アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「ブロークン英会話教室」のススメ----文法を超越した“Good bye, radio!”
今年の初めに、日本に帰ったときのことです。母校(大分高専)での講演会の、その後の懇談会のことでした。そこで、現役の英語の先生のA先生と、親しくお話をさせて頂く機会を得ました。そのA先生も、学生の英語への取り組み向上には苦労されており、いろいろ工夫をされているとの事。

そこでの苦労話で、まさ「ブロークン英会話教室」を地で行くような話しを紹介します。

隣の部屋のラジオの大音響には“Good bye, radio!”

学生に、何とか英語への抵抗感を取り払ってもらおうと、日頃の啓発活動を行っているA先生。ある日学生に、こんな実話を話した事を、聞かせてくれました。

『ある日、ある人が外国(英語圏)に旅行しました。泊まったホテルで静かな夜を過ごしていたら、隣の部屋から、大音響のラジオの音楽が流れてきました。せっかくの楽しい旅行が台無しです。

その人は、なんとかラジオの音量を小さくするように、言いたかったのですが、咄嗟に英語でなんと言ってよいか頭に思い浮かばず、イライラしていましたが、深夜を過ぎてもその音楽は収まりません。

なんて言おうか散々迷ったあげく、勇躍、隣の部屋に乗り込み、

“Good bye, radio!”

と言ったら、相手は予想外におとなしく、”I’m sorry.”と言ってラジオを切ってくれました。だから君たち(学生)も英語は文法や単語だけではなく、臆せずに話す勇気を持たなければ駄目だよ。』

これは、英語現場にいるものが見ても、また、「ブロークン英会話教室」を推奨する者からしても、現在の日本の英語教育の弱点をよく理解された、すばらしい教訓だと思います。

英語には、“設問があり、その解を授業で習ったところを記憶に頼り、設問の趣旨に沿って引き出し、記述する“というのが、大方の日本の英語学習者に求められているものでしょう。

このケースも、「“依頼、命令文”のケースで処理をして....。丁寧文はCould you …?か、Would you …?...。ラジオを消すは、Turn offを使って...」と思いをめぐらせれば、英語学習者に求められている解でしょう。

しかし、教室で習う英語、しかも大して会話体で練習もしていない学生には、咄嗟には出てこない英語でしょう。これに拘って、英語がフリーズするよりも、思い浮かんだフレーズ、この場合は“Good bye, radio!”を、正しかろうがどうだろうがまず発してみよ、というのがこの教えです。

英語現場でも

この挿話の方法は、英語現場でも良く使う方法です。このケースの、“Good bye, radio!”も、全くトンチンカン(死語か?)なフレーズではありません。これは一種のSarcasm(皮肉、当てこすり)で、こちらアメリカのユーモアの原典になるものです。

当方もよく、製造現場で品質不良品が出た場合に、”Thank you for creating extra sorting jobs.(余分な不良選別作業を作っていただき有難うございます)”と、やや皮肉気味に言います。”You have made defect parts!”と直接言うよりも、空気を和らげる且つ、ユーモアにあふれた言い方になります。

このあたりの、Sarcasm(皮肉、当てこすり)からくる、アメリカのユーモアセンスにあふれた話の一例は、過去のエントリー、“ジョン.ケリー上院議員「勉強をしないとイラクへ...」失言事件にみるアメリカ流反応と謝罪の仕方―――ルール規範主義国家アメリカのどこか違う反応と対応”にも掲載しています。

この“Good bye, radio!”のケースも、学校で習ったからといって、やや丁寧さを欠き、直接”Turn off the radio!”と言うと、いかにも怒鳴り込んだ、という雰囲気になり険悪な雰囲気になりかねません。

これを考えると、“Good bye, radio!”というフレーズは、英語現場から見ても、まことに良く出来たフレーズです。


言語の教育、特に日本人にとっては英語の教育は、その上達に時間がかかり、なかなか上達度合というのが手に取るようには分かりません。よって、A先生の方法も目に見えた効果が出るのは、まだ先になるでしょうが、英語現場(アメリカ)から見ても秀逸な教えだと思います。是非この、教えを広めてもらいたいものだと思います。








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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
Leg Wrist
お邪魔します。

ニュージーランドに留学して間もないころ、足首が分からず、Leg Wristでカバーしました(汗)。

なんてない言葉なんですが、とっさに出てこなかったですね。

実は、今回、私がドライブスルーでした会話を収録して、
ブログにアップしました。

こちらです。

http://www.hiroimafuji.com/cat52/cat74/post-475.php

こういった英語もあるんだよということで(`∀´)
読者さんに紹介していただければ幸いです。

お役に立てればうれしいです。

ひろ
2010/04/21(水) 14:53:29 | URL | ひろ #JalddpaA[ 編集]
Re: Leg Wrist
ひろさん、コメントありがとうございます。

> ニュージーランドに留学して間もないころ、足首が分からず、Leg Wristでカバーしました(汗)。

とっさに出ない単語を、テキトーに言うというのは良くありますね。当方は、よくThis oneやThat oneを使います。場所では、Over thereやOver hereですね。ところが、これはネイティブの人も良く使っていますよね。

日本人のほうが、”四角四面”に考えすぎるのでしょうかね。
2010/04/22(木) 13:13:49 | URL | いちろう #-[ 編集]
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