アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの一極“非”集中-----大統領選討論会の場所と大企業の本社所在地
アメリカ大統領選がいよいよ大詰めになって来ました。先日、最初の討論会が行われ、オバマ、ロムニーとも論戦を戦わせました。ニュースの討論の模様を聞いていても、ロムニーの落ち着いた話しぶりが聞こえてきました。

さて全米注目の討論会。先日はコロラドのデンバー(Denver, Colorado)で行われました。コロラドは人口で全米22番目の州という中位の州。且つ位置的にも大規模州より離れた西部のいわば田舎の州。ここで討論会を行うというのは、日本では考えられない地方重視の考えです。日本でいえば、総選挙最終コーナーの政党党首の街頭演説を、岡山県か熊本県で行う様な位置付けでしょうか。

アメリカでは、日本で考えられないくらいに、この地方重視、一極“非”集中が進んでいます。


まだまだ続く選挙戦の一極“非”集中

この一極“非”集中は、先日の討論会だけではありません。次回の副大統領の討論会はその最たるものです。これは、我がケンタッキーのデンビル(Danville, Kentucky)で行われます。ここは、田舎の州のケンタッキーの中でも更に田舎の町で、人口は1万6千人しかいません。ここに小さな大学があり、そこを会場にして行おうというものです。

当方も仕事の関係で数回訪問したことがありますが、本当に何も無い平凡なアメリカの田舎の町です。田舎の州ケンタッキーでも、ルイビルやレキシントンといった大きな(と言っても全米的には中位の)街があります。支持票の開拓には、まだそれらの街の方が良いと思えますが、わざわざ小さな町を選んでいます。

これは、興味本位の特別措置ではなく、アメリカ人に染み付いた考え方のようです。ここに今年のこれからの大統領選討論会のスケジュールを揚げてみました。如何に一極“非”集中しているかが分かります。

10-3-2012 Denver, Colorado
10-11-2012 Danville, Kentucky
10-16-2012 Hempstead, New York
10-22-2012 Boca Raton, Florida

10月16日は、New York州で行われますが、これもNew York市の近郊のHempsteadという町です。

近年の選挙戦はメディアが発達したので、直接市民に訴える必要は無いかもしれません。それにしてもわれわれ日本人は、大きな州の大きな街で多くの人に訴え、その影響をメディアに伝えて貰いたいと思いますが、こちらの人々の考えは少し違うようです。

双方の選挙戦術として、地方といえども影響の大きい州でこうして討論会を行うのは理にかなっていますが、それにしてはオハイオやカリフォルニアをスキップしています(勿論こういうところは遊説で回っています)。これからしても、選挙の影響力の大きさだけではない考えが支配されているようです。

皆同じ方向を向かない、政治の中心や人口の多い大都市---- WashingtonやNew York-----の権威を信じていないアメリカ人の気質が出ています。

世界的な企業も

これは政治の世界だけではありません。経済でも同じ状況です。まだまだ世界的な企業を輩出し続けているアメリカのニュービジネス界。その本社は殆ど地方都市にあります。以下挙げてみますと、

Microsoft Redmond, Washington
Apple Cupertino, California
Amazon Seattle, Washington
UPS Sandy Spring, Georgia

日本であれば、大部分の大企業が東京に本社を置いていますが(愛知の巨大な田舎企業と自称していたあのT自動車も、併設ですが東京本社を設けましたね)、アメリカではその対極にあるようです。日本的な感覚で言うと、今や巨大な企業の本社は、経済の中心New York、又は、西海岸であればLos Angels当たりに集中しそうですがそうではありません。殊更選んだように地方都市に置いています。

事業活動の許認可も、“お上”の関与が少なく、又、事業者もそういう権威に屈しない気概を持っているアメリカの考えが、経済界でも一極“非”集中を生み出しているのだと思います。



デンバーといえば、こちらのインディアナポリスで長く活躍したFootballのQBペイトンマンニングがインディアナポリスのチームを去り、移籍した所です。MVPにも何度も輝いたマンニングであれば、大きな州のチームからも誘いがありましたが、地方のコロラドのチームに入りました。これも権威に屈しない、一極“非”集中の考えを体現した快挙といえます。






スポンサーサイト

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
地方分散型がデフォルトなので、各州・街が企業を誘致するべくいろんな手段を取れるのも強みですよね。
>“お上”の関与が少なく、又、事業者もそういう権威に屈しない気概を持っているアメリカの考えが
↑ここが、私が「いいな♪」と思うアメリカです。
先日のディベートで、ロムニー氏の、"We believe in individuals pursuing their dreams" 発言に、「おお、すっごくアメリカ」と喜んだうろこでした。
2012/10/06(土) 16:27:05 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさんコメントありがとうございます。

> 地方分散型がデフォルトなので、各州・街が企業を誘致するべくいろんな手段を取れるのも強みですよね。

最近すぐ近くの小さな町に、アマゾンの大配送センターが出来数千人規模の採用を行っています。そこはルイビルという中規模の街の近郊で、ルイビルも企業誘致策で誘致活動はしているのでしょうが、こちらの企業はさっさと小さな町に進出しますね。一極”非”集中の一の要因は、(こういう気概の他に)ハイウェイ網が発達していて、地方でもさほど困らないということがありますね。

2012/10/07(日) 01:09:26 | URL | いちろう #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック