アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの度量衡システムが物造りの底辺の拡大を阻害していないだろうか?―――草の根評論家の見るアメリカ物造り衰退の原因
アメリカの毎月の新車販売報告では日本車の躍進、アメリカBig3の長期低落が止まりません。フォードシステムによるかっての自動車王国、物造り王国の座はどうなったのでしょうか?家電では既に早くから日本アジアにその座を明け渡し、アメリカでブラウン管製造はなされていません。

自動車は完成車輸送費が相対的にかかる為か、はたまたその産業の裾野の広さのゆえか最近までアメリカも(政治力も使って)国内で頑張っていましたが、ここに来て崩壊現象を起こしているようです。

物の造りの面では、日本と較べると何が違うのでしょうか?①手先の器用さ、②清潔感の違いによる潔癖さ、等々色々論じられて来ましたが、今回は度量衡の違いにスポットを当てて見ました。アメリカのヤードポンド法のややこしさが物造りの底辺を狭めているのではなかろうか?というのが論点です。

1インチの12倍が1フィート(Foot)である

いちろうの会社は日系で、日系の自動車会社、自動車部品会社がお客さんです。これらのお客さんの図面はメートル法(Metric)を採用しています。これはご存知のように簡単です。1mmの10倍が1cm。1,000倍が1m。1,000分の1が1ミクロンです。

アメリカの会社のお客さんもいます。又、材料、工具等の調達はこちらの地元の会社です。これらはヤードポンド法の図面を使います。これは少しやっかいです。

こちらの図面では通常インチ(1インチ=25.4mm)を使います。しかしフィート(英語ではFoot System)も有ります。1フィート(Foot)が12インチです。メートル法の様に10倍すれば次の単位に上がるというものでは有りません。

ある時いちろうのプロジェクトであった事例です。0.75インチの長さのパイプの製品があります。これを500個製造の必要があります。材料は10フィート単位の長さで販売されています。

そこで材料の所要計算です。

500個÷((10フィート*12インチ)÷0.75インチ)=3.125――>4本の材料が必要

となり、インチとフィート、12進法にふたつの要素でややこしくなります。いまでもこの計算結果は正しいだろうか?と心配になっているいちろうです。

これが日本のメートル法であれば(ほぼ同じ長さの製品、材料を使うとして)

500個÷(3,000mm÷20mm)=3.333――>4本の材料が必要

とすっきりします。3mの材料もmm換算は簡単に3,000mmとなり間違いも生じません。

アメリカ人はこれを、計算機を使い、指を折り、頭をかしげながら計算をしています。これを暗算で出来る人はなかなかいません。我々日本人でも12進法が邪魔して暗算できませんよね。ところが二番目の式、メートル法では計算の速い人は暗算で出来るかもしれませんね。

アメリカではこの計算は、一般の作業者ができるというものでは有りません。現場のSupervisorかPurchasing,Engineeringの仕事となります。この中でも適正な人かどうか(即ち計算が出来るか)目を光らせていなければなりません。

日本では気の効いた現場の人でも暗算して間違いなく算出しますよね。ここらが物造りの底辺の広がりのあるなしになっているのだと思います(続く)

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