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アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの“働き方改革”-----------“働き方事情”の紹介
日本では、働き方改革の議論が喧しくなっています。有名広告会社での、従業員による長時間残業に伴う自殺に端を発した問題で、国会でも制度改革の議論がなされています。

翻って、当方の働いているアメリカではどうか?就労制度の違うアメリカでは、日本の様な問題は顕在化していません。

以下、アメリカの“働き方事情”を紹介します。





残業は会社にとって割に合わない

アメリカでも残業はあります(日本で言う管理職と同じ、Exemption=エグゼンプション、という例外地位もあり、その人達は残業手当はつかない)。繁忙期には、会社は一般社員でも残業を命じます。

しかし、やむにやまれぬとはいえ、その残業コストは日本よりはるかに高くなり、それがアメリカでの残業があまり増えずに、問題が顕在化していない一因といえます。ここに、日米残業代の比較をすると以下になります。

日本 アメリカ
時間外 割増率 1.25倍 1.5倍(週40h時間越えの時)
休日出勤割増率 1.35倍 (法規はなし。実態は2倍)

時間外割り増しが日本より20%、休日出勤が48%程高くなっています。これは、まっとうな(サービス残業等強要しない)会社側にとって、残業コストがそれだけ嵩む事になります。繁忙期には残業で対応しなければならないわけですが、正直なところ会社側にとってコスト上の痛みとなり、どこかでブレーキがかかってきます。

ただでさえ人件費高沸の折、残業で繁忙を切り抜けるのは、割に合わないわけです。

(アメリカは州により法令が違い、付帯条項は州により変わってきますが、基本は上述の様なシンプルなものです)


労働市場の流動性(会社側)

アメリカは労働市場の流動性が高い国です。職務に応じて繁忙期に必要であれば採用をかけ、叉、非繁忙期に必要でなければ解雇します。調整が可能な制度です。

これにより、会社側としては繁忙期には残業に頼るより、必要人員を採用して乗り切ったほうがはるかにコスト安となります。よって残業による長時間労働は、制度面からも歯止めが利いてくるわけです。

日本では、一旦従業員を採用すると、解雇調整が難しく、閑散期にはコスト高の要因となります。それで採用増員を嫌がり、残業で乗り切ろうとします。これが長時間残業の大きな要因となっているのでしょう。

調整の容易な、労働流動性の高いアメリカでは、この心配が無いわけです。

労働市場の流動性(労働者側)

これは、労働者側にとってもありがたい制度で、いつでも(一般的に)他の仕事が見つかり応募が可能なわけで、一箇所にしがみつく必要は無いわけです(特に失業率の低くなっている現足下、会社にとって人集めが大変、労働者側にとっては、売り手市場となっています)。よって、意に反して長時間労働を強いる職場とは、いつでもオサラバできるようになっています。

これによりまっとうでない会社にとっても、ブラックな管理が出来なくなるのです。

終身雇用制(将来性の担保)

労働市場の流動性と関連しますが、アメリカは日本と違い終身雇用制ではありません。同じ会社に何年いても、大きく昇進する可能性はありません(一般的に)。“上”を目指すためには、仕事のキャリアを重ねていく、即ち、転職をしてキャリアを積み上げるのが一般的です。自分の将来はその会社にあるのではなく、転職して如何にキャリアを積み上げていくかにあります(優良会社のエリート労働者は、昼夜を厭わず働いている、というのは事実ですが、これは当人の会社へのコミットがそうさせている様です)。

会社への忠誠により、現在無理をして長時間労働をする必要は無いわけです。よって、日本のような、自分の将来の為に無理な長時間労働も厭わない、嵩じて、長時間労働から抜け出せない、という事が少ないわけです。



制度の違うアメリカの状況を紹介しても、日本の現状問題解決にはなりませんが、それでも、日本で“働き方の罠”に落ちかけている人々にとって、アメリカの“働き方事情”は参考になるのでは?







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