アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
グローバル人材の要件-----「日本人のアイデンティティー」って何?
最近、グローバル人材の要件でネット検索していたら、その中に以下がありました。

*Global人材 

要素1 : 語学力、コミュニケーション能力。
要素2 : 主体性.積極性、チャレンジ精神、協調性.柔軟性、責任感.使命感
要素3 : 異文化に対する理解と、日本人としてのアイデンティティー。
 (文科省 Global人材の定義)

要素1、2、と要素3の「異文化に対する理解」、までは納得ですが、要素3の後半の「日本人としてのアイデンティティー」というのが、要素として入っているのは理解不能です。

毎日毎日、こちらアメリカで戦場の様な毎日を送っている当方ですが、そのやり取りの中で日本人としてのアイデンティティーを自覚しながらやり取りを行っていることはまずありません。



「日本人としてのアイデンティティー」って何だ?

まず、「日本人としてのアイデンティティー」なるものがどういうものか不明ですね。日本人1億2千万人。人それぞれ価値観も考え方も違います。

当方に当てはめてみても、育ちは九州の田舎で、お寺は浄土真宗で死生観や風習はしっくり来ますが、信教の自由もあり、それが当方の日本人としてのアイデンティティーとして打ち出せるかというとそうでもありません。

まてまて、“お上”はそんな事を言っているのではない。もっと「日本人としての謙虚さや奥ゆかしさというアイデンティティーを持ちなさい」と言っているのだ、と譲りましょうか。しかし生き馬の目を抜くグローバルの世界では、この日本的謙虚さは命取りになります。他の専門家のまとめたGlobal人材の要件では、「観念的ではなくはっきりして具体的な説明」や「あうんの呼吸ではなく、合理的な説明」という、日本人としての“良さ”の反対の行動が求められています。

又々、日本人としての麗しい集団意識で日本人同士がつるむのも、日本人にありがちな日本人のアイデンティティーかもしれませんが、これもグローバル社会では忌み嫌われる行動様式です。

この定義をアメリカ社会に置き換えると、やや無理筋なのがわかります。まず、アメリカの政府機関がアメリカ人のグローバル人材要件として通達を出すとします(まず、アメリカでは“お上”がこんな余計な事はしますまい。“そんなことをするのなら、我々のお金、税金を返せ”という意見が国民から噴出してくるでしょう。日本のお役所は色々仕事を作って忙しそうにしていますね。同じ様な通達は経済産業省からも出ているようですし)。

その中に、「アメリカ人としてのアイデンティティー」(英語で言うと”American ways of thinking”や” American perception”とでも言うのでしょうか?)などという事が出てくるでしょうか?思想信条の自由、個の世界、平等の世界のアメリカで考え方信条は人それぞれ。こんな通達を出したら裁判沙汰になるかもしれません。もっとも合理的な説明が求められるグローバル社会の真っ只中アメリカでは、意味不明で相手にされないかも知れません。

グローバルで仕事をする時に胸に秘めている事

それでは、グローバルで仕事をする時にどういうことを思っているか、当方の事例で紹介しましょう。本日、こちらアメリカの職場であった事柄です(アメリカのこの地方が、グローバルなのかどうなのか?という事は置いといて)。

本日、ある品質問題で、顧客の一団が当方の会社にやってきました。この品質問題は、製品立ち上がり後の仕様の確定がはっきりしなかった事もあり、当方の会社だけの責任ではなく、双方に責任があります。

そこで、当方が準備したやり取り内容は、

1. 過去の問題のおさらい。
2. 今までの図面での要求内容の確認。
3. 彼我の責任区分の明確化。
4. 今後の具体的対応の確認。実施部署の確認。
5. 対応の評価の部署、判定方法の確認。

位だったでしょうか。この対応で「謙虚さや奥ゆかしさ」、「観念的であうんの呼吸」のやり取りでは到底解決しないものです。そんなものは取り除いた冷厳な確認や明確さが必要です。

ついぞ、「日本的なアイデンティティー」というのは出てきませんでした。



考えてみまするに、、グローバル人材の要件として多くの識者が挙げている、「観念的ではなくはっきりして具体的な説明」や「あうんの呼吸ではなく、合理的な説明」ということに対して、一番欠けている要件が「日本人のアイデンティティー」という表現ではないでしょうかね。当方には理解不能です。







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