アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカ一般社会のアメリカ軍への尊敬の念と優遇措置----スポーツで職場で地域で
やや旧聞に属しますが、先日のアメリカ独立記念日の週に、こちらの大リーグを見に行きました。その試合のイニングの合間のエンターテイメントの時間に、アフガン駐留の地元出身の兵士のビデオ紹介があり、数万の観客から大喝采を浴びていました。「アメリカの独立、即ち現在国があるのは、それを勝ち取った軍隊の力が大きい、それに従事しているわれわれの同胞に敬意を表そう」というものです。

又、先日のなでしこジャパンで有名になった、女子サッカーのワールドカップの中継の合間でも、アフガン駐留軍から応援風景が実況されていました。外国駐留軍の応援風景は、アメリカで第一の人気を誇るフットボールの試合でも、画面に現れますね。このようなアメリカという国の力の誇示の時には、必ず軍の応援風景が現れてきます。

こちらアメリカでは、一般社会でもこのように軍の風景が自然に現れてきます。しかも尊敬の念と実務面での優遇処置付きでです。





求人応募申し込みの優先権

アメリカは現在失業率が高く社会問題になっています。それでも産業によっては、ぽつぽつと人の採用の動きがあります。自動車関連もその一つで、最盛期の自動車販売台数にはまだまだ届かないものの、前年比では好調な伸びを示しています。そこで、地元にあるフォードの工場も、久しぶりの大型求人を行いました。1,000~2,000人規模の新規求人です。

これに色めきたったのが地元の失業者。いっせいに応募申込書の提出に入りましたが、ここで提示された基準が、このアメリカの軍関係者優先条項でした。ここでは、「退役軍人の申込書のみ、ある期間(一週間位だったと思います)受付る。一般の申込書はその後となる」という内容でした。

ここでの「退役軍人」とは、アメリカでは若い人も、ある一定の軍役を終えて民間に復帰していますので、なにもお年寄りばかりではありません。若くて、次の仕事を探している人が多いようです。

自由と平等の国アメリカ。実際の採用では退役軍人とそうでない人の差はつけられません。即ち「退役軍人を優先採用する」とは、口が裂けてもいえないわけです。しかし、申し込みの提出順位では、退役軍人を優先させて便宜を図ろうというものです。

こういうところに、アメリカの軍への考え方が現れています。

予備役兵の優遇措置

アメリカで会社運営をしていると、時々日本ではお目にかかれない事象に遭遇します。この予備役兵の優遇措置もそうで、これもアメリカの軍への優遇措置の一つです。

ある、会社が忙しい時期の事でした。現場運営のキーマンであるスーパーバイザー(作業長)が、来週から休むという連絡を受けて、困ったなと確認したら、この予備役徴収でした。

アメリカの軍隊には、常設の軍役用務者(いわゆる軍人)と緊急時に招集をかける予備役兵(通常は一般市民生活を送っている)の二種類います。予備役兵は、通常は軍務につかないので時々招集をかけて訓練をしようというもので、そのスパーバイザーは、丁度それに当たったというものです。

これは勿論、国の施策なので会社側にはなんら異論を唱えて、当該者供出を拒む権利はありませんし(アメリカは裁判する自由がありますので、裁判事例はあるかも知れませんが)その間の人件費は、国からの補填で賄われるようです。

むしろ、会社関係者もいやな顔をするどころか、我々の誇りであるというような晴れやかな気持ちで送り出しています。

このあたりも、アメリカの軍への優遇状態が現れています。

地方空港でも

こちらの地方空港で散見されますが、軍服にリュック姿で歩いている人がいます。これはこれから赴任する兵士の人が、飛行機に乗り込むところ、もしくは帰還したところです。この軍服姿でも本人は当然恥じることなく、いや、誇りに思っていますし、回りもそれに対して敬意を払っています。

特に帰還時は、地域の大勢の人達がプラカードや花を持って出迎えて、その帰還軍人を待ち構えています。地域コミュニティ挙げての大歓迎です。地域の誇りなのでしょう。



アメリカでは、ベトナム戦争やイラク戦争等で軍に対して、負の評価があるように思われがちですが、一般市民の軍関係者への尊敬の念と優遇措置は我々日本人の想像以上です。







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コメント
この記事へのコメント
徴兵制時代の名残
徴兵制時代は、誰もが兵役経験があり、湾岸戦争のときは黄色いリボンがあちこちにみたれた。今はどうなのかわからないが、志願制になってからは、富裕層は志願なんかしないので、富裕層からみると軍隊なんか貧乏人の雇用対策ぐらいに見ているという話も聞く。無理な派兵も失業者対策で、うがってみると貧乏で無教養な連中を少し減らして、石油利権でも取れればいいという考え方があるかもしれないとかんぐってしまう。帰還兵のPTDSはベトナム戦争以降社会問題になったが、国民全体の問題だった。今は貧乏人の問題であり、金持ちにはシンパシーを得られない。
2011/08/05(金) 17:13:19 | URL | ednakano #olb1JwF2[ 編集]
Re: 徴兵制時代の名残
Ednakanoさん。

> 徴兵制時代は、誰もが兵役経験があり、湾岸戦争のときは黄色いリボンがあちこちにみたれた。


コメントありがとうございました。
2011/08/07(日) 02:32:43 | URL | いちろう #-[ 編集]
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