アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
「英語で考えよ」よりも「日本語で良いから英語的に考えよ」-----英語を咄嗟に出すには
英語力のかなりある人でも、英語が咄嗟に出てこないという事はよくある話です。これは、日本語と英語の文の構造が違う、文型が違うという事から来ているようです。これを防ぐために、「英語で考えよ、日本語で考えるな」ということが言われていますが、これも上手く運用しないとドツボにはまります。

当方の推奨は、「英語で考えよ」よりも「日本語で良いから英語的に考えよ」です。

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(金田一耕助とNancy Drewの会話文比較)




日本語と英語の会話文

英語を話す能力を上げる学習方法の一つに、当方はよく小説の会話部分のみをなぞっていくという方法をとっています。小説という架空の世界ですが、会話の部分はやはり現実の会話のパターンが良く出てきます。どういう風に話しているかを知る事は、実際の会話に遭遇した時の参考になります。

いくら名文でも通常の描写部分の英語は、会話という点では参考にはなりにくいものです。

以下に、当方が読んでいる(読んだ)日米の小説の、会話部分を抜き出してみました。当方は推理小説が好きでよく読んでいます。

日本語の会話文

日本ものでは、いろいろ読み漁りましたが、ここでは横溝正史を取り上げました。横溝正史は大分前の人で、現在のようにグローバル化が進んでいない時代ですから、会話部分も純日本的な言い回しに終始しているようです。

今回はその横溝正史の「金田一耕助の冒険」のなかから選びました。以下です(会話部分のみ収録しましたので、話は飛んでいます)

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「つまり、こういうことになるんですね」
「昨夜...というよりけさ、すなわち七月二十八日の午前一時ごろのこと、所管警察のパトロールが焼け跡の付近を巡回していたところ、こわれた塀のあいだからなにやらボーっと光るものが見えたんですね」
「それでふしぎにおもってなかへはいったところが、そこにホタルのランタンと死骸が転がっていたというわけです」
「しかし....」
「いや、それがね金田一さん。わたしもけさはやく現場を見てきたんですが、それはひどい雑草でね、その雑草のなかに埋まっているんですから。ゆうべ...いやいや、けさだってホタルの光が見えなかったら、パトロールは気づかずにすましていたかもしれないんです」
「しかし、そのホタルはきのうもおとといも光っていただろうに....」

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う-む。それぞれの会話文を、英語で伝えるのは骨の折れる仕事ですね。主語、述語がはっきりしません。例えば日本語会話の冒頭の、

「つまり、こういうことになるんですね」
を取り上げてみましょう。

一見するとなにやら実体の無い、英語の学習時にはあまりお目にかからない表現です。

この表現も、「『つまり』というのは....”As a result”で、『こういうことに』は....」と英語で考えても、頭から順番に訳していくとドツボにはまりますね。

ここは、日本語ででも「SがitでVがturn out。付加疑問文にするか。で、

”It turns out that, doesn’t it.”にしよう(”It will turn out that, won’t it.”でもよさそうですね)」

でとりあえず、用は足ります。『つまり』が抜けていますが、総意には関係ないでしょう。

それを頭から英語で考えると、えてして『つまり』でつまずいて、頭の中が真っ白になるという事が起こりがちです。それよりも、日本語でも良いので、文型を考えて骨格を作り英語に変換していく、という方法が良いのではないでしょうか。つまり、英語で考えるではなくて、日本語で英語的に考える、という事です。

英語の会話文

アメリカの小説は、現在は”Nancy Drew Mystery Stories”というシリーズ物を読んでいます。これは、Nancy Drewという大学生が、友人たちと事件解決していくというものです。こちらでは、ティーン小説(高校生向けか?)に該当するもので、そう高度な内容ではないため当方のレベルにちょうどマッチして、よく就寝前に呼んでいます。これも長い事続いており、第1巻から始めて現在34巻。10年を越えて読み続けています。

これも、会話部分のみを抜粋してみると、

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“Did Mr. Hoelt leave a forwarding address?”
“Sorry. He didn’t, and I have no idea where he was going.”
“But perhaps you might find him in the Yew York City telephone directory.”
“He gave that as his business address.”
“Could you give me some information that might be helpful in locating Mr. Hoelt?”
“Perhaps he made some long-distance telephone calls.

“I’ll look up his bill.”
“Mr. Hoelt made a long-distance call to Lancaster, Pennsylvania, three days ago.”
“I remember now that he was very insistent that we put the call in at exactly three P.M.”
“He talked a lomg time according to the amount of the bill.”
“Will that help you?”

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副詞あたりの修飾語が冒頭に来ているものはありますが、基本的にはS+V+....の文型に沿っていますね。繰り返しますが、この小説はティーン向けなので、会話文も平易な内容です。Agatha ChristieのPoirot(ポアロ)もの辺りになると、すこし複雑になるようですが。

こうしてみると、英語というのは愚直なまでに修飾の少ない文型に沿った会話文になるのですね。日本語を英語に訳す時も、こういう愚直な文型にしないといけないのでしょうね。



英語は日本語で考えずに英語で考えよ、と言われていますが、この修飾語満載の日本語の文型のまま日本語を考えても埒がいきません。やはり日本語ででも英語的に考えた後に、英語に変換しないといけないようですね。






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コメント
この記事へのコメント
以前にコメントを投稿したものです。
2月24日付けの記事にリンクを貼らせてもらいました。
よろしければ、私のブログも読んでみてください。
2016/02/24(水) 19:57:07 | URL | eriosyce #-[ 編集]
Re: Re: タイトルなし
> eriosyceさん、
>
> コメントありがとうございました。ブログ読ませていただきました。確かに"challenge for change"はこちらで聞きませんね。良い語呂合わせなのですが。
2016/02/25(木) 09:09:28 | URL | indianaky #-[ 編集]
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