェッペリンの曲のタイトルでもあります)
>
> 映画や小説から使えるフレーズを集めるのも楽しいですよね。


”Call me XXX."はこちらでも良く聞きますね。アメリカ的フランクさで、事前のやり取りはあまりせずに、直接にしかもPleaseをつけず言いますよね。これが失礼に聞こえないのがアメリカ的フランクさですね。


2009/03/27(金) 12:59:51 | URL | いちろう #-[ 編集]
これはまた面白お役立ちトピックですね
いちろう さま こんばんは~。
そうなのです。
歌の訳をしている時 わたし時折説明しておりますが 主語とかBe動詞とか省きますよね。会話を円滑にするために。
ただ わたし 初心者の頃 どこをどう省くのかさっぱりわかりませんでした。で 仕方なく全部きっちり言っておりましたら いつの間にやら はずして言っております自分がおりました。
ところで 日本で習う あの My name ・・・ ですが ホテル とか レストラン とか では 007 さんが正式な言い方なのです。イギリス英語では。
最初に名字を言い 後で full name を言うのが正式なのですが 学校ではしませんよね。
で full name を言う際に 勿論 My name is をつけるのが正式なのですが 忙しいところでは そんなまどろっこしいことを日本人がゆっくり言っておりますと あちらさんはきっといらいらもんですよね。おまけに長たらしい名字や名前だったりしますと。
英会話 英会話 とか言いながら なんだか どこかが違うぞ うん? てな感じです。
ところで マラソンの準備は順調でいらっしゃいますか。
応援しておりますね。
頑張ってくださいませ。
2009/03/29(日) 05:13:47 | URL | fountainhead #6NxBSyw.[ 編集]
Re: これはまた面白お役立ちトピックですね
Fountainheadさん、コメントありがとうございます。


> ところで 日本で習う あの My name ・・・ ですが ホテル とか レストラン とか では 007 さんが正式な言い方なのです。イギリス英語では。
> 最初に名字を言い 後で full name を言うのが正式なのですが 学校ではしませんよね。
> で full name を言う際に 勿論 My name is をつけるのが正式なのですが 忙しいところでは そんなまどろっこしいことを日本人がゆっくり言っておりますと あちらさんはきっといらいらもんですよね。おまけに長たらしい名字や名前だったりしますと。

苗字が先に来るのが、イギリス英語の紹介の仕方だとは知りませんでした。アメリカでは、First nameがあくまで先に来ます。大部分はFirst nameだけで苗字は省略します。007ではハードボイルな紹介の仕方かな?とエントリーには書きましたが、イギリスでは正式なのですね。

主語やBe動詞の省略については全く同じ様ですね。多人数の紹介の時に、こちら(日本人)がもたもたしている間に、こちらの人は紹介が終わって次の話題に移っている様な感じですね。
2009/03/30(月) 09:20:05 | URL | いちろう #-[ 編集]
あの 申し訳ございません
こんにちは。

>苗字が先に来るのが、イギリス英語の紹介の仕方だとは知りませんでした。

どうも書き方が悪かったようですので 少し訂正をさせていただきます。
これは ホテルでチェック・インするときとか レストラン等で予約を入れていて名乗る時 つまり公的な場でのお話です。
カジュアルな場での 自己紹介 は 普通に First Name を言う場合が多いように思います。
時折 My name is (First Name). はおかしい 間違っている と仰る方があるのですが イギリス人はします。と申しますか ブリティッシュで喋る人はそう言うことが多いようです。
北米の人は I'm ・・・と言う人が多いかな とも思います。
わたしは日本で暮らしておりますので 世界共通はなんなのかは ちょっとはかり兼ねますが 夫に北米の人を紹介するとき 同じ年頃の男性だと First Name だけ言って握手を求めてくる人が多いようです。女性は 大体 My name is / I'm をつけますね。いきなり First Name だけの人はおりません。わたしが知っております限りでは。
ただ その場がどういう場かで 言い方が異なるようですし わたしとどれだけ親しいかでまた違ってくるようです。

誤解を与えるような記述になりましたことを 深くお詫び申し上げます。

それから 10km完走おめでとうございます。どうぞご無理をなさらず これからも頑張ってくださいませ。

失礼いたしました。
2009/03/30(月) 19:53:55 | URL | fountainhead #6NxBSyw.[ 編集]
Re: あの 申し訳ございません
Fountainheadさん、再度のコメントありがとうございます。

> どうも書き方が悪かったようですので 少し訂正をさせていただきます。
> これは ホテルでチェック・インするときとか レストラン等で予約を入れていて名乗る時 つまり公的な場でのお話です。

アメリカも同じ様な感じです。そうすると、イギリスとアメリカは紹介の仕方等、大体同じ感じですね。

こちらでびっくりするのは、電話を取る時も”John! May I help you?"等、これまた自分の事はFirst Nameのみの応答です。ダイアルイン(個人のデスクの電話直通)とはいえ、最初はびっくりしました。
2009/03/31(火) 13:10:34 | URL | いちろう #-[ 編集]
Family nameは後です
はじめまして。
イギリスの5ツ星ホテルに勤めています。
現代ではイギリスでもFirst nameが先でFamily nameは後です。

イギリス人のお客様も殆どの国のお客様もそのようにおっしゃいます。ホテル側もそのようにうかがいます。
唯一年配の英国人のお客様が稀にFamily nameを先におっしゃいます。

007の表現は英国ではすでにオールドファッションであり初代から続くボンド同様の表現をされるのは年配の方々またはposhな方々です。
また英国~西洋圏のお客様の名前はおっしゃる発音でFirst nameかFamily nameかが判りますのでホテル側はどちらを先に伝えられても判るので問題がありません。
でも東洋からのお客様はFirst name-Family nameか判りにくいので英国人を真似てFamily nameを先におっしゃっても判断がしにくく、First nameと勘違いしてしまうこともあり結構トラブルになります。
ですから英国でもホテルやレストランではFirst nameが先です。

ビジネス会議とは異なりホテルやレストランでは外国(日本)からいらした方はカッコよさよりも正確さの方が求められます。

差し出がましいようですが、日本の観光の方が英国のホテルやレストランでボンドのようなイギリス人のオールドファッションの表現を真似してFamily nameをお伝えになることは大変こっけいです。業界に居るものとしてはトラブルの元になるのでお勧めしません。

私は在英15年ですがオフィシャルな場でも英語表現は常に変化しています。
英語の表現は生き物ですから日本の教科書表現やボンドなど映画の表現も、現代の社会的な使われ方としてどんどん変化しているのです。

007の名前の表現がけっして現代の英国のスタンダードというわけではありません。
クラス及び複雑な多国籍社会の英国に東洋の方々が観光でいらっしゃる場合、英国の正式な表現を無理をして真似なさらない方が本当に良いです。

英国人風な発音や英国的英語の表現はホテルでもレストランでも外国人に決して期待しません。それよりも英国人の話す言葉をしっかりとよく聞き取っていただき「わからない」とはっきり伝えていただくことの方が必要です。

仕事上つい長々と書いてしまいました。
日本人の方々の英語へのご興味や研究熱心さは世界の中でも稀ではないでしょうか。
これほど多くの成人の方々が英語習得に情熱を持っていらっしゃる社会は多国に無いと思います。

これからもまた拝見させていただきます。
2009/04/07(火) 05:09:10 | URL | tabs #-[ 編集]
Tabsさん
Tabsさん、今晩は。

> 007の表現は英国ではすでにオールドファッションであり初代から続くボンド同様の表現をされるのは年配の方々またはposhな方々です。


英国はアメリカに較べて、保守的な社会科と思っていましたが、どんどん変化しているのですね。この”Bond, James Bond."というくだりを聞いたのは、ショーンコネリーのその又初期の作品でした。それから年月もたっていますよね。変化もあるのでしょうね。

確かに、新しい価値感や英語表現を変えたのは、Beatlesでもあるわけですから、英国も保守的ばかりではないのでしょうね。

当方は、どういう訳か読んでいる本が、Conan Doyle(Homesもの)やAgatha Chrisrie(Poirotもの)ですので、英国的な表現をよく目にします。この頃は(19世紀末~20世紀初め)は、Family Nameで呼び合っています(小説では)が、現在とは又随分違う時代のようですね。

これからも訪問してください。長文コメントありがとうございます
2009/04/07(火) 13:14:59 | URL | いちろう #-[ 編集]
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