アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
大震災で賞賛された、日本人の国民性-----世間というもの
今回の東北太平洋沖大震災では、震災後の冷静で混乱のない状態を維持できる日本人の国民性が、世界から賞賛の的になっています。多くの国では、大震災大災害が起こると、略奪や暴行が発生するのだそうです。

それがないのは、大変素晴らしいと世界から驚嘆されているわけですが、日本人にとってみると面映い面もあります。しかし、長い外国生活で彼我比較に目が行くようになると、いくつか思い当たる節も出てきます。

いくつか要因はあると思いますが、それを本日は、深く広く掘り下げ...る事は出来ないので、浅く狭く解析してみましょう。



世間というもの

アメリカでは、近所付き合いの隣保班というものが殆んどの所でありません。近隣の人との付き合いは皆個々の付き合いで、皆で何かをするという事は殆んどありません。当方は在米19年年間、郊外型の家に住み続けてきましたが、近所の人達と集まって何かをするという事は、1回だけでした。これは、ある気候の良い日に有志で近くの公園に集まり、ピクニック---アメリカ型のピクニックで、皆で集まり軽食を楽しむもの---をしようというものでした。

居住地区近隣の関係として、コミュニティという言葉があり、社会の価値観としてもそれを押し出します。しかし、それは日本の様な持ちつ持たれつの寄り添った関係というよりも、知らない同士がある一定のルールで暮らしていく関係性、と言うような意味合いがあります。丁度西部劇にあるように、西部を流れている人々が寄り集まって、最低限の司法や立法のルールを決めて、生活を始めていく様なものです。

加えて、アメリカで近隣付き合いが希薄な一因に、引越しの多さがあります。こちらの人達は、家というのは仮の住まい。職場を変わり遠隔地に勤めるようになれば、当然家を替わり引っ越して行きます。単身赴任というのはごくまれです。それで、居住地の移動性は、日本よりはるかに高くなります。当方は、現在の家に住んでやがて10年になりますが、両隣の人達は途中で越してきた人たちばかりです。

日本の隣保班は、お上(行政)からの周知や、相互親睦や扶助、あるいは悪く言うと相互監視的な機能まで組み込まれています。行政からの周知は回覧板等でおなじみですが、良い悪いな別にして、これが、日本の上下関係の権威の秩序立てになっているのかもしれませんね。

こちらアメリカでは、各戸の周知は当然個別の郵便物です。近隣の人からの連絡---ビラ---は、「市のある施策に反対する会を開くのでご参加を!」というのが代表的なものです。行政であろうが、当然個人とは対等であるという気概にあふれています。

日本人は、他国の人に較べても、この集団で群れをなすという特性があるのでしょうか、こちらアメリカでも各地に日本人会があります。アジアは割と同じ感覚を持っているのでしょうが、他の国の人達の会はあまり聞きません。唯一韓国系の人たちが、協会を縁に繋がっているようです。

又、会社内のアフターファイブで群れる事や、ゴルフコンペでまとまってプレーするのも日本人の特徴ですね。アメリカの会社では、こういう事は皆無です。

こういう日本のような緊密な世間のある所では、大震災を好機とばかりに近所の商店に押し入り、略奪や暴行を働くという事が、少なくなるのは当然の事かもしれません。普段の緊密な関係性が防波堤になっているのでしょうね。




最近は、都会では周りりとの関係性が薄れてきている様ですが、長い歴史で培われたこの世間というものは、簡単には消滅しないという事でしょうか。大震災で賞賛された国民性について、アメリカで考えてみました。




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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
人間力?
いちろうさん、こんばんは。
日本人にある人間力、とでも言いましょうか、、

何も通らない交差点でも信号が赤なら青になるまで待つ、急いで駆け上がる人の為に
右を空けて乗るエスカレータ(関西は左)、
などなど。。

最近はそれも徐々に崩れ始めて、欧米化?してしまうかも?知れませんね。
震災の募金箱を盗んだ女子高生の記事が
ありました。津波で流された信用金庫から
現金4000万円が無くなっていた、という記事もありましたね。。
2011/03/28(月) 23:24:05 | URL | 岳人 #-[ 編集]
Re: 人間力?
岳人さん、こんにちは。

震災による影響、毎日の生活は大分落ち着かれたようですね。産業界はまだまだなようですが。アメリカもここにきて、影響が出始め客先(日系自動車メーカー)の減産が始まりました。

日本でも事例のような事で、心を痛める人がいると思いますが、「事例の犯罪や不届きな事は、平時ではどこでもあるようです。これは、法に従って裁けばよいことです。大災害の略奪暴行は、やはり異常不測事態で、これは明らかに今回の日本は、他国と違う」というのがこちらの人達の大方の意見のようです。
2011/03/29(火) 11:20:16 | URL | いちろう #-[ 編集]
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