アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
ホームステイ学生の英語勘----どんどん英語世界に飛び込むT君
さてさて、今年の夏の、我が家のイベントのホームステイ受け入れ活動が終わりました。今年は、わが母校(大分高専)の後輩のT君が、我が家に来てくれました。このT君、アメリカはもとより外国は初めてで、なんとか英語を使ってみたいという事でホームステイを希望してアメリカに来ました。

ここ数年、何人かの若者が我が家にホームステイに来ましたが、今回のT君は、今までの若者達に較べて、はるかに英語への抵抗がなく、どんどん英語世界へ飛び込んでくれました。

初めてのアメリカで英語世界に飛び込む事。これは、どんなに英語を勉強している人でも、躊躇するものです。それを、平均的日本人学生のT君は、難なくやってのけました。英語に英語勘というものがあるならば、T君はそれを持ち合わせています。それくらい勘良く英語に対応していました。

英語に飛び込むのに必要な要素は、英語の知識以上にこの英語勘というものが必要なようです。それを再認識させたT君の、英語への飛び込み振りを見てみましょう。

放っておくと、どんどん英語世界に飛び込むT君

1. ホームステイ期間中、当方の車の修理に、ルイビル市の修理屋に一緒についてきてもらいました。受付を済ませた後、待合室で座っていると、その店のオーナーらしき方が、にこやかに通り過ぎようとしました。その時に、T君はやおらそのオーナーに向かって、

(T君)“My name is T ….”

と、言い始めました。横で当方が慌てて制しましたが、T君は「あの人(オーナー)がニコニコしていたので、僕は自分の事を話さなければと思い、自己紹介しかけました」との事。なんとも、恐れを知らぬ若者よ!

2. ルイビル大学近くの、マクドナルドで二人で昼食をしていた時の事。マクドナルドのマネージャーが、顧客に対しての挨拶巡回で、当方らの席に来ました。そこで、そのマネージャー、T君に何か話しかけると、T君は咄嗟に、

(T君)“………home stay student.”

と、当方を指して、マネージャーに返事をしました。どうやら---当方はマネージャーの言った事が、よく聞き取れなかったのですが----マネージャーから、「ルイビル大学の学生?」と聞かれたようで、咄嗟に返事。マネージャーは納得してにこやかに去っていきました。なんとも鮮やかな、切り返しよ!

3. ある観光地に二人で行き、お店の端のベンチに座ってソフトクリームを食べていました。そこに、お店のおばさんとお姉さんが二人で大きな箱を、苦労して運んでいました。当方は、(おやっ?なにやら苦労しているようだ。助けが必要かな?)と思っていたら、横からT君がすかさず、

(T君)“May I help you?”

と言って、さっさとおばさん達を助けてあげました。なんとも、躊躇無しの飛込みよ!

4. ショッピングモールでの事。大きなショッピングモールで、トイレに行きたくなったT君。当方に「トイレはどこですか?」と聞きました。このモールには時々来る当方。(現在地が、ここだから、えーとトイレは....)と、探そうとした時、T君は、近くの店員さんに、

(T君)“Where is uh… rest room?”

と、さっさと聞きトイレに直行しました。なんともスピーディな突進よ!

なんでも聞いてくるT君

1. 期間中、当方の会社に一緒に来てもらい、インターンシップという事で、現場の機械を運転してもらいました。その時に、隣の機械のJordanと話しをしたらしく、彼の情報を持って帰ってくれました。曰く、

* 彼には、奥さんがいて、その連れ子が16歳になる事。
* 彼は、蛇を飼うのが趣味である事。
* その餌の蜘蛛に、彼が足をかまれ、あやうく足を切断しそうになった事。
* 蛇からはめったにかまれない事。

等を、二日間の作業中に聞き出しました。長年接している当方も知らない事ばかりでした。なんとも本格的な突進力よ!

2. 上記の車の修理屋での事。車のガラスを修理してもらいましたが、その新しいシール部はテープを貼っていました。

修理後の引渡しの時に、修理のテープを剥ぐ時期の説明が、修理屋からありましたが、当方はボーっと考え事をしており、横で聞いていたT君から、「丸一日はテープをそのままにしておき、その後に剥ぎなさい、とのことですね」といわれ、びっくり。なんとも、そつのない聞き耳の速さよ!

間違いも、ものかは

1.くだんの、当方の会社でのJordanとの会話の時の挿話です。T君はそのJordanに質問。「蛇からは、噛まれないのですか?」と言う所を、

(T君)“Do you bite the snakes?”

と、やってJordanが大笑いで、和やかになったとか(正:”Have you been bitten by the snakes”)。少々のミスにも動じない突進力よ!

T君の英語学習歴と“実力”

当方も、T君の英語勘に感心し、どんな英語学習歴なのか聞き込みしてみましたが、世の英語学習者の、はるか平均以下の内容でした。

*中学時代の英語の授業
*中学時代の英会話教室(友達に誘われて。一年間。)

*学校(大分高専)の英語授業
1~3年 (高校1~3年相当) 週3時間
●一年次に英会話授業あり。
大学受験(相当)は無し
4年(大学一年相当) 週1時間

*TOEICは受験した事無し。

現在の学校(大分高専)の英語教育プログラムは、その技術系専門教育優先の影響で、もともとお寒いものです。彼にとって唯一良かったのは、中学時代の英会話教室だったのでしょうか。しかし、これとて、友達に誘われるままに通い、あまり真剣ではなかったとか。

又、英語文法知識も聞いて見ましたが、文型や自動詞、他動詞の違い、又、仮定法なども理解しているとはいい難い----質問者の当方が完全に理解していませんが------内容でした。

英語勘とは

この、英語の学習歴と“実力”で、どうしてこのように英語世界に飛び込めるのでしょうか?それをまとめてみました。

1. 中学時代の英会話教室

どうやらT君は、英語の聞き取り力や会話力が、他の日本人英語学習者よりも優れているのは確かなようです。真剣ではなかったとはいえ、中学時代の英会話教室が効いているのでしょう。

これは、友達に誘われて、帰国子女の先生に、生徒二人で週一のペースで一年間習ったという事のようです。加えて、①世の英会話教室のような大人数のクラスでない事、②日本人の帰国子女の先生で、多少日本語での説明を得ながら、会話練習が進んでいった事、等が短期間で効果が出た要因になっているのだと思います。

やはり、相手が何を言ったか分からないと、反応が出来ないわけですので、この英会話教室による、生きたヒヤリング学習。簡単な言い回しでも、咄嗟に話せるという会話の練習が、英語勘を働かせる要素であるのは間違いありません。

2.(なんといっても)積極性

積極性が、この飛込みを手助けしているのは間違いないようです。観光地でのおばさんへの助力にしても、「”May I help you?”の後、何を言ってよいのかさっぱり分かりません」とT君が言っているように、それ以降の英語力には疑問符がつくものの、とりあえず、”May I help you?”と言って押し出していく、この積極性には頭が下がります。

まず、飛び込まなければコミュニケーションは始まらないわけですので、この飛び込んで行く積極性は重要な要素です。又、この積極性をを繰り返せば、段々英語力がついてくるのは間違いありません。

3.間違いを恐れない

外国で初めて英語を使う時に、これを間違わずに使えるなんてことは考えられません。アメリカ18年いる当方も間違いだらけです。ネイティブの人たちも、いわゆる会話のリズム等重視すると、文法通りではなく省略や変則用法はしょっちゅうです。

Jordanも「蛇を噛むか?」と聞かれてややびっくりしたものの、ユーモアとして受け取ったでしょう。これ位で深刻な問題になる事はありません。

間違いを恐れない事!これも英語勘の重要な要素ですね。




今回のT君の、ホームステイ派遣の相談に乗っていただいた担任のM先生。以前、この先生からお話を伺いました。「私は学校に来る英会話のネイティブの先生に、英語で下手でも積極的に----失礼にならない様に-----話しかけるのです。そうする事が英語の上達につながります」。これはこれは、師弟ともども英語勘に優れていますね。





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