アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの銃乱射事件------アメリカ一般市民にはびこる銃擁護派の本音
アメリカでの銃乱射による大量殺人はなかなか止まりません。コネチカットの小学校で20人を超す死亡事件があったと思ったら、こんどはニューヨークで消防士が消火作業に駆けつけたところを、銃で撃たれて死亡しています。

さすがのアメリカも、銃規制に対する議論が沸き起こっていますが、銃擁護派の本音の議論もまだまだ聞こえてきています。

有名なのが、最近のNRA(全米ライフル協会)の会長の発言です。コネチカットの小学校銃撃事件直後に銃規制の大合唱が起こった直後に冷水をかけるようなコメントを述べています。

“The only way to stop a bad guy with a gun is a good guy with a gun.(銃を持った悪漢をとどませる唯一の方法は、銃を持った善良な人だ)”

力を信奉する国アメリカ。こちらで生活していれば感じますが、NRAの幹部という特別な立場の人々だけではなく、一般の人も広く力と銃を信奉しています。

こちらの新聞やFB(フェイスブック)のコメント欄で紹介される、一般の人々の支持する意見を紹介します。





「目には目を...」


さすがに多くの小学生まで犠牲になった今回の事件をきっかけに、従来の保守派の国会議員もだいぶ銃の規制に方向転換をしようとしています。しかし、これとて所詮は銃の規制で、完全になくすという廃絶ではないわけで、世の中に銃は残存します。

となると銃の危険性は残るわけで、その対応にNRAの会長の様に、「やられる前にやっつけよう」という“力の信奉派”の論理が垣間見えてきます。これらの論調は一般の人々の間に根強く残っています。

“Disarming innocent people does not protect innocent people.(善良な人々の銃廃絶は、善良な人々を守らない)”

“You can ban guns, box cutters, knives, sward, stick or stones. You won’t disarm evil.(銃やナイフ、刀や棍棒や石は禁止できる。しかし悪魔の武装解除は出来ない)”


この辺りの論理が国際問題になると、“大国では核軍縮、イランや北朝鮮は核兵器禁止”というロジックになってくるのでしょう。

「銃が問題なのではない」

銃による残忍な殺戮事件というのは、普通の人は起こしえない心や価値観の異常者が起こす問題だ、という観点で銃を擁護する論理もあります。

“I don’t think it’s about more gun control. I grew up in the south with guns everywhere and we never shot anyone. This (shooting) is about people who aren’t taught the value of life.(問題はこれ以上の銃規制ではない。私は周り中に銃のあふれる南部で育ったが、他の人に向けて銃を撃ったことはない。この銃による大量殺戮は、命の大切さを教わっていない人々の問題だ)”

有名な映画スターもこの論調に賛同しています。

“I have a very strict gun control policy; if there’s a gun around, I want be in control of it.” Clint Eastwood (私は厳格な銃規制をしています。もし周囲に銃があれば、それを管理下に置きたいと思っています。クリント イーストウッド)

この論理を補足するのに、各要因別死亡者数の統計を取り上げています。一年間の(推測)死亡者数が多いのは、他の要因であり銃はわずかに10番目だ、というわけです。

1位----タバコ-----------520,000人
2位----医療ミス—--------195,000人
3位----不慮の事故-------118,000人
(中間 略)
9位----殺人(銃以外)----16,799人
10位---殺人(銃による)---11,400人
(注:殺人の中で一番多い凶器は野球のバット)


力の信奉の原点

国の成り立ちが植民地からの独立を経た国では、この独立の原点が“力の信奉”にあると定義し論理を進めます。

独立当初の18世紀では、独立の父と呼ばれたワシントンもこの論調を強調しています。

“A free people ought not only to be armed and disciplined, but they should have sufficient arms and ammunition to maintain a status of independence from any who might attempt to abuse them, which include their own government.” George Washington(自由な市民は、規律正しく銃で武装するだけでなく十分な武器や攻撃で、我々と政府を迫害攻撃するものから守らなければなりません---ジョージ ワシントン)

こちらでは、“独立(Independence)”という事は、他国からの独立のみならず色々な規制からの独立ということも含まれています。以下の論理も、あながち脅しだけにとどまらないようです。

“If they ban the guns, the 2nd American Revolution begins!(もし銃廃絶すれば、アメリカの第二次独立戦争が起きるだろう)”

こちらでは普段から、一般市民の軍隊や兵士に対する畏敬の念がすごく高い状態にあります。空港でも、一般客に混じり軍服を来た兵士が搭乗しますが、その時に一般市民から感謝の握手を求められている姿をよく見ます。そうした背景を考えると、これらの論理が一般人に浸透しているのも、むべなるかなと思います。



当方の周りでこれらの意見を紹介する人々は、マッチョマンの武闘派のみと思いきや殆どが善良な紳士淑女達です。それだけに、銃の擁護派は社会に強く根を張っており、この本音を駆逐してしまうのは遠い道のりになりそうです。



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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
2012年もお世話になりました! 最後の最後にタイトルのぶっ飛んだ本を世の中に送り出してしまい、新米の力の無さをかみ締めております(中身は気軽+実用的をひたすら目指しましたんですが)。
……なんてことはさておき、

義理家族はみんな議論ダイスキ暴力大ッ嫌いの学者ぞろいなのに、それでも揃って銃擁護派です。(ま、相棒は海賊も出る海域を行く船乗りなので、銃が欲しいといっても不思議ではないのですが)
義理家族いわく、「山の中暮らしでは必要だろうから、ミサコも銃を持つべきだ」、とのこと……「山の中暮らし」が銃を持つ理由になるのかわからない私は「あんたは日本人だ」と片付けられてしまうのですが、深く根の張っている感覚なのだな、と実感しました!
今年は大雪だったようですが、暖かくてよいお年をお迎えくださいませ!
2012/12/31(月) 18:22:48 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、ご活躍の様子、こちらからも応援しています。

確かに、覚めた目で見ると銃による効用というのはあるようですね。①アメリカでは一般家庭への強盗が少ない様に思う(ニュースによれば)。各家庭で銃を保持しているので、強盗も恐れをなす。②ハラスメント/公衆での面罵、が少ない。銃での報復が怖いので、Polite(に、日本語が出てこない)になりがち。③よって自殺率も少ない。

社会の成り立ちが違いますので(即ち文化が違う)、なかなか難しいところですね。

とにかく、今年一年ありがとうございました。来年(2013年)も宜しく。
2013/01/01(火) 05:02:32 | URL | indianaky #-[ 編集]
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