アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
会議による生産性低下の日本のビジネス社会-----アメリカのビジネス社会との比較
日本のビジネス社会では、会議が多い、会議に忙殺されている、会議によるホワイトカラーの生産性低下があるという事が指摘されています。

確かに、当方も長い間日本の会社でマネジメントをやってきましたので、その“覚え”はあります。

しかし、50代直前にアメリカで転職して、アメリカ人トップに仕えてみて、この会議の非効率さというものを考えさせられています。なにせアメリカ人がマネジメントする組織は、会議が少ない!

当然、会社の大きさにもよりますが,当方の会社はスタッフが13名の小さな会社で、レギュラーに開かれる現在の会議は週2回、一回20~30分の生産進捗会議のみです。スタッフ13人とはいえ、月商1Mill$近くになる会社。営業から購買、生管、製造、技術、総務の機能を有しており、情報が飛び交っています。それで、この会議の少なさ。当方が日本時代に、同規模の組織でも小さいといいながら、もっと多くの会議をしていました。

アメリカのマネジメントの何がこうさせているのか、日米の比較をしながらそれを見てみましょう。




日本の情報共有化、合意形成、ベクトル合わせ

日本の会議の目的の一つに、情報共有化、合意形成、ベクトル合わせがあります。全員参加で意思決定をする前段として、情報を共有化し、合意形成してこれからの方向性を皆で確認しておこうというものです。「俺はあの件、聞いていなかったぞ」という事を防ごうというものです。又、組織としての集団の力を効率的に発揮するには、金太郎飴的な合意形成が必要なのでしょう。

この考え方により、会議も膨大なエネルギーを使います。「情報共有化だ。お前も会議に参加しろ」という事で、芋づる式に会議参加者が増えていきます。又、会議内容もメール等で報告できる内容でも、会議で一々報告の形となります。

又、この情報共有というのが曲者で、何もアクションの要求されない会議になり、延々と続くようになります。会議の一参加者にとって関係のない議題が延々と続くケースが多くなります。

アメリカのJob Description(職務基準書)

ところがアメリカでは、この考え方はとりません。会社には各人の職位のJob Description(職務基準書)があります。それには、各人のの要求される能力や資格、又責任や権限が記載されています。

この情報管理の部分でも、当然各人の職位のレベルでの、情報を知る、獲得する、合意了解する、活動の方向性を見出す、等の能力も要求事項として含まれています。例を挙げて言うと、次期プロジェクトの内容をメールや、上司との立ち話の中で見たり聞いたりした場合、それを会議で時間をかけてやらずとも、きちんと理解する事が要求されています。

又、“個”の社会アメリカ。多様性をベースに成り立っているアメリカ企業社会では、各人の知るべき情報は違っており、金太郎飴的に画一的なものではありません。各職位にあわせて情報を入手し、その方向性を見出すというもので、全員参加の会議形式での情報共有化、合意形成という事は主流ではありません

日本の合意形成による意思決定

次のステップとして意思決定があります。これも日米では大分違いが見受けられます。

日本では、稟議制や根回しに代表されるように、ボトムアップによる意思決定、即ち合意形成した後に意思決定される方式があります。会議もその役割を担っており、トップ出席を仰いでも関係部署の皆の意見をとにかく聞いて----ここで社内合意状態をチェックするのでしょう----後で、意思決定をするというパターンが殆んどです。

これにより、組織トップに対する報告形式の会議体が延々と行われます。こだわり社会の日本。これの報告書にこだわりを見せ、膨大な時間をかけて分厚い資料を作成するようになり、関係者の会議の準備作業量は膨大になって、ホワイトカラーの生産性を著しく低下させています。

この合意形成した後に、トップが速やかに意思決定をするか?トップのJob Description(職務基準書)が曖昧な日本では、意思決定されないまま迷走し、各現場にしわ寄せがいくという事が良くあります。

アメリカのトップダウン

これに対して、アメリカはトップダウンの企業社会。トップとしての責務の重要な事は、意思決定をする事です。この前段として、情報収集が必要なのですが、これも上記に書いたトップの職務基準に含まれ、メールであれ社内の立ち話であれ迅速に情報収集をする事が求められます。下位者の同意を確認しながら、会議で時間をかけて報告を聞く、などという事は無いわけです。

又、意思決定もJob Description(職務基準書)に規定されているため、極めて迅速です。意思決定をためらうと、そのトップとしての能力を疑われるかの様な素早さです。当方のアメリカ人トップの口癖は、”What we make decision today is …..(本日意思決定する事は~である)”です。

又、下位者は完全に合意しようがすまいが、トップの指示に対してそれを執行する責務を負っています。よって日本のような、合意形成や意思決定会議なるものはごくわずかになり、ある日突然指示が飛んできて下位者はそれを粛々と執行するという、ある意味効率的なホワイトカラーの業務になります。

当方の会社ではオフィスのメール機能である、MicrosoftのOutlook機能の中の、Job task機能を良く使っています(これは日本語環境のものにもあるでしょうか?)。これは、業務指示を記入して当該者に発送するものです。事前の打ち合わせ---日本流根回し---も無く、いきなり文章で簡単な背景説明と指示内容が飛んできます。これもアメリカ流トップダウンの一環ですね。




日本的経営が褒めそやされたのはずいぶん昔の事です。日本のビジネス社会は現在ではグローバル基準から見ると、ずいぶん生産性が低下しています。アメリカもそのグローバル基準の一角。日本のビジネス関係者も、このアメリカの制度や考え方を少しでも取り入れたらどうでしょうか。えっ?皆で会議を開いて決めるですって?







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