アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの大学スポーツ不祥事にみる謝罪観----ルール至上主義のアメリカと世間至上主義の日本
アメリカは、大学スポーツの盛んな所です。現在フットボールがシーズン中盤。やがてバスケットボールが始まります。その注目度でいうと、日本の高校野球以上でしょうか。チームや選手の動向は常にニュースになって報じられます。

先日、わが地元のルイビル大学のバスケットボールの選手が学校のパーティで騒ぎ、警察に逮捕されるという事件がありました。「反省しないアメリカ人」というタイトルの本がありましたが、こちらでは学校側の対応はまさにそのアメリカらしい対応でした。

バスケットボールの監督のコメントは以下の通りで、勿論謝罪はありません。

“We are aware of the issue. We will handle it internally.(我々はこの問題に注意を払います。これは内部的に処理します)”

ルール至上主義のアメリカ

世界各地から様々な価値感、文化を持った人々がやってきているアメリカ社会では、人々のよりどころは法律やそれぞれの組織のルールのみです。日本のような世間という実態不明の価値観はありません。

今回の事件。こちらでは学校側のコメントは上記のようなものでした。数日後に選手の処分が決まりProbation(保護観察期間)という事で、試合にも出れる様になりました。これは大学スポーツ連盟の規約に則って行われた処分のようです。

世間が騒ごうが非難がこようが(アメリカの場合、ルール至上主義なので、あまり非難は来ませんが)あくまでルールに則って処理しようという姿勢があります。しかもそのルールは、人間は間違いを犯す存在だという罪業観が社会にあるのか、その救済の考えも併せ持っているようです。

世間至上主義の日本

日本の場合ですと、同様な問題で学校側は「世間をお騒がせしました」という事で謝罪し、選手は退部や退学になるのでしょう。これに関してルールが定まっていない場合でも、世間の状況を鑑み自主的に処分するでしょう。

この世間至上主義という歯止めのない制度が、日本の社会を窮屈にしているのは否めないでしょう。いわゆる閉塞社会です。学校運動部の不祥事の時の過剰なまでの対応。企業不祥事の時のマスコミによる総バッシング。有名人の不祥事の時の過剰なまでの謝罪(芸能人の不祥事の時に所属事務所までが謝罪をするのはどうしてでしょうね)。この世間至上主義の考えを笠に着たモンスター顧客の増長。

日本の自殺率はアメリカの約二倍だそうですが、いろんな死生観の違いがあるにしても、やはりこの窮屈な世間至上主義が影響していると思います。ここは一つ日本もいろんな価値観を持った人の集まった社会であり、世間という実態不明の価値観を捨ててルール至上主義で行くべきではないでしょうか。


日本のある高校野球のチームの部員が、下級生に暴力を振るいました。その時に学校の校長が記者会見で、「我々はこの問題に注意を払います。これは内部的に処理します」と述べて、社会がそれを容認する時代が来てもらいたいものです。




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コメント
この記事へのコメント
同感です。価値観が多様化してくればくるこそ、ルール至上主義の恩恵の方が増えるように思います。
世間に責められたくない、保身、そういう方向ばかりにエネルギーが行ってしまうのはとてももったいない、と。
報道をする側にも、失敗した人を責め立てる一辺倒ではなく、生きている限りやり直しはできる、という方向へ焦点を当てて欲しいといつも思ってしまいます。
2009/11/01(日) 06:51:33 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん こんにちは。


> 世間に責められたくない、保身、そういう方向ばかりにエネルギーが行ってしまうのはとてももったいない、と。
> 報道をする側にも、失敗した人を責め立てる一辺倒ではなく、生きている限りやり直しはできる、という方向へ焦点を当てて欲しいといつも思ってしまいます。


日本の自殺者は、(率で)アメリカの倍なんだそうです。毎年2~3万人。その中でこの”世間に責められたくない”ということが動機の人も沢山いるでしょうね。

エントリーには書き漏らしましたが、くだんのバスケットボール部の監督も少し前までは、女性問題でこちらを騒がせました。それもお金が絡んだりでやや倫理観にかける所があったようですが、最終的には続投となりました。大学も調査委員会を設けて調査をしたようですが、ルールでは辞めさせるわけにはいかないので、続投となったようです。

日本では考えられない決着方法ですね。
2009/11/02(月) 02:09:24 | URL | いちろう #-[ 編集]
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