アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
グローバル人材の要件-----「英語ができるだけではダメ」とは言うものの
グローバル人材の要件を検索していると、色々な要件論に出会いますが、その中に「英語ができるだけではダメ」という論調があります。

『現在社会において、万事多難な状況を乗り越えて仕事をやりぬくには、英語の能力以前に仕事をやりぬく能力が必要である。英語の問題は、通訳を配置して解消すればよいのであるから、経営資源の有効配置で、通訳を採用してつければよい。これぞ仕事能力のある人間の打つ手である。英語のペラペラの帰国子女を連れてきても、たいして会社の重要な仕事が出来なかったではないか!(これって、少し比較のベースが違うような気もしますが)』

こういう論調は、よく目にしますし耳にもします。「それはそうだよな」とも思いますが、こういう社員がグローバル子会社に赴任してくると、トホホな目に会う様です。

こちらアメリカで見聞した、そのトホホの事例を。





通訳が足りない!

当方の顧客のA社。Tier 2(最終顧客から二番目のレベルの会社)ながら、躍進中の会社で大忙し。日本人社員が4~5人赴任しており、専属通訳を一人、現地採用の日本人営業マンに本業の傍ら通訳応援をしてもらっているようです。

この会社の赴任者達は、英語はだめですが、皆仕事をやりぬく能力抜群です。まさに上記のグローバル要件に合致した方々ばかりです。必要な都度通訳を活用しているようです。

通常はこの二人の通訳で回っているようですが、先日このA社の技術のXさんがアメリカ人社員と最終顧客訪問を行いました。アメリカ人同行ですので、通訳を引き連れて行きました。悪い事に、英語を使える日本人営業マンは、他の顧客に出払って不在。A社工場には通訳不在となりました。

そんななか、その顧客訪問中のXさんから当方に電話があり、当方の会社からA社への出荷を変更してくれとの事でした。そのXさん、上司の日本人のYさんに連絡すればよいのですが、A社では通訳が出払っており、YさんからA社内情報伝達の方法がありませんでした。それで、当方に直接話が来て、なんとA社のアメリカ人と話をしてくれ、との事。

通訳の適正配置も、業務活動が延びきってくるとなかなかままならないようで、トホホな事態となります。

叉、日本の誇る世界的な自動車部品メーカーのB社。グローバルな展開でも最先進の会社です。その子会社が近くにありますが、最近当地の日本人居住者相手に通訳大募集を始めました。なんでも、ある大きなプロジェクトで日本から大量に日本人応援出張者が来訪。その通訳が必要だとか。

「世界の○○○○」を標榜しているこの会社も、内情はトホホなようで。

万事多難仕事をやりぬくには、やはりキメ細かいコミュニケーションが必要。それには通訳は四六時中必要となりますよね。「英語ができるだけではダメ」ではありますが、英語が出来ないと多量の経営資源を費消する事になりますね。

スピード感に欠けた仕事

同じくA社の話題です。当方の会社からA社に納入の製品で品質不具合がありました。当時、量産前段階で、A社、当方の会社とも日本人が関与していました。そのA社のZさんから、当方に不良対策書を書いて提出せよ、との指示がありました。

当方は、当方の会社のフォーマット(英語版)もあり、A社内情報展開もあるので、英語版が必要だろうと思い、英語で対策書を提出しました。

ところが(後で知ったのですが)A社内では、日本人用に通訳を使いその英文を日本語に訳して、Zさんに提出。当方に内容確認が来たのが、なんと英文提出後一週間も経ってからでした。

こんな事なら日本語版も一緒に提出するのだった、と思いましたが後の祭り。これでは、対策書の内容確認も鋭い指摘で、なかなか仕事が出来るな、という感じですが、いかんせんスピード感にかけますね。

法務的にアブナイ状況

こういう社員は、大体現地会社の幹部社員が多いですので、アメリカ人採用等の人事面の方針決定を下す立場にあります。

そこで出るのが、日本でやりぬいた仕事の慣習。所々に、日本では問題になりませんが、アメリカの法律に触れる様な事を言いがちです。曰く、

「この仕事には、女の子の採用でもよいのでは?」

「彼はもう年だから、こちらの仕事に変えたら?」

「彼は太っているから、この仕事はさせられないのでは?」

(たまに、人種に関する話も出て、アブナイ状況です)

アメリカでは、これらの項目は発言自体もご法度で、これが発覚するとまず裁判問題になります。こういう仕事をやりぬける人達は、グローバルの文化の違いは日本で習ってきたのでしょうが、英語を少しでもかじってグローバルの世界を覗いていないと、いざという時にこういうアブナイ状況に陥るようです。





「英語ができるだけではダメ」ではありますが、その信奉者達もトホホな状況は避けられないようで....





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