アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
Toyotaのリコール問題に見るブランドの考え方----“世間社会”ではないアメリカの実質的ブランド力
全世界でトヨタ自動車が、リコール問題で大変な事になっています。アメリカでも大変です。というか、アメリカが問題の発生地ですが。

こちらでも、連日地方レベルのニュース(実はこちらでは、全国統一レベルのニュースというのはあまりありませんが)で関連ニュースを報道しています。本当かどうか、中にはToyotaの車がクリークに飛び込んだ映像が写され、これはアクセル(こちらではFuel Pedalと言っていました)が戻らず、急加速で起こった問題だという運転者のインタビューも出ていました。

さすがのToyotaも、ブランドが棄損されかねず正念場ではあります。このブランド。現在マーケティング学で、先進工業国では同じ定義をされていると思いますが、その受け止め方は、当事国の文化の違いにより様々です。

本日は、その日本とアメリカの違いを見て行きましょう。

日本の権威的ブランド信仰

日本でも一夜にしてブランド力が失墜した例は、雪印や料亭の不祥事で幾らでもありますが、それでも“世間社会”日本。世間が支持している限りは何とか支持されるようです。「あのトヨタの事だから、何とかうまくやるでしょう。温かい目で見ましょう」だとか、「トヨタの車は何年も乗っているので、又乗りたい」とかです。又、戦後のトヨタの倒産寸前から建て直し、トヨタウェイを確立して世界的企業になったというサクセスストーリーに思いを馳せ、その信奉者となった人もいるでしょう。

日本では、多少権威主義的なところがあるのでしょうか。黄門様のご印籠にひれ伏す心持が理解できる国民性なのでしょうか。

欧米信仰というのもありますね。車で言うと、ベンツやBMWを持つ事はステイタスを発揮してくれる良い例です。又、グッチやルイビトンをひけらかすブランド信仰なるものもあります。ブランド信仰というか、ブランド畏怖ともいうべきものですね。

実質的なアメリカのブランド力

ひるがえって、こちらアメリカでは、日本ほど権威的ブランド畏怖というものがありません(これからの話は統計学的に聞いて下さい)。

車の世界で言うと、ベンツやBMWは高くてよさそうな車ですが、日本ほどそれを持つ事へのステイタスを感じる人は多くありません。「俺はピックアップトラックが好きだ」とか、「安くて燃費の良い車がクールだ」とかです。街を走っているベンツやBMW(これが少ない!)を見ても、S社(日本の親会社はF重工業)の様なニッチな車が走っているな、という感じです。

逆に、日本では決して起こりえない現象が起こっています。ヒュンダイやキーア社等、韓国車の伸長です。日本では、韓流ドラマは世間の支持を得て人気になったようですが、車のほうは世間の認知を受けていないのか、なかなか日本市場の牙城を崩せず、とうとう撤退したように聞きました。アメリカは安くて良いものは良いというところでしょうか。韓国車が急激にシェアを伸ばしています。

Toyotaの例で言うと、アメリカにおけるそのブランド力は、その価格と品質で培われてきました。過去Toyotaが伸長してきたのは、丁度現在の韓国車が伸長しているのと同じで安くて(最近では“適正な値段か。あまり安くはなくなりました)品質の良いことで、販売台数を伸ばしてきたのでしょう。

日本程「あのToyotaだから大丈夫だろう」とか、「Toyotaには何年も乗っているから」とか、サクセスストーリーに思いを馳せファンになった人はいません。実に実質的なブランドに対する考え方です。



車の品質(安全性)が問われている現在、Toyotaはしっかり対応しないとブランド力は一気に下落していくでしょう。“世間社会“の無いアメリカでは。









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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
頑張れ、TOYOTA!
いちろうさん、こんにちは

ブランドに対する姿勢も日米で違いが見られるのですね。

TOYOTAはこの難局を乗り切れるのでしょうか。
アメリカのメディアがここぞとばかりに、必要以上にたたいているような気がします。
事故車の映像が繰り返し放映されると、マイナスイメージを払拭するのは大変そうです。

今回TOYOTAが新型プリウスのリコールを決断する前のニュース番組で、
アメリカの町で道行く人たちに街頭インタビューしていたのですが、
「それでも燃費はいいし、TOYOTA車の信頼はゆるがない。」という概ね好意的な回答でした。
そういう回答だけを取り上げたのかもしれませんが。
2010/02/08(月) 17:15:37 | URL | Nemo #6jn2IUrI[ 編集]
コメントありがとうございます。
いちろうさん、こんにちは。
コメントを頂きありがとうございます。
ブログをはじめて2日にして、コメントを頂けたのは嬉しいです。

ヒュンダイの強さは、決断の速さにあると思います。アメリカで今行っている一連の販売キャンペーン(失業した場合にお金が戻ってくる)も、機を捉えた決断の速さの現れだと思います。
そして、これがアメリカ人の心をつかんだのでしょう。

私が専門の自動車用パワートレインを見ても、仕事で製品ラインナップを調査しましたが、こんなものまで作っていたのか・・と驚嘆するばかり。これも決断の早さに起因しているものと思います。

しばらくは、ヒュンダイは注目の的だと思います。
ソニーがサムソンやLG相手に苦戦していますが、今度は自動車で同じ現象が起こるような気がします。

最後になりましが、もし宜しければ、私のブログと相互リンクを張らせていただけないでしょうか?
2010/02/09(火) 02:19:05 | URL | P-taro #-[ 編集]
Re: 頑張れ、TOYOTA!
Nemoさん、こんにちは。

> ブランドに対する姿勢も日米で違いが見られるのですね。
>
> 今回TOYOTAが新型プリウスのリコールを決断する前のニュース番組で、
> アメリカの町で道行く人たちに街頭インタビューしていたのですが、
> 「それでも燃費はいいし、TOYOTA車の信頼はゆるがない。」という概ね好意的な回答でした。
> そういう回答だけを取り上げたのかもしれませんが。

確かにまだToyotaの評価というものは高いものがありますが、基本的にはアメリカは良いものは良い、悪いものは悪いというのに尽きるようです。Motor Showあたりを見ても、韓国車の攻勢は凄いようですね。それが一般の人にも敏感に反応しているようです。


2010/02/09(火) 13:29:25 | URL | いちろう #-[ 編集]
Re: コメントありがとうございます。
P-Taroさん、コメント有難うございます。


> ヒュンダイの強さは、決断の速さにあると思います。アメリカで今行っている一連の販売キャンペーン(失業した場合にお金が戻ってくる)も、機を捉えた決断の速さの現れだと思います。

> そして、これがアメリカ人の心をつかんだのでしょう。
> 最後になりましが、もし宜しければ、私のブログと相互リンクを張らせていただけないでしょうか?

家電でもこちらでは、韓国製(サムソンやLG等)が攻勢をかけていますね。車もブランドさえなければ日本車と見まがうばかり、出来のよい車が出てきています。笑い話で、”韓国車のブランドを取れば売れるのに”というのがありましたが、それも過去のものになりそうですね。

リンクの件OKです。こちらも貼らせていただきます。


2010/02/09(火) 13:38:23 | URL | いちろう #-[ 編集]
ビーマーなど
はじめまして。
最近中西部でも、大きい街ではLVブランドのバッグをもっている女性をしばしばみかけるようになり驚いています。
80年代のサンフランシスコ ベイエリアの富裕層の白人たちにはヨーロッパブランド品は愛好されていました。シカゴよりうんと短い通りですが、SFにはブランド店がぎっしり軒を並べています。
同様に80年代、90年代のヤッピーにとってビーマー以外は車ではない感じでした。Audiでは肩身がせまい、と言って知人の女医はBMWに乗り換えたほど。当時少し年配者はメルセデスが相場でした。まだLexusはない時代。今はLexus、Infinity, AcuraをBMWよりよく見かけるほど。
北加の都会SF周辺でピックアップに乗っているのは仕事で必要な人たちです。ヨーロッパの高級ブランドはロールスロイスとベントレー以外、フリーウエイでもSF市内でもたくさん見かけます。
中西部はUSの平均と表現され、中西部の米人はカリフォルニアはアメリカじゃない、と言いますが、東部と西海岸の都会には中西部とは全く違ったUSの価値観や生活様式があり、ブランド感覚もそうした違いの一つかな、と思います。
2010/02/22(月) 17:37:41 | URL | うらら #-[ 編集]
Re: ビーマーなど
うららさん、コメント有難うございます。

そうですね。アメリカは広大なのでどこをアメリカというのか難しいですね。アメリカでもブランド信仰はあるようですね。

ただし、本文に但し書きしたように、これは統計的にみた話で平均をすると日本程ブランド信仰は無いのではないでしょうか。車ではヒュンダイのシェアや小売ではウォールマートの売り上げの多さが、これを表しているように思います。少なくとも当方の周り(中西部)ではそんな感じです。
2010/02/23(火) 21:50:41 | URL | いちろう #-[ 編集]
いちろう様。お返事ありがとうござます。
確かに米人は合理的。盲目的なブランド信仰ではなくて、造りが良いとか、軽くて丈夫、デザインが斬新他、高い値段をジャスティファイできる商品は認めますよね。だからこそSonyやLexusが人気になった。
最近のヒュンダイ人気は、お買い得感があるのと、日本車はすでに一部の所得層には高すぎるから。自分の職場で作っていても高くて買えない、と言ってキアやヒュンダイに乗っている米人たちに、私のニッチなSブランドはうらやましがられています。
あとUSは両コーストの都会と、田舎の格差が大きい国ですよね。なんせ広い国土ですから。
貧富格差もひどく、ますます差が拡大中。ウオールマートはそれに一役買っていると思うのは、私がSF地方で培ったリベラルだから?Mom and Pop storesはウオールマート進出で閉店、低賃金でウオールマートに雇われてウオールマート以外のお店では買い物できくなる、という悪循環。
一方で高級品店に集まる客層は不況知らず。でもサックスが以前より買いやすい値段の商品をそろえると発表しているので、USの不況は深刻ですね。
2010/02/26(金) 14:44:25 | URL | うらら #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うららさん、こんにちは。

当方はブランドに興味が無いので、こちらの生活はぴったりハマっていますね。もう数年背広を着ていないですし、車は実用的なSUVですし...周りのアメリカ人を見るとそんな感じなので、感化されたのでしょうかね。

ブランド志向と関係があるのかもしれませんが、こちら(中西部)の女性はスッピンで化粧をまったくしていない(人が多い)ですね。キリスト教的禁欲主義が影響しているのでしょうか?

コメントありがとうございました。
2010/02/27(土) 13:41:41 | URL | いちろう #-[ 編集]
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