アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカ経済の少し明るい、アメリカ的な話----GE(General Electric)での500名の新規採用募集
リーマンショック以降なかなか景気が上向かないアメリカ経済。失業率も高止まりのままです。そんな中にも個別の会社では一筋の光明が。

地元の雄GE(General Electric)の家電部門の工場が、ハイテク温水器製造を新たに始めるのに伴い、500名の新規採用に踏み切りました。これに対して6,000名近くの応募が既にあった様で、明るいニュースとして取り上げられています。





時給半額の新ライン

GEの家電部門はその組立工程を、近年メキシコや中国に移管して来ました。安価な労働力を求めての事です。今回の新ラインも通常の競争力では、アメリカ内組み立てが難しいところです。なにせGEのアメリカ内組立作業者の時給は20数ドルします(メキシコや中国では一日当たりの労賃と同額ではないでしょうか)。

そこで労使合意で編み出した技は、同一工場内でもライン限定で低労賃作業者を許容、就業させようというものです。今回の募集では時給13$とか。勿論これにベネフィットがつきますが、現行の条件の約半分です。会社側は勿論、組合側も背に腹は変えられないという事なのでしょう。

リーマン以降、家電や自動車メーカーでは、同一工場内低賃金作業者の採用の動きはありました。既存ラインでも、部品配送等の補助部門はこの低賃金作業者に切り替えてきていました。この場合、ライン作業者は従来の時給のままですが、補助部門の場合は労使との協議も抵抗が無かったのでしょう。しかし、ライン丸ごと低賃金作業者に切り替えたのは、今回が初めてです。

因みに、現在のアメリカ自動車産業のビッグ3が復活してきているのも、一つはこの対策が寄与しているようです。ビッグ3しぶといものですね。

このようにして、アメリカ製造業の競争力を高める為に、全体労務費を“薄める”という訳です。同一工場内の同等作業で、賃金ベースに差をつけるのは、はなはだ不平等な協約ですが、一挙に6,000名もの応募もあり、この所作事は今の所新規応募者や地域の関係者にも、明るいニュースとして捉えられています。こちらでいう“Better than nothing.”というところでしょうか。

申し込みはネットのみ

この過程でアメリカらしいなと思ったのが、この就業希望者の応募申し込みはネットに限るという事でした。採用に有利に働くだろうという事で、申し込み開始日のまだ暗い早朝に書類を持参した猛者がいたそうですが、あえなく門前払い。書類は受け取ってもらえなかったそうです。

日本であれば、こういう誠意が見られるものには価値を置き、手渡し(郵便)申し込みも残っているのではないでしょうか。又、「手書き書類の筆跡でその人となりを見る」というアナクロな考えも残っており、手書き応募書類も残っているとか。

アメリカでは古くからタイプライターが発達したからか(どちらが先か分かりませんが)、大部分の人はライティング全くひどく、とても読める代物ではありません。且つ合理的な考えを持っている事もあり、ネットでの申し込みが抵抗無く受け入れられています。


今回のGEの所作事。条件を考えると、地域としても諸手を挙げて喜ぶ事は出来ません。それでもこれをきっかけに、GEが上昇軌道に乗り、地域経済が活性化してくれる事を祈っています。






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