アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「新緑や 山道これより 狭くなる(いちろう)」-------俳句的な日本語的英語の物足りなさ
こちらアメリカ中西部も、新緑の鮮やかな季節になってきました。特にこの辺りは広葉樹の多いところですので、寒い間は木の葉も落ちて、道の反対側まで見通せるほど広々していましたが、新緑が一斉に吹き出すと、道に覆いかぶさってきてその道も狭く感じます。

規模は違いますが日本でも同じ事で、当方の田舎(九州の山間部)でも今の時期新緑で山あいの道々で、うっそうと新緑が覆いかぶさってきて、道が急に狭くなった感じがします。

この様(さま)を詠んだ俳句の名作(?)に、

「新緑や 山道これより 狭くなる(いちろう)」

があります。

これは当方が中学生の時に、同じ新緑の時期に、国語の先生から「俳句を作ろう」と課題を出され、作ったものです。季語は入っているし、新緑でいつも通る山道がダイナミックに変わっている様(さま)を詠んだ名作だと、一人感じ入ったものでした。しかし、この名作も入選する事も無く(選外佳作だったでしょうか)がっかりしたものでした。

選評の時の件の先生の評価は、「何が言いたいのかイマイチ分からない」との事でした。確かに俳句というのは、言外の意を如何に感動的に伝えていくかを競うもので、限られた言葉でどう表現するのかがポイントになります。これに対して、文学少年でもなかった中学生の語彙では、先生に言外の意が伝わらなかったのでしょう。

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(アメリカの「新緑や 山道これより 狭くなる」)



俳句的な日本語的英語

これからが本題ですが、長く英語圏で暮らしていると、我々日本人の構成する英語の会話は、この言外の意に頼りがちになり、ネイティブの人たちから見ると怪訝な表現になりがちです。当方の出来の悪い俳句の二の舞になります。

よく企業であるのが、収支的に厳しくなった折に幹部から出てくる、

「経済環境が大変な折、一致団結して頑張りぬこう!」

という檄です。

これは、日本人には概ね理解出来その意を汲んで行動計画も立ちますが(これも、最近の日本の企業コンサルティングでは、悪いコミュニケーション伝達表現例としてあるようですが)、アメリカ人にはこれを直訳しても怪訝な様子を浮かべる人が多いです。

これを無理に英語に訳すならば、

“Seeing hard time of current economy situation, let us strive in the manner of co-operation.”

とでもなりましょうか。

しかし、多くのアメリカ人には消化不良の英語表現になるようです。確かにこの表現は、アメリカでも会社のスローガンや掲示物に集約された形で現れる事がありますが、一般的に言葉や文字になって発せられる時には、これだけでは物足りないようです。

これを英語で発するときには、概ね以下の様になります。

“Because of being bad economy in the world, we, XXX company, have hard time due to low sales and low availability of operation. All those who are in charge of sales must try contacting customers more and other in factories should be minimize costs in your own areas………”

(世界的な不況で、わが社も売り上げ減や稼働率の低下で苦しい時を迎えています。まず営業担当は、顧客との接触を増やし、又他の工場関係者は担当部署の費用発生コストを極小化してください....)

この英語は、日本語から見ると「俳句の様なもう少し意を汲んで、言わずもがなの事は省略しろ」とも言うべきくどい言い回しになっています。しかし、英語世界ではこれ位が普通であり、リズムとなっている様です。

当方の俳句も英語にすれば

当方の名句も英語にすれば、言わずがもな事をペラペラと言うくどい英語----日本人から見れば-----になります。当方の俳句、

「新緑や 山道これより 狭くなる(いちろう)」

を日本語的に直訳すると、

New green leaves get trails narrowed in the deep mountain.

となりますが、普通の英語ではもっとくどくなります。

In the spring time, leaves are grown and covered on trails. In cold time they have spacious room above them due to no leaves. In contrast, right now the leaves get them narrowed, I feel, in the deep mountain, specifically.

こんなにくどくど言わなくてもわかるだろう、と日本人なら思いますが、英語の世界ではこれ位が当たり前です。基本的には俳句のない英語圏では(英語俳句なる趣味もあるようですが)、これくらいのくどさが普通で、最初の日本語的英語では物足りなさが残るようです。





英語世界に慣れた当方。この俳句的言外の意を汲む言い回しが無いからでしょうか、アメリカに来て、俳句の名作(?)第二段は完成していません。これからは、すこし昔を思い出して、俳句にいそしむ事にしましょう。能力の問題だ、との突っ込みはやめて下さいね。







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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

コメント
この記事へのコメント
すてきな俳句!くねくね山道を歩くのが大好きなので、ああ、いよいよ深い山に分け入っていくぞう…と、表現されぬ言葉の中から山道の景色が広がって、幸せに飲み込まれました。

英語と日本語の性質の違い、同感です!
本当に、英語は「しゃべる方の責任」が大きくって、日本語は「聴く方の能力を信じて任せる」ことが多いのですよね。

…で、最近、私は日本語でお客様としゃべると「そこまで言わなくてもわかるがな」と叱られます。ぬぉー。(元々、説明のくどいタイプだったのでした…)
2014/05/21(水) 05:05:15 | URL | うろこ #-[ 編集]
Re: タイトルなし
うろこさん、コメントありがとうございます。

この俳句は、もう50年も前に作ったもので未だに覚えています。昨夜何を食べたか忘れているのに....

当方も、英語圏に長く居るので日本語でも話がくどくなり、当社親会社(日本)の社長に説明するに、「いいですか?(You know?)」、「繰り返しますが...(...again)」、「と、いうのはですね(which means...)と言って憮然とされます。むこうは「俺にそこまで言わなくても!失敬な!」と思っている事でしょう。
2014/05/21(水) 12:35:33 | URL | indianaky #-[ 編集]
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