アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
英語学習論-----英語プレーヤーとしての“学習”を
前回、図らずも日本人の英語圏生活者の事を、英語の「プレーヤーで、監督とかコーチと違い、そう理論立てて英語を把握しているわけではない」と言いました。

英語学習は、スポーツに例えられる事が多いですが、今回は、先のコメントに誘発され、プレーヤーと監督コーチの必要要件というものを取り上げて、比較してみました。

即ち、日本の英語教育界は、英語のプレーヤーを育てようとしているのではなく、監督コーチを育てようとしているのではないか、というものです。

スポーツのプレーヤーと監督コーチの必要要件

何のスポーツにしろ、監督やコーチになるには、実技----お手本としての-----はさることながら、その実技の技術論や戦術論、スポーツの心理学、生理学が必要とされています。日本のサッカー界では、コーチライセンス制度があり、その取得者でなければプロのコーチ、監督にはなれません。

日本の、人気某球界ではそういう制度はなく、過去の名選手がネームバリューで監督になるケースが殆んどのようです。有名な、「来たボールを、無心にバシッと叩くのがバッティングの秘訣である」という理論の、“いわゆる、ひとつのミスター”監督のいる、球界です。

この某球界は別にして、世界的に見て多くのスポーツ界では、監督やコーチになる為の講習があり、くだんの教科を、結構ハードに勉強をしなければならないそうです。これは、当然プレーヤーとは違い、専門領域を理論的に勉強しなければならないようです。実践はともかく-----多くの監督コーチ候補は昔取った杵柄で大抵の事は出来ますが、それでも現役選手みたいなわけには行きません-----実技は技術的な裏づけを知り、戦術理論や、又、心理学、生理学もマスターしなければなりません。

当然これは、プレーヤーになるためにマスターするものとは違います。プレーヤーは、技術、戦術はポジションに合わせてそれに合致する所を習得すればよいし、心理学や生理学も状況に合わせて、応用していけば良いわけで、全て理解しておく事は求められません。

又、技術や戦術も、試合の中では理論通り適用できる状況というのはまれです。相手が変われば、それにあわせて対応を変えていかねばなりません。ワールドカップでの日本代表のように、グループリーグ最終戦のデンマーク戦の様に急遽戦術を変更したりもします。

又、技術的にも、実際の試合では、教えられた技術理論を全て使うわけでなく、簡単にボールを処理する、という様な事もあります。基本にこだわっていたばかりに遅れをとるという事はよくあり、その辺りも臨機応変さが求められます。

英語プレーヤーの必要要件

英語学習も、ちょうどこれと同じ事が言えると思います。大多数の英語学習者は、まずは英語を使えること、即ち英語プレーヤーを目指していると思います。英語のプレーヤーは英語プレーヤーなりの必要要件があります。

冠詞や文型、それから自動詞や他動詞といった、文法の理論的なことも、それ自体を知っていても、なにも----言い過ぎか----役に立ちません。それらを状況にあわせて使いこなせないと何にもなりません。そのためには、繰り返し練習が必要です。座学では役に----これも、言いすぎか----立ちません。理論的な事は、実戦経験を積んだところで、時々振り返るくらいなものでしょう。

又、使用単語数も、日本で教えられる単語数全て必要ではありません。通常使うのは2,000語位ですので、中学程度の英語に少し毛が生えた位なものでしょうか。この、単語数を反射的に使いこなせないと、プレーヤーにはなりません。

如何に10,000語の単語を知っていても、それが、“括弧埋め合わせ”形式で出てきてもどうしょうもありません。実際の会話の場では、瞬時にTPOにあわせて使いこなせなければなりません。

又、時に日本の英語教育界は、世界の趨勢に対し後れていることが多く、教科書の例文もかなり古い、前世紀初頭の時代のものがあるようです。サッカーでいうと、基本戦術としてWM----ダブリュー、エム。選手布陣の形がアルファベットのWとMになっているもの。1950年代から1960年代にはやった戦術----を教えているようなものです。

コーチになるには、そういう戦術的な歴史的変遷を知って、何故現在の戦術があるのか、を知る事は当然必要です。しかし、プレーするプレーヤー達はそんな理論付けよりも、自分達のチームに合った戦術にあわせての、個々の練習の方がよっぽど大切です。




こうして振り返ると、現在の日本の英語教育界は、これを履き違えて、監督コーチ養成コース的なプログラムが多いのではないのでしょうか。英語教育論も噛み合わないのは、これを整理していないからではないでしょうか。





スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック