アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「お客様第一」と”Our pledge is to meet or exceed customer’s requirements.”-----ハイコンテクストの日本語で首を絞められる日本社会と、ローコンテクストの英語でおおらかなアメリカ社会
前回、ハイコンテクスト、ローコンテクストの違いが、英語の切り出しに差が出てくる旨エントリーしました。即ち、あいまいな表現を好む、多く話さない傾向のあるハイコンテクストな日本語での思考慣習が、その逆のローコンテクストな英語を切り出す時に障害になるというものでした。

この両者の考えの違いは、勿論社会の各方面に影響を及ぼしています。日本の閉塞ビジネス社会とアメリカのどこかおおらかなビジネス社会も、一部要因はこれから来ています。

今回は、ビジネスのグローバルな価値観となっているカスタマーサティスファクションについて、これを考察をしてみます。

「お客様第一」と”Our pledge is to meet or exceed customer’s requirements.”

これは、もともとはアメリカで生まれたビジネス用語のようですが、その展開は両国で違うものになってきています。

日本では、そのこだわり文化の故か「お客様第一」という言葉が一人歩きをして、過剰なサービス品質を要求し閉塞社会の一要因になっているようです。即ち、過剰品質サービス対応によるコスト増大、残業時間の増大、はたまた“お客様は神様です”を逆手にとってモンスター顧客が増長し、それによってストレスフルな社会になっています。

それに引き換え、アメリカでは同じポリシーのビジネス社会ですが、様子が違ってきています。

アメリカでは、デパート等の購入商品のクレーム交換制度は、日本人から見るとびっくりするものがあります。一旦商品を購入しても、不具合があれば、否気に入らなければ、所定期日以内であれば無料で交換してくれます(よく当方の家では「ゴメンゴメン、これ不要だった」という事で返品しています。ゴメン)。又、ネット等で不具合対応システムがあり、所定の条件に従いクレームを受付けて対応(返金、商品交換)してくれます。

そんなアメリカですが、メンタル面では日本の及びもつきません。商品の不具合は会社の不手際。ワタシが謝る事はありません。システムに従ってクレーム対応していくだけです、と言わんばかりのおおらかさです。

これは以前エントリーした“「個」の確立した世界アメリカ“論で説明がつきますが、英語のローコンテクストがなせる業である事も由来するようです。

本日、工場を歩いていると、“Customer satisfaction”の文字が目に入りました。当方の会社もこれをポリシーにしており、それを工場に掲げています。それに副題がついています。

”Our pledge is to meet or exceed customer’s requirements.”

これを直訳すると、「我々の誓約は、顧客の要求に合致若しくは要求を超える事です」となります。このように主語述語を省略せずに表現をする事をローコンテクストというわけですが、こうした表現にすると胸のつかえがおりるというか、モヤモヤが吹き払われる感じがだんだんしてきます。もう少しローコンテクスト化、即ち分かりやすくすると、

「我々の誓約は、顧客の要求~これは売買契約もしくは慣習に基づくわけですが~この要求に合致若しくは要求を超える事です。この基準に基づかない要求、即ち某国で言うモンスター顧客的な要求の場合は、この誓約は効力を発揮しません」

と言っているかのようですね。暗示部分があると、ローコンテクストとは言わないのかもしれませんが、アメリカの“気分”はまさにこれです。主語と述語、目的語等で内容を細かく規定します。日本語の「お客様第一」という、主語と述語、目的語があいまいな故にエスカレートしていって、過剰過大な解釈になるという事がありません。

このはっきりする、明示するというローコンテクストな英語表現により、「書いている内容以上でも以下でもない誓約ですよ」と言っており、いわゆる歯止めの利いた成熟した人間関係を形作る社会となっています。アメリカがこの方面で閉塞社会だと言われていない要因は、こういうところにもありそうです。



以下は、当方(アメリカ)の会社で実際耳にしたお客さんとの電話内容です(いちろう日本語訳)。

当方出荷担当(アメリカ人)----(もしもし、XXX, Inc.です。)
客先----------------------(もしもし、本日納入品ですが、数量が足りないんだけど...)
当方出荷担当(アメリカ人)----(それは本当ですか?それはおかしいですね。それは当会社が出荷したものですか?貴方の受け入れ部門は大丈夫ですか?一回調べていただけませんか?)
客先----------------------(わかりました。調べて再度連絡します。)


当方の出荷担当も、お客さんに失礼な事を聞くものですが、英語で質問するときちんと確認するという感じになり、失礼でも何でもありません。それにしてもなんともおおらかなお客さんとの関係です。最後は、当方会社担当(アメリカ人)は「ガッチャ(”I’ve goccha.= I have got it.=分かりました)」と言ってガチャッと電話を切りましたとさ....





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