アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
ビジネス現場の“姿さやけき”異文化コミュニケーション----プロジェクト進捗の評価の違い
グローバルなビジネス現場で、“姿さやけし”といかない事例は、いろいろとあります前回のエントリーで取り上げた、“プレゼンや論文の○、×記号”の、表現方法のみならず、その○、×判定の基礎になる、進捗や良否の評価でも、文化の違いがあり、何かもやもやとしてきます。

即ち、アメリカ人---英語圏人---がOKと判定しても、日本人から見ると、○にはならずに、フラストレーションが溜まるケースです。



アメリカ日系企業での“姿さやけし“といかない事例

日系企業の赴任者が、アメリカで管理監督業務をし始めて、フラストレーションが溜まるのが、この進捗や良否の評価です。以下は、日本からアメリカ子会社に赴任して来た、山田社長と、エンジニアーのJohnの会話です。

Yamada----“John, how is the progress for your project(ジョン、プロジェクトの進捗はどうだい)?”
John------“It’s very good except being slow this quarter(大変良いです、今期少し遅れているのを除いては).”
Yamada----“Ummm ……(うーむ。あのねぇ).”

順調に来ていたジョンのプロジェクトですが、概ね、全体ターゲットの範疇ですが、今四半期に来て遅れが出始めました。これを、何事も楽天的な典型的なアメリカ人のジョンは、胸を張り「大変良いです、今期の遅れを除いては」と答えます。

これは、大部分のアメリカ人の感じるところです。過去プロジェクト進度は順調に来ており、今期ややスローダウンしているものの、進捗ターゲットの範疇。よって、”Very good!”と評価されます。

前回のプロジェクト評価コードを使った表現では、以下の様に、OKとなります。

Project advancement--------OK.

ところが、社会全体心配性ともいうべき閉塞社会の日本----特に産業界----ではこうはいきません。プロジェクトが順調にきていても、「まだまだ。これ位で油断するなよ」という評価でしょう。ましてや、今期になりプロジェクト進度に遅れが見られれば、「これは問題発生。大至急問題解決しなければ!」ということになります。

前回のプロジェクト評価コードを使った表現では、以下の様に心配性会日本では、×でしょう。

プロジェクト進捗------------×

この、乖離が日本人赴任者を、もやもやさせます。このケースでも、山田社長は、「何をジョンは能天気な事をいっているんだ。だから、アメリカ人は緊張感がないんだ!」と、イライラする事でしょう。これは、多くの日系企業で見られる現象です。

“Good job”社会と、“禍福はあざなえる縄の如し”社会

これは、アメリカと日本の社会観の違いから来ています。

アメリカでは、“Good job”社会。子供の頃から“Good job!”と誉めそやされて育ちます。お手伝いをすれば“Good job!”。下手なスポーツでも、参加して頑張れば“Good job!”。会社でも、不良を出しても、一日仕事すれば“Good job!”で終了です。

これは、宗教的なものから来ているのでしょうか。神とのみ対峙している個人。良いも悪いも神様次第。よって、他人との比較なんてしません。自分は自分です。よって、大部分の行動は神の庇護の下にあると----ポジティブに-----考えます。

そんな社会ですから、会社のプロジェクトも直近の四半期でやや停滞しているも、全体として予定通りであれば、評価としては“Good job”、OKとなります。

ところが日本では、「良い事は長く続かない。良い時にこそ悪い時に備えなければ。ましてや悪い兆候が見え始めたら、いっそうの注意が必要である」という、“禍福はあざなえる縄の如し”社会です。「プロジェクト全体の進度は良いかもしれないが、足下遅滞してきていれば、いつ悪化するかも分からない。これは大変だ」とのジャッジが下されます。

終身雇用制の有無

次に、終身雇用制の有無が影響しています。これは、深い社会観ではなく、企業の制度からきているものです。

アメリカの大部分の企業は、終身雇用制ではなく、社内昇進制度もまれです。こういう企業社会では、マネージャーはマネージャーとしての、純粋な職務基準で評価を行います。ましてや、現マネージャー職は次の----他の会社での----キャリアーアップとしての一段階。滅私奉公の考えもありませんし、現在の会社の将来像というのも深くは考えません。

よって、マネージャーとして、「今度のプロジェクトは、最近やや遅れがあるものの、進度ターゲット範囲内である。マネージャーとしての職責も果たしており、進捗状況はOKだ」と、純粋に判定するわけです。

ところが、終身雇用制で、社内昇進制度のある日本企業では、企業の継続性を従業員誰もが願って-----退職金を貰うまでは----います。「このプロジェクトは、概ね順調に来たが、足下遅れが出てきた。こんな事では企業の将来体質構築に向けて障害になるぞ。これでは、プロジェクト進捗状況×だ。」と一管理職でも評価するわけです。

こんなところに、山田社長の、置き換えると皆さんのフラストレーションの元があるわけです。



“姿さやけき”異文化コミュニケーションの真髄を学習した皆さん。これで皆さんのプロジェクト----仕事、英語学習、私生活の目標-----の進度評価も、“Good job.”でOK評価を下せますよね!





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