アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
英語の冠詞------ 英語社会で、a chickenとthe chickenの理解からThis is a penを考える
英語には冠詞という日本語に無い概念があり、日本人英語学習者を悩ませてくれます。不定冠詞と定冠詞の違いはなかなかやっかいで、さまざまな解説が出ていますがなかなかピンときません。

その中でこれはと思われる解説がありました。在米生活大ベテランの、うろこさんのブログでの解説です。

『a chicken というと、一羽のニワトリ。何羽かいるニワトリの中から、どれでもいいから一羽選んだ、という感じ。』

『the chicken というと、「あ、あのニワトリね」という感じで、会話相手との間では同じニワトリが頭に浮かぶ感じ』

chickens photo
(うろこさんのブログ画像より)

私が、この解説がいままでの日本の英語解説に無い優れたものを持っていると思うのは、a chickenも所で鶏を二羽写し出し、the chickenの所で一羽だけ映し出しているところです。

即ち、いくつか思い浮かべるうちの一つをさす時は不定冠詞、一つだけ思い浮かべる時は定冠詞となるのがポイントです。

今回は、この冠詞の“感じ“を、こちら英語社会での実例を見ながら説明したいとおもいます。
不定冠詞のaはいくつかある中から一つ選ぶ場合

多くのものの本によると、不定冠詞は「指示対象が特定できない物」との解説があります。これが曲者で、多くの日本人は“わざわざ会話や文章に取り上げる事なので特定出来る事だ”という事で、不定冠詞ではなく定冠詞のtheをつけがちとなります。

この取り違えを防ぐ為にも、うろこさんの解説である、『a chicken というと、一羽のニワトリ。何羽かいるニワトリの中から、どれでもいいから一羽選んだ、という感じ。』を身につけると良いようです。即ち、不定冠詞のaはいくつかある中から一つ選ぶ場合に使うと考える事です。

説明の添付の写真でも、鶏を二羽写した中で一羽を指すときに不定冠詞であると説明しています。

目の前のそこにあっても不定冠詞のaを使う、この“感じ”

英語現場でのその実例です。と、ある日行きつけのスーパーマーケットに行きました。そこで遭遇した店内の商品表示の英文です。

ビールの売り場です。ここには世界各地からの、いろんなブランドのビールが揃えられています。その中から、6個入りの紙容器(Carrier)に詰めて買ってくださいという説明です。その英語説明文として以下があります。

Grab a carieer photo

How to mix a 6
1. Grab a carrier.
2. Choose 6 brews mix and match.
3. Enjoy your custom-made sixer-cheer.

Carieer photo

その下に、折りたたみの紙容器がいくつか置いています。これから選んで下さいというものです。目の前にある“その特定できそうな”紙容器ですが、「いくつかある中から選ぶ」という事で、Grab a carrier.という不定冠詞を使っています。日本人の英語観(?)からいうと、なにやら限定されているところなので定冠詞のtheを使いたくなるところですね。

又、同じスーパーですが、近くのケーキ売り場です。そこにかかっている案内板には、

Cakes photo


Cakes. Special orders? See a team member for details.

と、店員さんをa team memberと、不定冠詞で規定しています。目の前にいる“その手前の”店員さんに頼もうとしているのにです。これも、写真にありますが、何人かいる店員から一人選ぶ場合には、この不定冠詞表現となっています。

特定されてもないのに、既知でもないのに、theの定冠詞

従来の日本の定冠詞の説明では、「特定されているもの、既知の事」は定冠詞のtheがつく事になっていますが、英語社会にいると(日本の皆さんは英文を読んだりすると)特定されてもないのに、既知でもないのに、突然theの定冠詞がついて戸惑う事があります。

これは、写真でもあるように、一つだけ思い浮かべると突然でも定冠詞となるという使い方をするからです。(既知というのは、会話者同士で他のものは消去されて当該物のみ一つだけ思い浮かべる、という意味で、定冠詞となります)。

この写真は同じスーパーの、他売り場にある表示です。

Heres the story photo

Here’s the story….

ある製造者(チーズだったと思います)の会社のトピックスを紹介していますが、大して有名でもない既知でもない会社のトピックスでも定冠詞のtheがついています。

ある時はa、又ある時はtheの理由

上記の様に、英語社会では特定の物であるのにa、既知でもないのにtheが出てくる時があり、英語学習者を混乱させます。これを理解するのには、「いくつか思い浮かぶ時はa、一つだけ思い浮かぶ時にはtheを付ける」と理解すると、すっきりします。それらの実例を見てみましょう。

同じ様な診療所とお医者さんでも、a great heart centerとthe doctor

これは近くの道路に立っている看板です。同じ医療関係の看板でも一つはA great heart center for all of us.、もう一つはThe doctor will see you now.となっています。

A great heart center photo
A great heart center for all of us.)

The doctor photo
The doctor will see you now.)

A great heart centerはいくつかあり、the doctorはお医者さんが一人だけいるという理解でよいです。

An earthとthe earth-------地球というのは特定できるのでthe earthと習いましたが(太陽系では一つだけ)、時々an earthと出てくることがあります。これは銀河系や宇宙全体を考えると、地球に似た惑星はいくつかあるので、その時にある地球を指すときはan earth。

A third floorとthe third floor---序数はすべからく定冠詞と思っていましたが、ビルの三階でもいくつかビルがある中の三階になるとa third floor。

A most とthe most-------a mostは、わざわざ英語辞書には「とても」と訳がついていますが、これも最もXXな物がいくつかある中で一つを指す場合がa most、最もXXなのが一つだけな場合がthe mostとなるようです。Mostが最上級だからいつも一つだけ指すとも限りません。こちらのドキュメンタリー映画にはよく、most exciting storiesやmost dreadful scenesというものがあります。

the CEO and a COO-----これは新聞で見た表現です。地元のある経済人を紹介する記事で”He is the CEO and a COO ~”とありました。その会社には、CEO(Chief Executive Officer) が一人でCOO(Chief Operational Officer)が何人かいる中で、そのCEOの彼は、あるCOOも兼務しているとの事です。

してみるとThis is a pen.の理解は

英語学習のときに出てくる一番最初のフレーズが、This is a pen.です。これは英語教育を語るときによく引き合いに出されます。しかし、一番ポピュラーなフレーズを教える時に考慮されなかった事があります。これが、「不定冠詞のaはいくつかある中から一つ選ぶ場合」という事です。

せめて、この写真の様な説明があると日本人の冠詞に対する理解ももう少し進んだでしょうにね(ついでに、This is the pen.の理解様の写真も掲載しておきます。

This is a pen photo
(Penがいくつかある中の一つを指す場合)

This is the pen photo
(Penが一つだけある場合)


最後に当方がFacebookに書いた英文を掲載しておきます。これの冠詞の使い分けで冠詞の“感じ”が出ているでしょうか?

「I and my wife walked on the Big Four Bridge that has been modified from a railroad bridge to the walking trailed bridge. We enjoyed spectacular scenes from the bridge.
旧鉄橋を改造して遊歩道に改装された橋を歩いてきました。橋の上からの眺めは素晴らしいものでした。」




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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
ややや、在米生活大ベテランはいちろうさんですよ!
私は米領サモアのベテランの一人かもしれませんっ(島に5人しかいなかったという事実において、No5 には入っているかと)

…はさておき、うれしいご紹介をありがとうございます!

文法も、ルールでがんじがらめというより、会話中で掴む “感じ” が、すごく大事なのですよね。
アメリカのスーパーの様子で、イメージもつかみやすいですね!
新企画にネーミングをして、mix a 6 の買い方を a で説明しているのも面白いですね。6個入りで1個、いくつ買ってもいいんだよー、とそんな声が聞こえてきそうです(^^)
こちら田舎は、このように洒落た商品企画がありましぇん…。というわけで今日も私は Bud Light (ジーンズが正直すぎるので泣く泣く Lite に)
2013/06/10(月) 18:17:19 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、コメントありがとうございます。
そうですね、小売の場での商品の不定冠詞 a は、いくつかあるんだよーと呼びかけている感じがしますね。これが、定冠詞のtheだと、それしかないよという感じになり、チョイスが狭まりますね。このときスーパーで撮った写真を振り返ると、商品紹介絡みは殆ど不定冠詞 a がついていますね。
2013/06/11(火) 13:03:41 | URL | indianaky / いちろう #-[ 編集]
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