アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカ人は、何故駅伝やマラソンに夢中にならないか-----度量衡システムからの考察
日本では、年末年始の駅伝大会が目白押しで、大いに盛り上がっています。

年末の高校駅伝から、新年の社会人、それから大学の箱根駅伝まで盛りだくさんで、テレビ中継もされお茶の間の話題をさらっています。先日も箱根駅伝があり、アメリカにいる当方もインターネット中継に釘付けでした。

又、秋から春に行われる各マラソンの大会も、テレビで必ず中継され人々の関心を呼んでいます。特に今期は、ロンドンオリンピックの選考の大会が目白押しで、目を話せませんね。

アメリカでも、ランニングブームでわが地元のルイビルのダービーマラソン大会では、1万人を越える参加者があります。マラソン大会の中にリレー部門もあり、アメリカ版駅伝を楽しんでいるグループもいます。しかしながら普通のお茶の間ではテレビ中継も皆無ですし、日本のように駅伝やマラソンに熱狂する事は全くありません。

駅伝の成り立ちがアメリカに受け入れられるかどうかはさておき、この長距離走に対する熱狂度の違いを、度量衡システムの違いから見ていきましょう。



メートル法の1km 3分のペース

日本でのこの長距離走の熱狂状態。これはつくづく現在の長距離界トップ層の実力と、日本の度量衡システムが合致している産物だという気がします。

即ち、日本ではメートル法ですので、当然の如くmやkm表示です。タイム的には、現在の長距離界トップ層では、概ね1km 3分が目安になります。

先日の大学駅伝の選手レベルでも、1万メートル30分即ち1km 3分ペースで走るくらいの選手が揃っているのではないでしょうか。最近は実力も上がってきて、1万メートル29分台、28分台の選手が多くなってきていますが。

エース級の選手は本番の駅伝では、これを10~20秒下回る2分40秒~2分50秒位でスタートします。このペースで5kmのポイントでは14分強くらいのペースで快調にスタートしますが、10kmのポイントではやや疲れが出てきて、30分イーブン位のタイムに、終盤の疲れが出てくる場面では、1km 3分を超えてそれをどう挽回するかという所がポイントになります。

又、マラソンも大学の駅伝選手よりは実力の揃った選手が多いのですが、長丁場なのでこれも1km 3分が目安です。マラソンの世界最高が、42.195kmを2時間3分位で走りますが、これも1km 3分弱のペースで走ります。

これは非常に便利な指標で、1km 3分なので、5kmで15分、10kmで30分が目安となり、それに対する進み遅れで、コースの厳しさや、選手の調子が一目瞭然に分かり、応援にも力は入ります。

『うーむ。あの後半の厳しい所を、5km 15分、1km 3分ペースで走るとは頑張っているな!!』

『あの42.195kmを、2時間少し、1km 3分弱のペースで走りきる、とは素晴らしい人間離れをしたスタミナだ』

等の、感想がすぐに出てきて、レースに熱中します。

ヤードポンド法の1Mile 4分50秒のペース

アメリカは、世界の時流に逆らってヤードポンド法をとっていますので、このkmに相当するものはMileで表します。1Mileは1.61kmです。この世界では、この1km 3分の選手は、1Mile 4分50秒ですが、これだとこの積算が瞬時に計算出来なくなり、この距離とタイムの組み合わせは非常に難解で白けたものになります。

即ち、1Mile 4分50秒で走る選手は、2Mileで....えーと...9分40秒。このペースで3Mile走ると、.......14分50秒となります。これですと、日本の様に選手に肩入れ出来ません。

『うーむ。あの後半の厳しい所を、5Mile 24分10秒で走るとは、1Mile のペースは???????!!(これは1km 3分のペースです)』

『あの26.2Mileを、2時間少し、1Mileのペース???? 何か分からないがたいしたもんだ。』

となってしまいます。アメリカ人は、日本人ほど細かい数字を好みませんが、それと相まってこのMileという度量衡と長距離トップ選手のタイムのキリの悪さが、長距離走の応援の熱の無さになっているのでしょう。




大分以前に、こちらでも珍しくマラソンの中継をテレビでやっていました。あるオリンピック前のアメリカ国内選考会だったようです。しかしその実況は、タイム計時やラップタイムの表示が出るわけではなし、且つマイル表示でもあった事で、日本から赴任したばかりの当方はすっかり興ざめしました。アメリカ人も白けたのか、それからこちらに長い事いますが、マラソンのテレビ中継は見た事はありません。








スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
今年もどうぞよろしくお願いいたします
いちろうさん、明けましておめでとうございます。
今年もユニークな日米文化の比較論を楽しみにしております。

なるほど~(*_*)
刻むタイムは、選手にとっては大きな励みになりますもんね。
そこにカラクリがあったんだ。

そういえば、いちろうさんで思い出しましたが、日本で自主トレ中のイチロー、連続記録が途絶えて残念でしたが、今年は、プレッシャーから解放されて頑張ってほしいものですね。
2012/01/08(日) 23:54:01 | URL | Nemo #6jn2IUrI[ 編集]
Re: 今年もどうぞよろしくお願いいたします
Nemoさん、こちらこそよろしくお願いいたします。

> なるほど~(*_*)
> 刻むタイムは、選手にとっては大きな励みになりますもんね。
> そこにカラクリがあったんだ。

こちら、アメリカのレースは全部Mile表示です。5K(5kmの意味)、10Kと名づけたレースもありますが、途中表示はすべてMileです。フルマラソンは26.2Mileレースですし...私自身のレースでも、時計はMile表示(細かく設定しなおせばKmになるかもしれませんが、オヤジはGive up〔涙〕)ですので、このエントリーの様なことが起きています。

レースを走る人は、細かくタイムを割り振ってペースにしていますが、お茶の間の人はこちらの計時は面倒でしょうね。
2012/01/09(月) 07:22:39 | URL | いちろう indianaky #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック