アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アラ還ランナーの異文化から学ぶ処世観----マイペースとマイコース
先日のハーフマラソン走破以来、マラソン練習が続いています。この年になると、ジョギングに毛の生えたくらいの負荷ですが、とはいっても30分(5.3km位)から40分(7km位)のトレーニングを週に2~3回続けています。

アラ環世代といわれている当方。これは結構しんどいトレーニングです。走った後の爽快感は何者にも変えがたいのですが、その過程では結構ハードなものです。

マラソンランナーは、哲学的な考えや処世観を持つようになるという事が言われています。苦しい練習を乗り切る過程でそういう考え方を身につけるのでしょうか。アスリートでもなんでもないアラ環世代のランナーにも同じことがいえます。日本のアラ環ランナーも皆同じではないでしょうか?

しかし、こちらアメリカに長くいると、その処世観もどこか日本のそれと違ってきます。日本の閉塞性からは少し離れた、個の社会の側面が現れてきます。即ち、日本のマイペースに対するアメリカのマイコースの考え方です。

マイペースとマイコース

日本ではマイペースということが言われています。苦しいマラソンを人生に見立て、それぞれのペースで行こうよ、というものです。人と同じにしなければならないという呪縛が、心の健康を損なうので自分のペースで行きなさい、という教えです。

しかし、日本では世間という存在やKYに代表される周囲からのプレッシャーで、どうしても周りが気になります。マイペースということは理解していても、スタート地点をスタートしてゴール地点まで何とか皆に遅れないように、と気持ちが焦ります。人生で言うとマイペースでというのは分かっていますが、人生のスタート、ゴールの周りとの進み遅れが気になり、その乖離に悩みが出てくるというものです。

一方アメリカでは、マイペースの上を行く感じがします。良く観察すると人々の考えは、人それぞれの走るコースが最初から違うとしている節があります。それぞれのコース、マイコースとも言うべき考えです。

同じ21kmのハーフマラソンの距離(人生)ではあるが、私は平坦コース、私は終盤に勾配があるコース、私は午後出発のコース、私は午前出発のコース、等です。よって、他人の事なぞ気にせずに、「私は最初はごくスローペースで走ります」という人や、「最初は歩いていきます」等様々です。

実際のハーフマラソンのレースでもスタート地点から既に歩いている人が沢山いました。又、スタート地点から延々とおしゃべりしながら歩いたり走ったりしているカップルもいました。又、コースの途中で立ち止まり、写真撮影をしている人たちもいました。

こういう人達は日本でも勿論いるでしょうが、こちらアメリカの方が圧倒的に多いようです。

一般社会でも

一般社会でも同じ事がいえます。以前のエントリーでも話題にしましたが、人生の節目節目でこのマイコースの考えが顔を出してきます。

1.小学校に通う年齢になった少年を持つ親御さん。その少年が落ち着きがなく、小学校へ通うにはまだ不十分だということで、さっさと一年遅らせてしまった事。

2.高校の成績が優秀で親も資金力はあるが、本人は車の板金が好きだということで、大学には行かず板金工になった高校生。

3.高校の開闢以来の秀才で誰もが有名な大学に行くと思っていた生徒。しかし本人は、好きな教授がいるからと地元の小さな定評のある大学に行った事。

4.そもそも、学校を卒業後の定期採用システムというものがこちらにはない事。新卒学生でも、企業側の不定期の求人に合わせて、応募して仕事を得る事。

5.おなじく定年制度もなく、各人の生涯プランに合わせて働いている事。

等々です。

これは卵が先か(マイコースの考えの人が多いから、こういう社会制度になる)、鶏が先か(こういう社会制度だから、マイコースの処世観がはびこる)分かりませんが、このマイコースの考え方は、こちらの処世観の主流を占めています。



そういえば、息子の高校生の頃の陸上競技会のことを思い出しました。息子は中距離が得意で学校のクラブに入っていました。ある日大会があるというので応援に行くと、学校の広大な芝生を利用したクロスカントリー風中距離走でした。

もちろん広大なアメリカの高校。400Mトラックの立派なコースはあります。しかし、どう云う訳かこちらでは学校ごとにコースの違う(距離はあわせているかもしれませんが)クロスカントリー風の競技が好まれています。これもマイコースの考え方が表われているのでしょうか。





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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
アラ環世代の方々と往復12マイルの山登りをしてきたところですので、体力差も経験も人それぞれ・マイペースとマイコースのお話がとってもピンッ!と来ました(グループ行動とはいっても、どこかで落ち合うだけ、みたいな好き勝手に気軽に楽しむというか…)。

私も表現オタク派ではありませんが、I’ve got to, you've got to については、どこに行っても耳にしますから若いうちに知っておく方が良いなあと思います!←最初ワケがわからなくて困惑した期間が長かったので…
2009/07/17(金) 13:59:46 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、コメントありがとうございます。

> アラ環世代の方々と往復12マイルの山登りをしてきたところですので、体力差も経験も人それぞれ・マイペースとマイコースのお話がとってもピンッ!と来ました(グループ行動とはいっても、どこかで落ち合うだけ、みたいな好き勝手に気軽に楽しむというか…)。

まず、こういうグループで何かをするということがこちらではまれですよね。我々の社会では会社のゴルフコンペなどがありますが、こちらアメリカ社会ではあまり遭遇しません。会社でゴルフにアメリカ人を誘っても、”I don't think I attend it."で終わってしまいます。日本の様に「申し訳ありませんが不参加にさせてください...」という雰囲気では全くありませんね。

よしんばこういうものがあったにしても、ご指摘の通り、めいめいのペースでやっていますよね。マイペースというよりマイコースですね。

2009/07/18(土) 13:34:38 | URL | いちろう #-[ 編集]
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