アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの”顔と名前を見せる意識”----アメリカの新聞による、受刑者の紹介
添付の写真をご覧ください。妙齢の女性二人が、ある家の前でにこやかに写っています。写真には名前の紹介があり、左側がKyle Hollingworthさん19歳、右側が Shea Hedgespethさん20歳です。

実はにこやかに写真に写っているこの二人は、近くの刑務所に収監中の二人で、特別プログラムで近くの民家で居住が許された人達です。麻薬の関係のトラブルで収監された、日本でいう受刑者です。こちらは受刑者であれ、こうして新聞に名前と写真が----しかもにこやかに-----、堂々と掲載されます。しかもKyleさんは19歳の未成年です。

日本とアメリカでは、この”顔と名前を見せる意識”が日本とはずいぶん違うようです。

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(にこやかな受刑者、Kyle Hollingworthさん19歳とShea Hedgespethさん20歳)


顔と名前の見えない日本

日本では、なかなか名前や顔写真は公表しないですね。特に最近は、個人情報管理の厳格化という事で、いろんなメディアでも個人の名前や写真は公表しないようです。

この場合も日本では、受刑者であれば名前は新聞に出ることはあっても、写真は出ないですよね。これは報道上のルールがあるのかも分かりませんが、個人や周囲の関係者も、写真掲載はとんでもないと考えているようです。

又、軽度の罪で、しかもこれから更生しようかという人の名前は、本人の将来のこともあり掲載しないのではないでしょうか。

名前の掲載でいうと、最近なるほど日本的だという記事を見つけました。当方の母校である大分高専のWeb-siteの学科紹介の中の記事で、研修旅行に行った時の紹介です。この中で、学生の感想を載せていましたが、学生の名前は匿名になっています。Y君やBさんです。勿論、彼らのコメントの顔写真は掲載されていません。

(男子Y君)今回の研修旅行は、工場見学で社会に触れ、またキャナルシティ新館ではその広大さに圧倒されながらも見識が深まった2日間でした。

(女子Bさん)今回の研修旅行で、普段の生活では見ることのできない工場内を見学させていただいて様々な発見をすることができ、また一泊二日という ことで友人とのつながりを深めることもできました。さらに、就職し実際に働かれている先輩のお話を聞き、自分なりに将来について考えることもできました。 とても有意義な一泊二日を過ごせたと感じています。



本人の名誉を毀損することは勿論、否、本人の名誉になる事---感想のコメント内容は立派!---でも、こうして匿名顔写真なしの記事となります。

よく国際間交流で言われている、” 顔と名前の見えない日本”現象が覗いています。

顔と名前の見えるアメリカ

冒頭の写真のように、アメリカの場合は”顔と名前の見える社会”になっています。本人達はある罪を犯して収監中ではありますが、このように堂々と、しかもにこやかに新聞の一面に大きく写真と名前が載ります。

又、こちらのテレビでもいろんな裁判の様子が報道されますが、必ず写真(動画です)と名前が紹介されます。時にはその被告のコメントを撮った部分も報道されます。

「たまたま、罪を犯してこうして収監されて、又裁判を受けている身ではあるが、それの償いはしている。それと(それ故に)名前と顔を隠すことは別である。私は私であり、何事にも替え難い者である。よって、名前と顔はこうして晴れ晴れと公表する」というような意識があるようです。


こちらは、未成年でも堂々と名前と写真が公表されます。司法側は、悪いことは悪いと法に照らして粛々と執行する、本人側は、未成年であっても自分は自分である、という意識が潜在的にあるということでしょうか。

この意識がはたらいているのが、集合写真にも表れます。こちらの集合写真では、写っている人の名前を洩れなく掲載します。この写真は、当該記事の後段にあるもので、受刑者当人達とこのプログラムをお世話をする人達の集合写真です。

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(Rita LaDukeさん〔前列左〕とMary Deckerさん〔前列右〕と、受刑者Kyle Hollingworthさん19歳とShea Hedgespethさん20歳)

写真では、Rita LaDukeさん(前列左)とMary Deckerさん(前列右)と受刑者二人が紹介されています。

この(報道)写真で名前を逐一紹介するのは、アメリカの新聞やメディアでは例外なく行われています。日本の様な、自分という意識の薄い”その他大勢”という認識はアメリカでは皆無のようです。

又、当然こういう社会ですから、自意識の塊のジャーナリズムではこれが顕著に現れます。この記事の巻末には、この記事を書いた記者の名前が掲載されています。しかも電話番号入りでです。因みに横の記事や前後の記事も、同じく記者の名前と電話番号が入っています。

著名な記者になると、顔写真入で記事を書いています。”顔と名前の見えるアメリカ”の面目躍如ですね。



日本の政治家や企業のトップが、こちらアメリカでは”顔と名前が見えない存在”になって落胆する向きもありますが、社会全体の成り立ちからして”顔と名前を見せる意識”が違うようですので、致し方ないところでしょうか。






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コメント
この記事へのコメント
初めまして。Googleでアメリカ生活と捜索してみるとこのブログを発見しました。
とても面白そうなブログで、情報も盛り沢山!
先日Faceookのほうでアメリカに住む日本人グループの会を作ったので、お誘いしたいと思いました。よかったら参加してください。グループ名はジャパコネUSAです。
2011/11/19(土) 18:27:16 | URL | もみじ饅頭 #U02PwaJs[ 編集]
Re: タイトルなし
もみじ饅頭さん、コメントありがとうございます。
アメリカ生活、大変な面もありますが、楽しい面もありますね。お互いに情報が役立てば嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。

2011/11/21(月) 01:18:42 | URL | いちろう #-[ 編集]
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