アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
グロービッシュ(グローバル英語)を考える------他人事ではありません、仲良くつきあおう
最近、非英語圏で流布しているグロービッシュ(グローバル英語)が、注目されているんだそうです。フランス人のジャンポール・ネリエールという人が着目した、“1,500単語を使い、文法も構文も無視した極めて簡単な英語”だそうです。

これを、ざっと眺めて思うのは、“なんだ、英語圏の英語と同じじゃないか、ネイティブが使っているのも、それくらいの英語だぞ”という事です。

本日は、それを見ていきます。




グロービッシュの定義

グロービッシュ紹介の記事には、アメリカ英語とグロービッシュの比較の例文がありました。

アメリカ英語:
This little tidbit of literary joy is amiable and a slam dunk to peruse, notwithstanding the fact that it has the overwhelming gall to propose a revamping of our methods of verbal exchange around the world.
グロービッシュ;
This book is easy to read and with pleasure. Still, it proposes a complete change in the way we communicate around the world.
(この本は読みやすく、面白くて引き込まれる。なのに一方では、世界中で私たちが行っている言語コミュニケーションの形を一から変えるべきだと指摘している。)

アメリカ英語:
Native English speakers can't quite hack it when they need to dumb down to the 1,500 key words. The language they have to speak or write is expected to be kosher, if not perfect.
グロービッシュ;
Native English speakers have great difficulties when they want to reduce their words down to the 1,500 key ones. On top of that, the language they have to speak or write is expected to be correct, if not perfect.
(英語を母語とする人々にとって、主に使う単語を1500まで減らすのは非常に難しい。彼らは完璧と言わないまでも、正しい言葉で話したり書いたりしなければならない)

1,500語単語リストは、こちらから


アメリカ人もビックリの“アメリカ英語”

ここに紹介されているアメリカ英語を見てみると、アメリカ人でもこれを使うのは100回のうち2~3回ではなかろうかな、という事です。うちの会社の幹部のDaveも、客先の購買のJasonも、地元のテレビ局のキャスターのRachelもラジオのパーソナリティのTerryも地元の市長も知事も、こんな“アメリカ英語”を使っているのを聞いた事はありません。皆、下段のグロービッシュにほぼ近い表現で使っています。

又、“文法も構文も無視”状態ですが、こちらネイティブの人もしょっちゅう行っています。勿論これは、そういう知識が無いのではなく、会話のリズムやストレスそれからタイミングで、省略や倒置が行われる事に由来しています。

このアメリカ英語の面妖さを日本語に置き換えると、上段の文は以下の様に訳されるでしょうか。

『本小冊子の解読は平易であるとともに、痛快であり興趣があり我を忘れてしまう。であるにも係わらず、洋の東西に流布されている、本邦の言語コミュニケーションの形態の変革をせまっているのは、痛憤の極みである。』

こういう日本語の使い方は、それはまれには見ますが、そうそう見るもんではありませんよね。上記の“アメリカ英語“は、カタイ表現なのかヤワラカイ表現なのか分かりませんが、表出頻度でいうと同じようにまれなものです。

又、日常の話し言葉でいうと、上記アメリカ英語とグロービッシュの比較は以下に置き換えられるでしょうか。

アメリカ英語的日本語
「おじさま、すこしお太りになったんじゃありません?いやですわ。あばさまが、顔をしかめていらっしてよ。(原節子ワールド)」

グロービッシュ的日本語
「おじさん、すこし太った?いやだ。おばさんいやな顔していたわよ。(さくらワールド)」

最近、小津映画にはまっていましたので、例文が原節子ワールドになりましたが、これも美しい日本語ではありますが、これを提示されて日本語の代表だと言われると、「なんだか私的に困るっす」と声が聞こえるくらいに、今では使用頻度が低いですよね。それと同じくらいの頻度の“アメリカ英語”ではないでしょうか。ここは、やはりさくらワールドの日本語ですよね。

こんな例文の“アメリカ英語”を出されると、アメリカ人もビックリではないでしょうか。

単語について

添付の単語リストの1,500単語を調べてみました。当方が知らない、使えない単語が20単語(1.3%)ありましたが、まず基本的にはここの1,500単語をマスターすれば、コミュニケーションは始まっていくと思います。

ただビジネス関連では、専門用語を除いてももう少しカバーする必要があるのかなと思います。良く使われる、suggest, recommend, remind, regard, due等が含まれていないようですね。

グロービッシュは、(ネイティブを目指しても)いつかは通る道である

グロービッシュは、かって注目されたエスペラントと違い、帰納法で世界中の英語発展途上の地域の英語状態を説明したものです。よって、これは誰もが通過するあるレベルの英語を説明しているに過ぎません。

すなわち、日本で如何にネイティブ英語を目指すにしても、英語の上達には訓練が必要と考えるならば、誰もが一回はこのレベルを通過して訓練しなければならない、その一つの段階だといえます。

即ち、ワールドクラスのサッカー選手を目出す子供たちは、しっかりした基礎----技術や戦術----を学んだにしても、練習の初めの頃には簡単なボール回し----基本に無いトーキックや半身の体勢でのボール扱い等-----から始めなければなりません。それと同じ事です。否、ワールドクラスの選手程、簡単なボール回しを心がけるものです。

日本的なこだわりに流されると、この非正統派の英語はまたぞろ論議の的になりそうですが、上記の事を考えると、このグロービッシュと仲良く付き合っていく事が必要だと思います。

アメリカ生活19年の当方が断言します。どんなに正統派英語の勉強をしている貴方でも、このグロービッシュに相当する英語はいつか通る道です。





さて、当方は来週には客先との重要な会議が控えています。少し厄介な問題ですが、相手のアメリカ人と、なんとか交渉しなければなりません、グロービッシュで....







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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
いちろうさん、ご機嫌うるわしゅう、またお邪魔させていただきましてよ。ウフ…むむむ
(ランチ片手にお行儀悪くサイト訪問をしている自分と言葉遣いがマッチしましぇん・ムグムグ)

今回もヒザを打ちました♪「まずは相手にだいたいの意思が通じてナンボ」というのが初めの一歩ですもんね。むしろそこが、総体的なコミュニケーション方法が上達していくスタートラインのようにも思ったり。

もちろん、いろいろな言い方やたくさんの語彙を求めるのはすばらしいことなのですが、
コミュニケーションの道具として使う英語って、「頂上の景色」と「制覇した高さ」への満足感だけを望みにがんばる孤独なロッククライミングではなくて、人々とアレコレしつつ、道中も楽しむデコボコ・クネクネの山道なんだけどなあ、なんて思っているのでした。
TGIF! こちら、まだ目の前の山が真っ白で朝晩は華氏38度まで落ちて寒いです!←皮膚感覚で理解できるようになったので、摂氏との換算能力が失せました…
2011/04/30(土) 07:59:59 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、こんにちは。

> もちろん、いろいろな言い方やたくさんの語彙を求めるのはすばらしいことなのですが、
> コミュニケーションの道具として使う英語って、「頂上の景色」と「制覇した高さ」への満足感だけを望みにがんばる孤独なロッククライミングではなくて、人々とアレコレしつつ、道中も楽しむデコボコ・クネクネの山道なんだけどなあ、なんて思っているのでした。

何のスポーツに例えても、ここの部分は同じですね。サッカーで言うと、”世界レベルよりもまずボール回しできる”会話レベルが必要である、野球で言うと、”150kmの剛速球ではなく、緩い良くコントロールされた、ボール”でないと草野球レベルの試合は始まらない”、等です。登山に例えるのもわかりやすいですね。

こちらは(中西部、南部)はThunder stormや大雨で、かなりの被害が出ています。

2011/05/02(月) 02:07:14 | URL | indianaky #-[ 編集]
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