アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
やがて哀しき大分弁-----少数言語、大分弁の絶滅の危機
7月の終わりからわが母校の学生二人が、当方の家にホームステイをしました。同じ大分県人の後輩にもなります。二人はなかなか優秀でしっかりしており、受け答えも大人びていますが、随所に大分弁が出てきました。

ホームステイのある日の事でした。会社からの帰りに(インターンシップも実施)、車のラジオから聞こえてくる番組の説明を当方がしました。少しユーモアのある番組で、番組のパーソナリティが番組参加者を揶揄している場面となりました。これを、当方が、

「これはね、一人の人がもう一人の人を“せがって(大分弁。標準語でからかう事)”いる所だよ」

と言った所、「???“せがう“って何ですか?」と聞き返されました。この質問に逆に当方がびっくり。我々の世代ではごく普通の大分弁の”せがう“を知らないとは!

そこで、ホームステイのホストの権限で、学生に大分弁のテストをしたところ、なんと4割くらいしか分かりませんでした。

(尚、本エントリーは、くだんの学生自体を責めているものでも、非難しているものでもありません)

大分弁のテスト結果

早速家に帰って、一対一の面談形式による大分弁のテストです。当方が以下の大分弁を読み上げながら、知っているものは○、知らないものは×をつけていきました。

どうくる(ふざける)×
せがう(からかう)×
よぐうじょる(曲がっている)×
口もがい(口ごたえ)×
よだきい(いやだ、気が進まない)○

しらしんけん(真剣)○
ああ、あれじゃ(落胆、非難の意)×
ぎゃーぎゃー言う(いろいろ言う)○
わが(貴方)×
せちぃ(いやだ)×

むがむと(むちゃくちゃ)×
あっちあられん(ありえない)×
あんべえ(按配)○
いちごんもねえ(かける言葉がない)○
いっすんずり(遅いの意)×

いびしい(汚い、かわいそう)×
えーらしい(かいいい)×
えもしれん(なんとも言えない)×
おじい(恐ろしい)○
おろいい(古い、悪い)×

かちくらわす(なぐる)○
がな(やるだけの事)×
きちくりい(来てください)○
ぎゅうらしい(にぎやか)×
くされ(くさす事)○

こしきい(ずるい)×
しちくじい(くどい)×
しゃあしい(うるさい)×
ずつねえ(しょうがない)×
すもつくれん(しょうもない)○

せからしい(うるさい、くどい)○
ぞろびく(引きずっていくさま)×
たいらく(能天気)○
たえねえ(我慢ができないさま)×
ちちまわす(ぶんなぐる)○

できしこ(できただけ)○
どんこんならん(どうにもこうにもならない)○
泣こうごとある(泣きたい気持ちである)×
ひろひろ(落ち着かないさま)×
めんどおしい(めんどくさい)○

やっしゃきる(大声を上げる)×

得点結果は、41問中16問正解の39%の正解率でした。

当方は、女房も同郷で且つ大分を離れて35年くらいなりますので、大分弁は純粋培養的に維持されてきたのかもしれません。時々女房と、「くちもがいするな!」、「この家具はよぐうじょるぞ」等会話を交わしていますので、大分にいる同世代の方々よりはかえってディープな大分弁が維持できているのでしょう。

それにしても、二人の学生と当方は約40歳の年齢差がありますが、わずか半世紀足らずの間にここまで、大分弁がすたれていようとは思いもしませんでした。




日本のメディア等の力による、標準語化の波は大きなものがあると感じました。グローバルレベルでいうと少数言語は絶滅の危機にありますが、日本国内でみると方言という少数言語も絶滅の危機にあるのでしょうか。




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コメント
この記事へのコメント
大分弁と英語の標準語化
大分弁が失われてゆく・・・。仕方のないことかも知れませんね。

江戸のべらんめえ、にしても、私の祖父は「なに言ってんだい!」と活きがよかったけど、父親にはまだその影響は強かったものの、すでに、べらんめい、ではありませんでした。で、私はべらんめいモドキを喋ることはできますが、失われたものも多い。

さて、
英語の話しです。

英語も世界語として標準語化してゆくでしょう。アメリカ英語の影響は大きくとも、決してアメリカ英語ではない英語です。

それにアメリカン・スラングは使われず、私の嫌いな巻き舌もだんだん消えていくでしょうし。(^o^)

そのうち、「B」と「V」、「S」と「TH」の区別がなくなる日がくると思います。(でも、英語の母音は減るんだろうか)
2009/08/16(日) 21:16:58 | URL | YYT #NLJharc2[ 編集]
いちろうさん、お久しぶりです。
私も大分出身として、テストしてみましたが、60%くらいでした。
これは多分、大分県でも地域によって又少し違うこともありそうです。私も「せがう」は知りません。
多分、いちろうさんは山の奥で生まれたんでしょうね・・・・。
2009/08/17(月) 01:05:17 | URL | 英さん #-[ 編集]
Re: 大分弁と英語の標準語化
YYTさん、コメントありがとうございます。


> 江戸のべらんめえ、にしても、私の祖父は「なに言ってんだい!」と活きがよかったけど、父親にはまだその影響は強かったものの、すでに、べらんめい、ではありませんでした。で、私はべらんめいモドキを喋ることはできますが、失われたものも多い。
>
> 英語も世界語として標準語化してゆくでしょう。アメリカ英語の影響は大きくとも、決してアメリカ英語ではない英語です。


江戸弁は、日本の中心ですし使用人口も多く、落語等で伝承されているので安泰かと思いましたが、同じ運命なのですね。初めて知りました。

アメリカでも、英語はいわゆる非ネイティブの英語が勢力を伸ばしているようですね。ヒスパニック系、インド系、中東系、様々な英語がこちらでも多くなってきています。いわゆる”標準化”していくのでしょうね。




2009/08/17(月) 13:04:46 | URL | いちろう #-[ 編集]
Re: タイトルなし
英さん、ご無沙汰です。

> 私も大分出身として、テストしてみましたが、60%くらいでした。
> これは多分、大分県でも地域によって又少し違うこともありそうです。私も「せがう」は知りません。
> 多分、いちろうさんは山の奥で生まれたんでしょうね・・・・。

なんと、英さんが60%の出来とは!!!「せがう」もちゃんと大分弁辞典に載っていますよ。当方は大野郡の生まれですから(心ある人はこれを九州の地政学的中心部という)英さんの所と少し違うのかな?

しかし、”遠く離れての純粋培養”的にキープされているのはありますね。アメリカにいて、日本語が飛び交うのが日本にいるよりは少なくなっていますので、女房と交わす言葉もかなりの頻度でディープな大分弁が出てきますね。

コメントありがとうございました。
2009/08/17(月) 13:11:27 | URL | いちろう #-[ 編集]
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