アメリカ中西部での生活、仕事、英語、スポーツ、文化に関する草の根評論
アメリカの度量衡システムが物造りの底辺の拡大を阻害していないだろうか?―――草の根評論家の見るアメリカ物造り衰退の原因(その2)
アメリカのヤードポンド法のややこしさが物造りの底辺を狭めているのではなかろうか?という論点の第二弾です。
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(ますます躍進する日本車:アメリカでのドライブの途中のサービスエリアで)


1ミクロンが0.000039インチである

現在ではミクロン単位の加工はざらに有り、もはや微細加工とはいえなくなってきています。アメリカでもこれに対応する機械やプロセスはあるのでしょうが、その呼称がやっかいです。

例えば、日本であれば「ここのメッキ膜厚6ミクロンだが8ミクロンに変更してくれない?」という要求がお客さんから入ったとします。そうすると「6ミクロンから8ミクロンか。2ミクロン、33%増やすから装置はこうして....」とすぐ概要が思い浮かばれます。

これを現場に情報を流す時でも、現場の多くの人達は理解して間違わずに作業します。

これをアメリカで展開してみましょう。繰り返しますがアメリカでも長年自動車産業が栄えてきました。装置自体の能力は(概ね)あります。

アメリカであればインチ表示です。「ここのメッキ膜厚 .00024インチだが .00031インチに変更してくれない?」という要求がお客さんから入ったとします。

そうすると「.00024インチから.00031インチか。.00007インチ、約30%増やすから装置はこうして....」とすぐ概要が浮かぶ人は限られてきます。ましてや小数点(Decimals)以下の0を一つ言い忘れたら(書き忘れたら)大変なことになります。

こちらではこの心配に対してはうまい防御システムがあり、①0.00024インチの最初の0をとり .00024インチと呼んでいる(書いている)。0を少なくして間違いを減らす、②概ね少数の”zero point zero zero……”と呼ばずに分数の”Two point four ten-thousandth (2.4/10,000)”と呼んでいます。即ち10,000分の2.4インチです。

しかしどちらにしても6ミクロン、8ミクロンの世界から較べると間違わずに運用できる人の数は限られてきます。

上記の例は日本の規格(メッキ膜厚6ミクロン)から導入したのでインチに変換した時に端数になります。これは事例としてヤードポンド法に不利となります。しかし0.00024インチを0.0002インチに数字を丸めても、この煩雑さは変わりありません。

こちらでもミクロンという用語はあり、“マイクロン”と発音していますが、実際の運用は上記の“ゼロのオンパレード“のインチの世界になります。

日本も理工系を目指す若者が減り、物造りの分野の衰退が心配されていますが、それでも「三ちゃん企業」でお父ちゃんお母ちゃんが機械、装置を動かしている所はざらに有ります。この非常に強い、広い底辺が日本の物造りを支えているわけです。

アメリカではなかなかこういう所は見当たりません。これも一つの要因はこの度量衡システムのややこしさから来ているのではないでしょうか?(さらに続く)

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