アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「津波は想定外でした」とは言うけれど、想定外の定義は?----日本語の曖昧さを英語を介して暴く
大震災からおよそ一ヶ月が経とうとしています。今後の復興を行う上で、各現場の混乱を防がなければなりません。そのためには的確なメッセージが必要です。しかし、いくつかのメッセージは、依然としてぼんやりしたハッキリしない内容になっています。

これは、コンテクスト言語と呼ばれる、日本語の特性からくるものがあるようです。このハッキリしないメッセージを一回英語に置き換えたら、ハッキリしてくるのではなかろうか、よしそれをやってみよう、というのが本日のエントリーの主題です。




(日本語)「今回の津波は想定外の大きさでした」

(英訳)The Tsunami height was higher than our prediction, which learns from the Tsunami in 1933. The Tsunami this time is as 1.3times high as the Tsunami in 1933 (37.9meters versus 28.7m.).

(英—>再訳)「今回の津波の高さは予測以上でした、その予測は1933年の三陸沖地震の津波から導きました。今回の津波は、1933年の物に較べると1.3倍の高さでした(37.9mと28.7m)。」

*なんとなく分かった様な気にさせられる代表が、この「想定外」という言葉ですね。しかし、これも英語的なコンテクスト文化を排除した言い方にすると、上記のようになります。英語はまず、くどい位に修辞します。「想定とは?」、「その基準は?」、「それと実際はどれだけ乖離があるの?」という事を並べて始めて英語という言語が成立します。

それに従って検証すると、前回大きかった津波は1933年の28.7mの高さの物です。今回それよりは高いとはいえ、37.9mですから(Wikipediaより)、1.3倍の高さです。1.3倍というのは設計上の安全係数で充分設定する係数ではないでしょうかね(設計上理論値は2倍位?)。

「想定外」という日本語では、この辺りがもやもやっとしていますね。技術者はこの「想定外」という言葉に安易に逃げ込まないで頂きたい。

(日本語)「産地の農産品は、基準は超えているが直ちには危険ではない」

(英訳)The farming products have been contaminated in higher limit of radiation. However it is not an immediate risk even if people eat the food one time.

(英—>再訳)「農産物は基準値を超えて汚染されています。しかしそれを食べても----1回までは-----直ちには危険ではありません(回数はいちろう推測)」。

*これも、「はっきりさせんかい!」という言葉です。何のために基準を設定したのか?と言いたくなる様なコメントです。これも、英訳してしまうとハッキリします。このオリジナルのメッセージは政治的配慮があるのでしょうが、かえって正常な農海産物まで風評被害にあってしまったような気がします。

(日本語)「菅首相は被災地で、“私も命がけで頑張っています”と語った。」

(英訳)Prime Minister Mr. Kan stated at the site that he is thoroughly working for the recovery activities.

(英—>再訳)「菅首相は被災地で、“私は復興に徹底的に仕事をしています”と語った。」

これは、英訳、再訳を経ないでも一国のトップとしては不都合なメッセージです。ブッシュでもオバマでも、国難の時には----時にこそ---「命がけで頑張る」だけではなく、もう少し整理して具体的なメッセージを発しますよね。英語の再日本語訳を見ると、その辺の甘さが見えてきますね。

(日本語)「東電は計画停電を行っている」

(英訳)Tokyo Power Company is doing potential-planned power shut downs, which can not see if it really shut down, or not.

(英—>再訳)「東電は、実際に停電するかどうか予測がつかない計画停電を行っている」

*これは、計画といいながら全く計画的でない、日本語の世界だけでも首をかしげる現象となってしまいました。ズバリ「不測停電」と名付けたらどうでしょう。




大震災での日本人の冷静さは、この何事もはっきりさせない言葉----即ち社会規範---に拠る所も大きいと思います。しかし、全体的な“交通整理”が求められる復興段階では、ハッキリしたメッセージが必要だと思います。





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コメント
この記事へのコメント
近所の人との会話でも、「思ってたよりも~だった」と済ませようとすると、「どんな風になると思っていたの?どんなことが根拠になったのかしらん?」と必ず突っ込まれますもんね。
総理大臣がこういう時に徹底的に仕事をするのはそれこそ「言わずもがな」なので、次のプランやアクションの提示が出来ないと政治家の能力を疑われてしまいますよね。
「この首相なら何とかしてくれるだろう」という歴史や実績も築いてもいないですし…。(コロコロ変わりすぎて、築くヒマもないというべきか)
2011/04/10(日) 14:25:03 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、完全(?)復活おめでとうございます。

英語では、仮定法やIf(What if)文をふんだんに使い、「想定」もはっきりさせる傾向がありますよね。当方も、よくアメリカ人同僚から"If you were dead, what would your organization be?と言われ、ドキっとしています。

政治家でいうと、地元ルイビルの市長に新しい人が当選しました。その人の今年の年頭の挨拶が、年初めに新聞に載っていましたが、4点ほど案件を挙げていました。その案件は、特段目新しいこと(景気対策等)ではありませんでしたが新市長なりの切り口で取り上げていました。他案件も勿論あるでしょうが、分かりきった案件でも自分の切り口で取り上げ、市民に知らせるのがアメリカ流(英語思考)なのかなと思いました。
2011/04/11(月) 02:12:58 | URL | いちろう #-[ 編集]
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