アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「その件は、前向きに検討させてください」-----英訳に一工夫いるハイコンテクストな日本語集
先日、こちらで日本から来た方の通訳をしました。その時に英語と日本語のコンテクストの違い、という意味で考えさせられた言葉がありました。日本から来た方は、「来年もアメリカに来てください」という誘いに対して、次のように答えました。

「その件は、前向きに検討させてください」

この言葉は日本語の会話の常套句です。政治家の答弁に始まり一般人もよく使います。あるときは肯定に、あるときは否定にも使えると言う、間接的表現のハイコンテクスト満載な代表的な句です。

これを、ローコンテクストないしはテクスト言語の英語に訳するのには一工夫いります。辞書で引くと、この場合に近い言葉は”Consider”がありますが、少し補足がいります。

“I will doublecheck my schedule for next year. If every thing is OK including the expense budget, I would consider to come here.”

と、いったところでしょうか。直訳すると、

「私は私の来年のスケジュールを再チェックします。もし、旅費予算含めて全てOKであれば、こちらに来ることを検討します」

こちらは、直接的表現のローコンテクスト若しくはテクスト的な表現満載です。英語をスムースに切り出すには、この特徴を考慮した変換が必要なようです。他の例も挙げて、それをみてみましょう。

「都合はどうかね」

ウェットでハイコンテクスト社会の日本。誘い誘われの言葉にも一工夫があり、英語変換の時に”....”と詰まる事があります。英訳と日本語の直訳を並べます。

「昼食に行くが、都合はどうかね」
“Would you like to go lunch with me?”
「貴方は私と一緒に昼食に行きたいですか?」

「遠慮させていただきます」
“I don't think I can do it.”
「私は昼食に行くことが出来るとは思いません」

「考えさせてください」
“Let me think about it. Probably I'm not available.”
「それを考慮させてください。多分行けないです」

「お任せします」
“Great pleasure! I will go with you.”
「いいですね。私は行きます」

「都合はどうかね」ですが、英語では大抵「行きたいか?行きたくないか?」直接聞いてきます。その答えも日本語直訳にすると日本社会では波風が立つような表現となりますが、こちらでは普通です。「考えさせてください」も、英語にすると、“Let me think about it. Probably I'm not available.”と大抵結論まで言います。

「勘案して」

「お任せ」のないアメリカ社会では、文化の違いもも相まって英語変換に困る、対訳だけしてもなかなか伝わらない表現があります。日本語に比べ、細々した言い方になります。よくビジネス現場で遭遇する言葉です。

「数量と出荷時期を勘案して生産してください」
“Please run machines by seeing the priority of production quantity and shipping timing. You need to run this first and .....”
「生産数量と出荷時期の優先順位を見ながら生産してください。一番目にこれを生産し....」

「新ビジネスの件、なんとかお取り計らい願います」
“I would like to strongly recommend our products. Please forward the information to your team.”
「私は我々の製品を強く推薦します。この情報をあなたのチームに送付してください」

日本語のジョーク集に、「いっちゃん、お風呂見てきて~」、「はーい、見て来たよ」、「お湯加減どうだった?」、「知らない。見ただけだもん」というのがありますが、こちらローコンテクスト言語社会では、細々言わないと同じ事態になります。

「議論する」

これも対訳だけでは、アメリカ人の理解が得られない句です。”Discussion”という訳がありますが、こちらではただのDiscussionだけでは”なにそれ?”ということになります。具体的にどういう議論か噛み砕く必要があります。

「ちょっとあの件、議論したいのだがね」
“Let us have a meeting and I would like to capture information as of today for the project.”
「あのプロジェクトの件について、ミーティングを開きましょう。私は、今日時点の情報を得たいのですが」



日本も政権が変わり、各大臣も若い意欲的な人になったようですね。今までの旧態依然とした英語に訳すのが難しい、「その件につきましては前向きに検討します」という大臣用語から、ローコンテクストな英語に訳しやすい具体策を聞きたいものですね。



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