アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
ビジネス現場の“姿さやけき”異文化コミュニケーション----英語化された社内公用語での会議の性格
英語で会議を行う場合、英語という言語以前の、心理面、文化面の問題が横たわっているというのは、前回のエントリーで述べました。

今回は、その会議自体の性格が英語圏(アメリカ)と日本では少々違い、それを理解せず会議に臨むと、これまた話が噛み合わないという話を少々。

日本と英語圏(アメリカ)の会議の性格

一般的に----これからの話は、統計学的に受け取ってください。-----英語圏(アメリカ)では、日本のような、会議で情報共有し、その参画意識で従業員のやる気を醸成しようという発想はあまりありません。会議は、一般的にあくまでも、意見を言い合い何かを決める、且つ情報交換する場所です。

この違いを、書き抜いてみると、以下のようになります。

1. 日本の会議の性格

• 情報共有
• 参画意識発揚により、やる気醸成
• (よって、発言は少ない)
• オブザーバー参加がある
• (根回しを経て)意思決定


2. 英語圏(アメリカ)の会議の性格

• 意思決定
• 情報交換
• (よって、発言は多い)

英語圏(以下、アメリカ)の場合、やる気の醸成という事は、その仕事の基本の職務契約で、当然発揮されなければならない事柄で、ことさら会議で、それに参加したことにより醸成させられるものではない、という位置付けです。日本の場合は、「その話しは聞いていないから、出来ないよ!」と、いう事が間々ありますが、アメリカの場合は、「聞いていようがいまいが、これは貴方の仕事です。やりなさい。」という事で仕事が進んでいます。

よって、アメリカでは当然ながら会議での発言も多くなります。日本のような、黙って“聞きおく“的な会議参加者は殆んどいません。

「“議論”をしよう」は、”discussion”にあらず

その昔、アメリカ赴任後すぐの頃、同じく赴任直後の、日本人社長から「ちょっとこの品質問題で、“議論”をしよう。アメリカ人担当者も招集をかけてくれ」と言われ、アメリカ人と日本人赴任者のグループで会議を始めましたが、どうも話が噛み合わずに苦労した事があります。

日本のマネジメント手法では、「議論する」というのは、「その議題の方向性を会議で認知する。各種意見を聞き置く。決定は後日」という意味も---これが多い---あります。社長も会議には出席するものの、じっと黙って、中には、沈思黙考というか目を閉じて聞くだけというスタイルをとります。

又、一般社員でも、取り敢えず会議に参加して、発言はしないが情報入手のみ行うという事が多々あります。会議は情報入手、情報共有の場というわけです。

この光景は、アメリカでは、会議というのは殆んど例外なく誰もが意見し、トップダウンにより何かを決めていきますので、奇異に感じる人が大部分です。“なぜ、この社長は、皆に招集をかけておきながら、自分は黙って、しかも眠って----沈思黙考で目をつぶっているのですが---いるのだろうか?なぜ、隣の部署から参加している日本人マネージャーは、黙って聞いているだけだろうか?こんな情報提示だけであれば、E-mailで充分ではないか。”と感じるわけです。

情報を共有する、即ち情報を収集して伝達するというのは、アメリカでは上位職者の基本職務基準のひとつです。アメリカは日本と違い、一般的に職務基準(Job Description)が明確にされて、その遂行を要求されます。上位職者は、上位職者の職務基準を常に念頭に置いて行動しているわけです。

それにより、上位職者は、日常に常に情報発信をしています。得意の話す事で立ち話や呼び止め話しで、それからE-mailで、です。これが、彼らの情報発信、共有化の基本で、わざわざ会議を開いて、それを行うという事は、はるかに少なくなっています。

まれに、“Input your information.”, “Get your suggestion.”, “Get your advice”, “Provide opinions”と要請が来る、情報会議がありますが、これとても、上位職者は、下位職者の話に反応し意見を返したり、また決断を下したり、「将来結論を下す」と表明したりする、情報交換ともいうべき性格です。

「会議のオブザーバー」と「根回し」

その昔、----20年以上も前-----日本時代に、「会議にオブザーバー(傍聴者)で参加する」などという表現が良くありました。取り敢えず情報を共有しておこう、という意味合いの会議の参加です。しかし、こちらアメリカでは、そういう事はありません。上述の様に、会議に参加するという事は、何かしら発言して意思決定や表明をするものだ、というのが一般的な考え方だからでしょう。

又、日本独自のものとされる、根回し。これもアメリカにはありません。これも会議というものは、上述の様に、腹蔵なく喋る----当方は“腹いっぱい喋る”と表現していますが---媒体ですので、事前に根回しをしておくという事は、あまり----統計学上----無いようです。

会議の連続の日本

当方の会社は、日系の会社ですが社長はアメリカ人です。日本人は当方一人ですので、マネジメント手法は、概ねアメリカ式です。情報収集伝達は、殆んど日常の会話----アメリカのオフィスではマネージャークラスの席の横には大抵ゲストチェアーといって、余分の椅子があります。これは、他所から来て座って話していく椅子です。-----か、E-mailで済ませます。会議は小さい会社ということもあって、二週間に一回くらいです。

これに日本人の出張者が来ると、様子が一変します。出張者来訪の目的伝達に関係者を集めて会議。当該プロジェクト実施前に、事前説明で会議。そのプロジェクト実施後の報告で会議。アメリカ滞在終了時には、出張成果報告で会議。アメリカ流でいくと、全て口頭報告と、E-Mail報告で済みそうなものです。これには、アメリカ式マネジメントになれた当方は、戸惑います。



さてさて、日本におられる方は、この違いを認識していただいたでしょうか?これにより、英語の社内公用語化による会議も、“姿さやけき”となるでしょう。えっ、なんですって?この違いを認識共有する会議を開くですって?




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